序章
気軽に読んでもらえたらうれしいです。
と同時にあまり期待しないほうがいいかも……。
1 記憶を一通り探ってみた。脳内検索というやつだ。
その作業を終えた俺は、薄暗くなった室内をぼんやりと見下げる。窓は開けていない。おかげで夏の暑さが容赦なく俺の身を焦がす。
くしゃくしゃになってしまったベッドのシーツを直すことも無く、俺は身を起こした。
途端に熱を感じて窓を開けた。
カーテンが揺れ、冷たい空気が雪崩れ込んでくる。
初夏の迷走から1週間経った今でも、あの時の気持ちが忘れられない。
今すぐにでも、走り出したい。
そんな気持ちに駆られた。
夏休みを目前に控えたある日、俺達は迷走した。
迷走とは言っても、そんなに大それた事ではない。
ただ、俺達にしか出来ない、最高の遊びだったと言うことは確かだ。
言い方を変えれば、思い出作り。
そう、中学校生活最後の、夏。
はじめに言い出したのはクラスメイトであり友人である千早だった。
その前からもクラスでお別れ会みたいなことをやろうとか言っていたのだが、それでは普通すぎると千早が俺に直談判を仕掛けてきた結果、『いつものグループ』内で何かしようという結論に至ったのだ。いや、至ってしまったと言うべきか。
俺にとってしてみれば正直なところ勘弁願いたい事だった。その理由は、千早の性格にあるのだが・・・まぁ、俺が言ったところで何も変わりはしないだろう。
・・・明日、か。丁度いい、もう少し余韻に浸っていよう。どうせ、やることはないのだし。
2
「陽一、こうなったら4人で何か一発やるよ!」
「出来れば遠慮してもらいたい」
即答。これが俺と千早の会話におけるリズムである。
放課後の教室、『いつものグループ』の4人で集まって、夏の迷走について話し合っている。実際、千早が強引に皆を集めたのだが。
『いつものグループ』とは、中学1年から運良く同じクラスになり続け、そのため仲良し4人組みたいな扱いを受けている4人のことである。俺と千早、あと直哉って言う体力バカと亜衣っていう男子からの人気が高い、いわば『アイドル的存在』とでも言おうか、そんな2人である。
「はーい、質問いいですかー?」
気だるそうに口を開き、それでも変わらず窓の方をみている直哉に対し、千早は「何」と短く応えた。それに合わせて直哉が質問の内容を口にする。
それは決定打となり、その日の話し合いは中止となった。
翌日もその翌日も、夏休みが終わったすぐ後にある体育祭の会議で、千早は放課後の暇が無くなっていた。そしてうやむやになっていた『何か一発やる』計画は置き去りにされて、ただ俺は日々を過ごすのみだった。
休み時間まで『いつものグループ』でいるワケではないので、尚更だ。
そうやって平和を保っていたとき、耳に入ってきたのだ。
「ねえ、夏祭り、誰と行く?」
女子生徒達が話し合っている様だ。男子生徒も同様、休み時間等を利用して夏祭りの計画を立てている。毎年恒例の花火祭り。
俺は誰と行こうか。
「とは言っても、毎年恒例なのはメンバーにおいても同じ事で……」
どうやら寝ぼけていたようだ。
その証拠に、気がついたら授業は終わっていて、
「参ったな」
社会科のノートに意味不明の数列が並んでいるのみであった。
かくして夏祭りである。
同じ学校の生徒がちらほら見受けられる。
結局、『いつものグループ』で夏祭りを楽しむことになった俺たちは、出店を順に見て周っているところだ。
「たこ焼きだよ!」
「絶対イカ焼きだ」
そしてたった今直哉と千早の口論が始まったところである。
「なぁ二人とも、さっきから食ってばかりじゃないのか?」
かれこれ10品目だろうか。
「去年と何にも変わって無いよね」
優しい笑みを浮かべながら亜衣が呟く。
今回の夏祭りにおいてもこの二人の大食いに付き合わされる羽目になるだろう。
そんな事を考えているうちに日は落ち、空にはたくさんの星が浮かんでいる。
もうすぐ花火が打ち上げられる。毎年恒例の花火大会だ。
殴り書きで没ストーリーだったのですが、
もし続きが読みたいという人がいるのなら、
その時は力を入れて書かせて頂きます。