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白昼夢  作者: ことい
3/5

家族

このように私の開発に勤しんでいたお二人ですが、年月による変化がございました。


マスターは、社外のマッチングサービスで家庭的な女性とご結婚なされ、男子をお一人もうけられました。式にこそ出席されませんでしたが、婚約、ご成婚、出産、進学と、折々のタイミングでこちらのご自宅に揃って挨拶にいらっしゃいました。グランマも奥様やお子様を可愛がり、程よい距離感の親類のような関係を築いておられました。


一方、グランマの身体は衰え、私も介護ロボットとしての役割が増えました。晩年には専用アームも作成し、入浴介助も行いました。年々私のアームを小さく作り替えるマスターの表情は寂しげでしたが、グランマには細やかな対応が出来たと自負しております。本来であれば、介護サービスの利用を考慮すべきだったかと思いますが、私の存在もあり回避していたようです。幸い、入院レベルのご病気はなく、痴呆も軽度でしたので、ご自宅で最期まで私が看取ることができました。


グランマは過去に結婚されていたこともあったようですが、その方とはお子様もなく、ご兄弟も先に亡くなっていました。私に登録された死亡時の連絡先には地区の民生委員と遠い親類の方の名前があり、匿名の連絡を受けたその方々がグランマの遺体を見つけ、諸々の葬儀を進めていきました。独り身とはいえ、ご友人も少なくなく、賑やかな式だったと思います。


その間、私はグランマが用意した自宅の空間にひっそりと控えておりました。

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