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Day 1   プロローグ

 世の中は理不尽なことが溢れている。


 努力しても才能の前には敵わないことが多々あるし、遊び人が真面目に働いている人を差し置いて宝籤で億万長者になることだってある。


 産まれた場所によって飢餓に苦しんだり、逆に何もせずとも裕福な暮らしを満喫できる奴もいる。


 理由もなく両親に虐待される子供がいれば、溺愛される子供もいる。


 何故こんな話をするかというと、今俺、影野悠人(かげのゆうと)を含む早志野高校2年6組計36人と担任の山田先生がこの上ない理不尽を味わっているからだ。



********



 話は30分程遡る。


 今日から後期が始まり、始業式を終えてHRが行われていた時だ。


 突如教室が光に包まれると次の瞬間には森の中にいた。


 周囲がざわめきを聞きながら辺りを見渡すと、クラスメイト全員と担任がいることが分かった。どうやら教室丸ごと森の中に移動してきたようなものらしい。


 ただ、それぞれの机と教卓には見たことのない鞄が置かれており、天井には謎の光る物体が浮かんでいた。


『は~い、皆さんいい加減静かにしましょうね~~!! これから偉大な偉大な神様が説明をしますよ~~!!』


 いまだざわめきがおさまらないクラスに向かって光球が言い放つ。


『ここは地球とは違う世界ゲーティル。君たちはこの世界にいる魔王を倒してもらうために私が召喚しました~~!! 魔王を倒せたら元の世界には返すのでご心配なく~~ あっ、戻りたくない人は言ってくれたらちゃんとこっちに残しますので~~』


 そんな事を言う光球にふざけるなと男子が罵声を上げ、一部の女子が泣き叫ぶ。


『別にふざけてなんか無いですよ~~ ちゃんとあなた達にはこの世界の言語と文字が分かるようにしましたし、こそ世界で生きるための力【スキル】を1人につき3つ、適性に合わせてあげてますからね~~ ステータスって言えば自分のスキルと能力を見ることができますよ~~』


 その話を聞き、何人かがステータスと言う。俺も自分の能力を確認するために呟いた。


「ステータス」


 すると頭に何やら浮かび上がってきた。



名前:影野悠人

性別:男 Lv.:1

HP:52 

MP:69

STR:12

VIT:10

INT:18

MND:39

AGI:10

DEX:26

LUC:72


スキル

【調合】1 【索敵】1 【便利魔法】1


所持SP:0




 これが強いのかどうかよく分からない。まあどっちかって言うと容姿も才能も平凡な部類に入る俺だから強いってことは無いだろう。それと便利魔法がどんなのかよく分からないが戦闘向きのスキルが無いような気がする。


『STRは筋力、VITは体力、INTは知力、MNDは精神力、AGIは敏捷、DEXは器用、LUCは運を表していま~す!! LUCだけ最大値が100でレベルが上がっても変動しませ~ん!! スキルはこれが見たいって思えば説明文を見ることができますよ~~ 後地球のゲームでよくある様に魔物を倒すと経験値が手に入ってレベルが上がりま~す!! それと魔物を倒したり盗賊を討伐したりスキルや自分のレベルが上がるとSP(スキルポイント)が手に入って、それと交換で好きなスキルを覚えられま~す!! スキル取得って言えばリストが出てきてその中から選ぶ方式で~す!! あっ、スキルは使ってれば勝手にレベルアップしていきますから~~ 自分のステータスを見たり、SPとスキルの交換をするのはこの世界の人もできることですから町に行っても堂々とやって大丈夫ですよ~~』


「この鞄は一体何なんだ?」


光球の話が区切れたところでうちのクラスの2大チートの1人黒川将志(くろかわまさし)が質問する。ちなみにクール系イケメンだ。


確かに、それは俺も気になっていた。


『その中には1週間分の食料と水、武器、この世界の服、あなた達の世界で言うと10万円相当にあたる金貨1枚、サバイバルセット、それぞれのスキルに合わせた道具、傷を治すヒールポーション、この世界の常識が書かれた本が入ってま~す。 その鞄自体マジックアイテムって言う魔法が込められたもので、【容量拡張】、【質量軽減】が掛けられてる高価なものですから大切にしてくださいね~~』


つまり人里に着けるようにするための物が入ってるってことか。金やら言葉やら文字やらがあるんなら人はいるだろうしな。


『最後に、この世界で魔王が出現して暴れだすまでおよそ1年の猶予があります。 その間に力をつけ、無事魔王を倒してください。 ああそうそう、ゲームみたいに生き返ったりとかはできないし、魔王倒した後帰りたくない人はこっちに残れますから~~ それじゃあ私はこの「待ってくれ!!」……なんですか~~?』


一通りの説明が終わったのか、去ろうとする光球を止めたのは2大チートのもう1人、明山聖也(あきやませいや)だ。こっちは爽やか系イケメン。


「何故他の人たちじゃなく僕たちがこの世界に呼ばれたんだ? それになんでこんなにたくさん?」


 後半は俺も分からないが前半部分はお前と黒川がいたせいだと思うぞ。まあ他にもチート臭のする奴がクラスの2/3ばかりいるが……


『何やら強い力を持った人が複数固まっていたからですよ~~ 分けるのが面倒だったんで全員まとめて連れて来ちゃったんですけどね~~ それじゃあ私はこの辺で~~ 魔王を倒した後また会いましょ~~~』


そう言うと光球は元からいなかったかのように消え去った。


……っていうか完全に俺(と他数人)巻き添えじゃん!!


SPは魔物を倒すと1P、盗賊を倒すと盗賊が所持していた分だけ、レベルが上がると(レベル-1)×10Pだけ手に入ります。例を挙げると10レベルになったとき90P手に入ります。レベルアップ時に手に入るポイントは自身もスキルも同じ仕様です。

ただし魔物の場合、一定以上相手よりレベルが高いと手に入りません。魔物の種類によってレベル差は変動します。


12/18 SPについて一部追加設定

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