ぶぅびぃとらっぷ
今日は入り口は二つだった
小高い丘に穴がある、なんて
よくよくあるある話の中で
吹き抜ける風を追いかけて
その穴に入ってみたんだ
面白味も何もない
長いトンネルは一本道
張り巡らされたワイヤートラップ
何段にも重なった壁
開けたホールと細い道
繰り返し繰り返し
奥へ奥へ
風だけは抜けていく
ぶぅぶぅ
びぃびぃ
壁に当たって震えている
震えた風が逃げていく
どこへ行くんだろう
どこへ向かっていくのだろう
明かりのない真っ暗な道
滝のように流れる水
道々遠く
道々少なく
いつの間にか寄り添うように
いつの間にか擦れ合う様に
入り口から
奥へ奥へ
ぶぅぶぅ
びぃびぃ
段々連なった壁の向こう
聞こえてくるのは風の音
ぶるっと身震いしたワイヤーが
一斉に倒れこむくらい
ここ一番の風が奥から吹いて
あっと
言う間に
出ていけって
引っかかったワイヤーもろとも
出ていけって
入ってきた風も巻いて
まるで奥を見通せない
とらっぷだれけじゃぁないか
もう、くすぐったくってギブアップ。
ありがとうございました。