血に染まれ、儚き恋よ
「―――――――お、俺は・・・・まだ、し、死ねない・・・・・・。あいつをっ・・・・守るんだ・・・――――――終わる訳には・・・・・いかないんだ!!!」
少年の最後の言葉。
血まみれで、既に死んでいてもおかしくない身体で、誰かのために生きようとした少年。
いくつもの歳を重ね、大切な人と大切な時間を過ごしてきた。
少年の大切な人は今、戦争から逃れ、何処かに身を潜めているのだろうか。
私はそんなことばかり考えていた。
何故だろう。
私はあの少年について、別に、考えなくてもよいのだ。
少年は恋をしていた。
しかし、その恋は“戦争”と言う言葉で、一瞬にして消え去った。
儚く、終わってしまった。
少年の国は今や、どうなっているのか。
戦争に勝ち、少年の大切な人も生きていることを私は願う。
生まれ変わっても、記憶が残ることは無いだろう。
いや、少年が戦争に行く前に唱えた呪文。
「イーストハープ・ヴォリック」
これは一体何を意味するのか。
もしかしたら、記憶を操作する呪文かもしれない。
それが本当なら、きっと、どこかで大切な人と会う日が来るだろう。
そのときは、きっと新たな恋が始まるだろう。
さぁ、私は次の街へと旅立つか。
少年の事はもう少し様子を見よう。
次に会うときにはきっと、今まで以上に大変なことが待っているだろう。
そう、私は思う。
物語があやふやになったなって思います(-_-;)