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目の色
随分短いお話です。ほのぼのと見てやってくださいな。
人々は今日も歩いている。
会社に向かう人
学校に向かう人
それぞれの目的で、日々歩いている。
毎日…… 毎日……
人々はそれを繰り返している。
僕は高い場所からその光景を、
これまた毎日、毎日見ている。
ある時、ふと気付いたんだ。
人々はきっと僕を恐怖の対象として見ている…… と。
何故かって?
だって僕が目の色を変えると、ピタっと動きを止めるんだ。
最初は恐れられている事がすごく嫌だった。
でも気付いたんだ。
仕方が無かった。
僕はそれを受け入れるしかなかったんだ。
だってそれが僕のお仕事。
ああまだ言ってなかったね。
僕の名前は信号機だよ。