表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「日常の不協和音」  作者: Harumin


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/30

「自分のスキル」


「おはよう、咲〜。今日、移動してくる社員いるんだよね?

それと派遣も一人入るって聞いたけど…どんな人かな、いい人だといいね。」


***


「今日から派遣の前田さんが入ります。皆さんよろしくお願いします。

前田さん、何かあれば同じ派遣の吉野さんに聞いてね。」


「吉野さん、よろしくね!とりあえずPCの設定からお願い〜。」

「はーい…」……私ですか…


最近は、自分でPCの初期設定をするのが当たり前。

前の職場ではセットアップ済みを渡されたけど、今は全部自分で。

意外とこれ、地味にめんどくさいのよね…。


「じゃあ、まずは社内システムの使い方から説明しますね。」


***


昼休み。


「あー教えるのって、ほんと疲れるね〜。」

「蘭、おつかれ。相手のレベル探りながら話すの大変だよね。」

「そうそう。社内用語とか、最初はわからないだろうし、

“そこから?”って思っても、ちゃんと説明しなきゃいけないしね。」

「逆に“わかってる前提”で教えてくる人もいるよね。」

「うん、いるいる。あるあるだよね。」


教える側も、教わる側も、温度差がある。

一から知りたい人もいれば、言われたことだけやればいいって人もいる。

前田さんは、どっちのタイプなんだろう…。


***


数日後。


「吉野さん、前田さんどう?慣れてきた?」

「うーん……どう思います?」

「って、質問返し?」

「あ、すみません。自分の感覚で言うと、PCスキルは“中の下”くらいかなって…。」

「え、そうなの?へぇ〜…」


自分の感覚ってなんだ・・・自分を自分で中間って位置付けているが

それが、本当に周りは、どうみてるんだ?


私の“中の下”は、他の人から見たら“中の上”かもしれないし、

もしかしたら、私自身が“下の下”かもしれない。

なんで、先輩にあんなこと言ってしまったのだろう。人のこと言えるのか?

自分の基準って、どこなんだろう。


***


「咲さ〜、自分のPCスキルってどうやって申告してる?」

「うーん、難しいよね。“やったことある”と“できる”は違うし、

“やればできる”っていうのも、実際にやらないとわからないし。」


「たしかに…」


人によって、経験値も環境も違う。覚える気があるかないか、

だから、“スキル”なんて言葉ひとつで測れるものじゃない。


蘭はふと、自分の指先を見つめた。

同じタイピングでも、音も速さも人それぞれ。

それが、職場というひとつのリズムになっている。


——私も、その中のひとつの音なんだな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ