氷点下傘下
見慣れない銀世界
見慣れない装い
見慣れない霜焼け
見慣れない君の顔
辺り一面まっさらに
私の心もまっさらに
反して頬は赤くなる
君の隣で熱帯びて
差し出された手のひらに
じんわりと熱を感じながら
爪を立てないようそっと
微笑みながら握りしめる
薄灰色の空の下
舞う白粉を踏み固め
君の差し出す傘の下
そっと入ってまた笑う
薄暮色に染まるまで
終わりゆく空とその顔と
甘く囁き合いながら
肩寄せ合った傘の下
澄んだ藍空見えしとき
星を見ながら語り合う
あたたかな吐息感じては
その口元に初雪を
傘に積もった粉雪を
払いのけてはまた笑い
ともに頬辺紅く染め
積もりゆく恋に幸あれと