表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/58

第4話 働き者のスライムくん

 「一度休もっか」


 スライム達と共に、ギガピッグを倒した。

 色々ありすぎて疲れてしまったので、少し休むことにする。


 しかし、その間にギガピッグの体から光を発し始めた。

 その光はギガピッグの体を離れ、僕の体へ取り込まれていく。


「あ、これは!」


 これは“経験値”だ。


 魔物を倒すと、倒した者へ魔力などが流れ込んで来る。

 それでギフトに応じたパワーアップができるらしい。

 テイマーの場合は、MPや魔法が増えたりするのかな。


「なんだか力があふれてくる……」


 強い魔物ほど、経験値は大きい。

 経験値を初めて得たのもあるけど、ギガピッグの経験値がそれほど多いんだ。

 やっぱりすごいな、“魔境の森”の魔物は。


 そうして感心していると、スライム達が話しかけてきた。


『ねえねえ!』

『ブタさん食べないの?』

『すっごく美味しそうだよ!』


「え!? い、いやあ……」

 

 ギガピッグは丸焦げになっており、正直あんまり食べたくない。

 それに毒がないとも限らない。

 食事の代償に死亡なんてごめんだ。


 と、そんな心配を察したのか、スライム達は続けた。


『ぼくたち分解できるよ!』

「え?」


 食物連鎖の最下層にあたるスライムは、いわゆる分解者にあたるのかな。

 詳しくは分からないけど。

 

 そうして、スライム達は動き始める。


『ぶんかーい!』

『ぶんかいー!』

『悪いものを取り込むよー!』


「す、すごいな……」


 本当にギガピッグの分解を始めたみたいだ。

 また、ギフトウインドウにも気づくことがあった。


ーーーーー

アケア

MP :790/1020


ギフト:スライムテイム(100)

スキル:【スライムテイム】【スライム念話】【スライム収納】【スライム合体】【スライム分解】

魔法 :火魔法

ーーーーー


 スキルの中に【スライム分解】というのがある。

 僕はこれを使用してみた。


『わ、いつもより力が湧いてくる!』

『うおーやるぞー!』

『もっとぶんかいだー!』


 スライム達の働きを強化できたみたいだ。

 見るからに動きが早くなり、そのまま待つこと一分ほど。

 

『分解したよー!』

『毒素はないよー!』

『アケアも食べられるよー!』


「みんなすごいよ!」


 【業火球】によって大部分は焦げていたが、可食部が残っていたらしい。

 ついでに毒素も抜いてくれたそうで、これなら食べられそうだ。

 

 戦闘も分解も含めて、全員で得た食べ物だ。

 みんなにお肉が行き渡ったところで、僕たちは手を合わせた。


「じゃあ、みんなで──」

『『『いただきます!』』』

 

 僕がもらったのは、ギガピッグのお腹辺りのお肉。

 バラ肉っていうんだっけ。

 見た目がまだ若干生だったので、少し【火球】で炙って食べてみる。


 口にした瞬間、自然と目がパッと開いた。


「美味しい!!」


『でしょー』

『よかったあー』

『おいしいよねー』


 こんなに美味しい食べ物は初めてだ。

 フォーロス家ではお肉はおろか、ほとんど残飯ばかりだったから。

 それに、これもスライム達が頑張ってくれたおかげだ。


「ありがとうね、みんな」


 思わず感謝を伝えると、スライム達も笑顔になる。


『うん-!』

『いいよー!』

『ぼくたちもお肉食べれてうれしい!』


「あははっ、そっか」


 すると、自然とあの家にはなかった温かい雰囲気になっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お読み下さりありがとうございます!
今作を応援してくださる方は、↑の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えていただけると嬉しいです!
皆様の応援が毎日投稿の力になりますので、よろしくお願いします!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ