『伊丹十蔵、地下アイドルをプロデュースする』
⸺某日、施設の地下階。
廃棄寸前だった部屋の奥で、ひとりの少女が踊っていた。
「──夢、叶えたいんです……。
誰かに“見られるための身体”になりたくて……」
そこに現れた男──伊丹十蔵。
白衣をバサァと翻し、
音もなく、その少女の腰回りに近寄る。
「……その骨盤、“伸び代”あるな」
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⸺伊丹、突然アイドルプロデュース開始。
看板:
《伊丹式 アイドル形成プロジェクト》
テーマ:“踊れる女体”
募集要項にはこう記されていた:
・乳に関して“伸びしろ”のある者優遇
・ターン時の揺れが“魅せ乳”と一致していること
・表情筋がエモい者(特に“泣き笑い”)
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⸺合宿スタート。
・朝は“乳振り体操”から
・発声練習では「は〜〜い、Bカップの人、もう一段階“ハリ”を!」
・食事メニューは謎のスムージー「フェミナクティブ乳酸菌ジュレDX」
アイドル候補生「なんか先生、歌よりも胸ばっか見てませんか?」
伊丹「何を言う。表現とは、“胸を張る”ことから始まるんじゃ」
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⸺ライブ本番
アイドルたちがステージへ。
曲名:「Boob it up!〜私の内側は左右非対称〜」
会場:「推せる!!!」「揺れに意味がある!!」
伊丹、最前列にてガチ泣き。
「わしの……育てた乳が……飛んでる……」
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⸺最後のMCタイム
センターの少女が叫ぶ。
「この身体を、愛せるようになったのは……“乳の鬼才”のおかげです!!」
観客「誰それ!?」「先生!先生見てる!?!?」
伊丹「…………ふん」
そっと背を向け、
満員の会場をあとにする伊丹の背中が、やけに誇らしげだった。
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完。