夢のような階段
ほかほかと
春の花が咲いて
約束を
してくれたひとだけがこない
夢のような階段を
のぼるのが
四月
ひとり
東の山へゆくのです
ひとり
西の野へゆくのです
ひとり
世界の空へゆくのです
わからないことだけの
世界の様式を
わがままな顔をして
解き明かしてみせましょう
かつての恋人との
心の隙間に埋めた花に色を塗って
そのときは断絶した
愛だの恋だの
ふざけたお笑いぐさが
ほんのすこしでも
夢のような扉が開くとでも
いっそ夢のようなむかしばなしが
ゆり戻せるとでも
ゆうつもりかい?