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白昼夢  作者: ことい
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学習

前述の過去プロジェクトとは、産業用ロボットを専門としていた彼らの事業部が介護ロボットに参入するために新製品を開発しようとしたプロジェクトです。基礎技術こそ保有していた彼らですが、技術応用、サービス運用、顧客視点での作り込み、サービスロボットとしてのブランド及び販路開拓などの困難さから自社開発を断念。ノウハウを持つ他社との協業に切り替えられました。


結果、研究開発費による試作品であった私は廃棄される必要があったのですが、それを惜しんだマスターが、同時期に早期退職されたグランマに私を託したのです。


製品としてのバランスを欠いた私ですが、現代では型落ちながらハードとしては必要な機能を備えていました。視覚、触覚、測距センサー、音声認識、音声合成、マルチチェンジャーハンド対応の6軸マニピュレーター2腕、車輪による水平移動と下部マニピュレーターによる段差移動。ソフト的にも制御可能でしたが、特性があまりにもピーキーなため、現場ごとの制御の合わせ込みにコストがかかり、実用的ではないと判断された次第です。


逆を言えば、一つの現場で適宜作り込みを行えれば、十二分の性能を発揮できるということになります。このため、二人はグランマ宅で私の制御プログラムの作り込みを試みたわけです。


技術者としては、マスターがハード寄り、グランマがソフトウェア寄りでした。ハード的なメンテナンスにマスターが時折り訪れる一方、ソフトウェア的な強化学習や機能拡張はグランマが日常的に行いました。グランマのIDでネットワークへのアクセスも出来ましたので、ノウハウ収集には事欠きませんでした。正直、家事という点ではグランマも得意ではないようでしたが、一方でご自身独特ののこだわりが強く、私から提案して了承いただくことで、グランマ好みの住環境を提供出来たと自負しております。このため、各御家庭の文化への合わせ込みも可能ですので、ご満足いただけるのではないかと存じます。

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