7/12
眠りはいつしか夢の中で
人は必ず1日1回は寝る。
寝ないと次の日までの体力が持たないからだ。
精神的にもきつくなるだろう。
少年の国が戦争を起こした頃。
戦争中はきっと一睡もできなかっただろう。
たとえ、寝る時間があったとしても、気が休まらない。
何故なら、寝てる間に殺されるかもしれないのだ。
そう。戦争とはそういうものなのだ。
少年が血だらけの理由は、きっと戦争で殺されそうになったから逃げてきたのだろう。
でも、大切な人を国へ残したまま自分だけ逃げてくるだろうか。
普通、大切な人を残して逃げるおろかな奴はいない。
もしかして、ここは別世界なのかもしれない。
そう。夢の中とか。
そして、次の町に旅立とうとしている私も、少年の夢の中にいるのかもしれない。
いつの間に夢の中へ来たのだろうか。
その時の記憶は・・・・・ない。
誰かに消されたのか。
そういえば、少年と出会う以前の記憶は・・・・・・。
消された・・・・か。
多分私も愚か者だということだな。
眠りはいつしか夢の中で。
少年は今は静かに生まれ変わるまで眠っているのだろうか。
大切な人の側に行けるように。
願いながら。