Day 134 鉱山都市マテリア
久々投稿です。
短めです。
明日か明後日に次話を投稿する予定です。
いろいろと大変だった遺跡調査の依頼を終えてから3日後、俺と佐藤、ティナは鉱山都市マテリアにいた。
それと言うのも依頼で俺のメインウェポンが壊れてしまったので新しく買う必要があったためだ。
せっかくミスリルが――今は錬金で上位互換のハイミスリルに変わっているが――あるんだし、どうせなら腕のいい職人に作ってもらおうという事で鍛冶が盛んなこの街まで来たというわけだ。
佐藤達がいるのは此処に来るまで護衛してくれたためだ。罠にかからなければ俺の剣が壊れることは無かったに違いないという事で、そのことに若干責任を感じての行動らしい。
「此処だな」
街に着いてから数十分歩き回り、ようやく良さそうな店を発見した。
「ホントに此処にするのか? ギルドに加盟してないぜ?」
「元々武器の買い替えをするときのためにスタディルで腕のいい職人に関する情報は集めてたからな。 それにギルド加盟店だと安い代わりにスキルで作ってるから品質が一定で、素材持ちこみで作ってもらうのは勿体無さすぎる」
簡単に言えばギルド加盟店は鋳造品、非加盟店は鍛造品みたいな感じか。
非加盟店は当たり外れが大きいが、金をしっかり用意できれば強力な装備が手に入る可能性がある。
だから一定以上のランクになると加盟店は薬を買う時ぐらいしか利用しないらしい。
「とにかく店の中に入るぞ」
そう言って扉を開ける。ちなみに店の名前はマルク武具店だ。
「………いらっしゃい」
俺たちを出迎えたのは2人のドワーフだ。事前に調べたところによるとこの2人は双子らしい。
「この素材で装備を作って欲しい。 物はショートソード、胸当て、脛当て、余ったらダガーも頼む。 後こっちのでロングコートを1着」
そう言いながら俺はハイミスリル鉱石とドラゴンの皮、フェンリルの毛皮を渡す。
「……素材持ちこみだから全部で金貨1枚でいい。 2日後にまた来な」
それだけ言うとドワーフは俺たちを早々に店から追い出す。
無愛想だとは聞いていたがここまでとは思わなかった。
「ねえ、本当に大丈夫なの? なんか凄い無愛想だったけど……」
ティナが不安になって声をかけてくる。
「ん~~大丈夫じゃないか? 俺はなんか職人!!って感じがして良かったけど」
とこれは佐藤の言。
「腕は確からしいから別に無愛想だろうと気にしないさ。 それでこの後はどうする? 俺は《ワープ》でスタディルまで帰るつもりだけど?」
「俺とティナはここに泊まることにする。 街ん中を見て回りたいしな。 いいよなティナ?」
「普通そう言うのは先に確認をとるものでしょう………まあ、別にいいけど」
「そうか、それじゃあな」
「おう! 完成した武器が見たいから店に行く前に声かけてくれよ」
「分かった。 もしかしたらその時に『良いもの』が渡せるかもしれないから期待しといてくれ」
今研究中のとあるものがもうすぐ完成しそうな感じなのだ。
完成すれば使い方次第で世界云々の話になりかねない代物なので注意が必要だが……
「分かった。 じゃあ明後日また会おうぜ!!」
そう言ってティナとデートに向かう佐藤。 ………あいつに何かある前にティナと少し話しておく必要があるかもな。
「まあ、明後日時間をとればいいか……」
そう結論付けて《ワープ》を発動する。家に着いたら早速実験開始だと考えながら、俺は光の奔流に身を任せた。




