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ワガママを言う幼い子供のように見えた

 近所に住んでいる人に『コーヒーを飲みに行こう』と誘われた。了承したわけではないのだが、一緒にコーヒーを飲みに行くことが決定してしまっていたようだった。


 そうして連れてこられたのは近くのファーストフードのチェーン店だった。


 確かに、コーヒーもあるな。コーヒーを飲みに行こうと言われてなんとなくコーヒーの専門店を想像していたのだが、まあいいか。


 レジで注文してから、と思ったらその人は席に座った。


 あれ?こういうところって席に注文とってきてくれるのか?結構わからないだけで最近のファーストフード店舗も変わってきたんだな。と考えに浸っていたが。


「コーヒーを持って来い!」


 その人はいきなり大声を出し始めた。


 ファーストフード店にこない自分でもわかる。これはよくないことだ。


「なんでコーヒーを持ってこないんだ!」


 昔からやっている喫茶店とかでは店主と客が顔見知りで『いつもの』と言う注文でコーヒー出してくれたりけど、どう見てもこの全国チェーンの店舗でそう言ったサービスはしていないように見えた。


 すると店員が慌ててやってきてレジでの注文をお願いしていた。そりゃそうだろうな、と思ったが知り合いはそうは思わなかったらしい。


「俺はいつもここでコーヒーのお湯割りを頼んでいるだろう!」


 どうしてもこの客席で注文と会計を済ませたいようだった。なんだろう、この人を見ていると注意されて駄々をこねる今年3歳になる孫を思い出した。泣いて、舌足らずな言葉で自分の意思をどうにか周囲に伝えようとしている3歳児に。


 自分と同じ歳の頃なのに、思い浮かべる姿は3歳児だ。


 ああ、こうはなるまい。


 そう心に刻みつけていると店員がコーヒーを持ってきてくれた。


 軽く会釈をすると店員も返してくれた。


「ここの店は俺だとコーヒーを持ってきてくれるんだ」


 さっき大声で『持ってこい』と言っていたのはなかったことになっているらしい。そうだ、代金を支払わなければと財布をだす。


「いいっていいって。ここは俺の奢りだ」


 そう言われ、じゃあここは奢ってもらおうかと思ったがさっきの3歳児の行動を思い出した。


「いや、俺が落ち着かないから代金を払うよ」


「なんだ、固いやつだな」


 ここで代金を出してもらったりなんてしたら後々、『コーヒー奢ってやった』って言われ続けるんだろうな。そんな未来が容易に想像できてしまった。150円のコーヒー代はこれからの人付き合いを考えたらとても安いもののように思えた。


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] コーヒーが飲みたくて喫茶店へ行きコーヒーを頼んだ、周りをみてモーニングを食べてる人達が多いのに気づき、モーニングを勧めない店員や店の文句を後日聞かされる私。 上質な接客をされるのが当然と思…
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