第3話
翠月です。しっかりと話になっているでしょうか?
「さて…。里に向かうか。」
掌をテントにかざすとその間に魔方陣が姿を現しテントをしまった。
「じゃぁルク。また頼むよ。」
「ぐるるるっ」
ルクは了解したと言わんばかりに足を降り、二人がのり安いように座った。シルフィーナを抱いて二人が乗るのを確認するとゆっくり立ち上がって風の如く緩やかに走り始めた。
「シュラフ。道案内頼む。」
「まずは、龍の谷に向かってくれ。ルクは猫族の王虎らしいから、それくらいは分かるんじゃないか?」
「がるるるっ」
俺を見くびるなっと言っているような鳴き方をしてルクは谷への進路を走った。
谷への入り口は森となっており、初級の冒険者の試験場となっている。その森の第一階層を抜け第三階層の滝へ続く川をたどり、滝のそば近くでルクは止まった。彼の背中から三人が降りるとルクは魔方陣を自ら出して還って行った。
「すごい滝だな。のまれたら一貫の終わりだ。」
ユラは滝の凄さに驚を隠せないでいた。
そんなユラを後目に滝の端の方を指差す。
「ほら。滝の裏まで続く道があるだろ。そこまで行くぞ。」
「……っ…あ゛~ぁ~ぁ~。わぁ~ぁ~ん。」
二人が歩き出そうとした際。シルフィーナが泣き出した。
「「!!!!!?」」
驚いた二人は顔を見合わせ、周りを見渡すとユラが気付いた。
「……あっ!!……そうか。滝の音に驚かれたのですね。配慮が足りず申し訳ありませんシルフィーナ様。」
ユラはシルフィーナを中心に魔法をかけ滝の音を遮断した。
その後シュラフの案内でシルフィーナ達は勢い良く流れ出でる滝の裏側に到着し、シュラフは滝を背にし壁に手を翳して粒やいた。
「¢£%#&*§@*&。§#%£¢℃¥$。」
呪文めいた言葉を唱えると壁に魔方陣の様な紋様が表れ、壁がフッと消えた。
「……??。なんと言ったんだ?」
「龍使いにしか分からない龍族の言葉だ。」
「龍族の言葉なら、俺も龍族と契約しているから分かるはずだが……?」
シュラフは考え込むユラに、それはそうだろ。と言う顔をした。
「これは確かに龍族の言葉だが、龍使いにのみ受け継がれる龍族の古語だからな。龍のみと契約しないと分かるわけはないさ。まぁ例外は有るがな。」
さぁ行くぞと先を促し、二人が歩を進めるとブワァンという音と共に入り口が消えた。
ユラは一瞬振り返ったがシュラフに続いて先を進んだ。
龍の里には次回から入ります。