サイレント・ラヴァー
好きだよ
という言葉はよそにして
明日の休みはどこにいこう
とっておきでもなんでもない
あたりまえな服を着て
たぶん だから意味はないよ
わたしは単にひとり
服に言葉はないけれど
サイレントな愛だけはある
だれかに恋をすること
それはきっと服を着るようなこと
きみに恋をすること
それはあたらしい服を買うようなこと
好きだよ
という言葉は語られない
ただちょっと服をえらぶだけ
明日はなにを着る?
季節にふたり 寄り添えるような
静かにかたちあるファッションを仕立てて
わたしのなかのサイレント・ラヴァーが
そっとあたまを出すような
しあわせな服を着よう