半年間
魔王が現れた日、世界中の街が魔物の群れに襲われたそうだ。スタディルの様に撃退できたところもあれば奮戦むなしく滅ぼされた街もあるらしい。
それと時を同じくして俺たちがこの世界に降り立った場所の上空に、1つの城が出現した。後に魔王城でと呼ばれる城だ。
それはいくつもの柱を中心としてできている結界で覆われていて進入することができず、一時的に手をこまねく結果となった。しかしそれから1ヶ月後結界を破る方法が発見される。
その方法とは魔王の22の眷族を倒すことという、いかにもなものだった。魔王の眷族である[運命の輪]が倒されたと同時に柱が壊れたのが確認されたのだ。
発見が遅れたのは最初の襲撃で眷族が[悪魔]を含め6体倒されていてその情報が上手く伝わっていなかったせいである。そのせいで城の存在に気付いた時には柱の数が減っており、眷族と結びつかなかったのだ。魔物の襲撃のせいで国同士の連絡が一部麻痺していたことが大きい。
まあその不具合も魔王出現の情報を持っていたガルシア帝国とウィリス聖王国が中心となって組まれた同盟のおかげで短く済んだが……
この2国は前もって準備していたおかげで各町の被害も軽微だったらしい。ウィリスは一応各国に魔王の事を通達していたようだが基本的にどの国も聞く耳を持たず、結果被害を出したそうだ。
結界を破る方法が発見されてからはひたすら眷族の捜索と撃破に各国の主力部隊は動いていた。佐藤とティナは主力部隊に合流、歩とそのパーティーメンバーはスタディルに残留して散発的に襲ってくる魔物の群れをさばき続けた。
俺はステータスが低下したせいで苦労しつつも薬を量産。歩たちに素材を取って来て貰いもしつつ、役に立ちそうな物を作り続けた。
最初の襲撃から5ヶ月後には全ての眷族を倒し終わり、結界を破ることに成功。しかしそれと同時に魔物の襲撃回数が激増した。
そのために守りを薄くする事が出来ず結果として各国から少数精鋭のメンバーを選出。ティナを含む空を飛べる存在の力を借り魔王城に乗り込んだ。それが3日前。
そして今日、とうとう2大チートを中心とした討伐隊が、魔王を討ち果たした……
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