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第77話『追跡者の心』

お待たせしました。

第77話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2023/03/19改稿しました。


 1日限定の冷えた身体を手に入れたアクタ達一向は、荒野を駆け抜け、馴染みのある迷いの森へ突入しようとしていた。


『みどり、一旦止まれ』


『へ? あ、はい』


 迷いの森手前まで来てアクタは()()()を迎え撃つため一旦降りた。


『出てこい、俺達をつけているのは分かっている』


 すると、物陰から()()()()()()()が現れた。


『よお、ゴミ共!』


 邪悪な笑みを浮かべながら現れたのは盗賊団の幹部のイーブルだ。相変わらず醜悪で殴りたくなる顔をしている。


『あなた……あの時の……!』


 イーブルはゴールドちゃん達を舐めまわすような下衆な目で見ている。ゴールドちゃん達もイーブルに対し不快感を隠しきれないようだ。


『貴様、盗賊団の幹部だな?』


 アクタは一切臆することなく前に出て、イーブルに問い詰める。


『あぁ、そうだぜ。俺は盗賊団の幹部イーブル様だぁ!』


『俺達に何の用だ?』


『決まってんだろ、お前らを殺せと、()()()に言われてるんでね』


『あの方?』


『まあ、というわけで……お前ら、俺の為に死ねえ!』


 イーブルは右ポケットから短剣を取り出し、真正面からアクタに挑んできた……と思いきや、左手に隠し持っていた、透明のキューブ状の魔道具をアクタに向けて投げた。


 すると、キューブ状の魔道具はアクタに触れた途端、2メートルくらいに大きくなり、アクタを閉じ込めた。


『これは……!』


 アクタは脱出しようとキューブを壊そうとしてみるも、キューブはビクともしなかった。


『おっと、そいつは簡単には壊せないぜ。なんせ最上級の魔道具だからな。どんなに強い魔法や筋力があっても、その魔道具には傷1つ付ける事すらできないぜ』


『くっ……!』


『お前はこの中で、あの可愛いガキ共を痛めつけられるところを、じっくりと観賞してるんだな』


 イーブルは下衆な目で、ゴールドちゃん達に近づいてくる。


『待てよ……こいつらなかなかの美少女だしな……殺した事にして、こっそり奴隷として売り出すのもアリか』


『奴隷だと……?』


 ゴールドちゃんは奴隷という言葉に強く反応し、怒りを(あらわ)にした。


『あぁ、そうだ! 奴隷になった暁には無理やり仕事させられたり、身体を弄ばれたりするかもな!』


 彼女達のそんな姿を想像し、愉悦を感じながら一切悪びれることなく嗤う。


『このクズが!』


 反吐が出るほどのクズに我慢ならなかったゴールドちゃんは真正面から、ハンマーをイーブルに叩きつけようとするも、回避された。


『なっ……!?』


 隙だらけのゴールドちゃんに短剣を刺そうとした瞬間に、シルバーちゃんが放った弓矢がイーブルの短剣に見事に命中し、次にブロンズちゃんが放った炎魔法がイーブルを襲う。


『熱っちちちちちちち! 水! 水!』


 イーブルが水魔法で発火箇所にかけた瞬間、水浸しのその身体にブロンズちゃんの雷魔法が、イーブルを襲った。


『うわあああああああああああああああああああ!』


 電気がよりよく通る状態なので、余計にダメージが入っている。


『どうかしら? 水かけたおかげで雷がよく通るでしょ?』


『そうか……だから俺に水魔法をかけさせるように誘導したのか……やるじゃねえか……だが……俺は、まだ終わっちゃいねえ……周りをよく見てみろ……』


『周り?』


 嫌な予感を覚えながら、周りを見るといつの間にか、イーブルの分身100体に囲まれていたのだ。


『なんだこれ……何であいつがいっぱいいるんだ……?』


『俺様が習得した分身魔法だあ! 俺1人じゃあ、あっさりやられちまうからなあ! はははははははははは!!!!!』


 イーブルは高笑いしたまま姿を消した。どうやらゴールドちゃん達が攻撃したこのイーブルも分身だったようだ。


『くそっ! どいつが本物だ? なあブロンズ、本体はどれか心読めないか?』


『それが……ここにいる奴等全員、心が()()()()()! だから、心を読むことができないわ!』


『なんだと!?』


『さっき倒したイーブルの心は読めたのに……なぜ……?』


 そうこう言ってる間にイーブルの分身が一斉に襲いかかる。


『くっ! とにかく、こいつらを片付けよう!』


 ゴールドちゃんはハンマーを振り回すと、分身の集団が次々と吹き飛ばされると、影も形も残さずに消えていった。


 シルバーちゃんは矢をひたすら放ち、分身に命中し続け、着々と数を減らしていく。


 ブロンズちゃんも、末っ子だからって負けてられない! と、炎、水、雷の簡易魔法を駆使しつつ、隠し持っていた短剣で、自分に近づく分身を、次々と消していく。


 みどりちゃんは自身を巨大化させ、分身を踏み潰したり、突進して何体も何体も吹きとばして蹂躙している。


 あっという間に100体居たはずの分身はゴールドちゃん達の活躍により全て殲滅した。あとは木陰に隠れていた本物のみが残った。


『おいおい……このガキ共、意外と強えじゃねえか……こりゃ想定外だ……撤退する!』


 イーブルは煙玉を投げて逃げるという、ベタな撤退をしようとした……が、心を読んだブロンズちゃんが先回りをし、イーブルの足に炎魔法を命中させ、転ばせた。


『熱っ! 痛って!』


 見事に転んだイーブルの元に、ブロンズちゃんはゴミを見るような目で見下した。


『心が読めたって事はあなた本物ね? 逃がさないわ』


 ブロンズちゃんは逃がさないように、イーブルの手足を氷魔法で作った“氷の縄”で縛った。


『くそっ! こんな筈じゃ……!』


 ムカつくニヤケ面は影も形も無く、悔しそうな顔を披露する。


『残念だったな!』


『畜生ォォォォォォォォ――――――なんてな。()()()()()()()()()()()()


 イーブルが悔しそうな顔から、歪んだ笑みをした邪悪な顔に変わると、またしても姿を消した。どうやらこれもまた分身だったようだ。


『これも分身かよ!』


『何で……イーブルの心は確かに、本気で悔しがっていた筈なのに……』


 ブロンズちゃんがそう考え込んでいると、突然空からドラゴンの咆哮が、全員の鼓膜を震わせた。


『何だ!?』


 上空を見ると()()()()()()黒いドラゴンが、ゴールドちゃん達を凝視していた。


『あれ……まーちゃん……?』


第77話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、22日~24日に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

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