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第71話『ゴールドVSアクタ』

お待たせしました。

第71話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2022/09/11改稿しました。

 正義を口にしたアクタに憤慨したゴールドちゃんは彼に決闘を挑んだ。ゴールドちゃんはアクタを本気で叩き潰そうと躍起になっている。


 だがアクタはその人物の姿を見れば実力が大体分かる。ゴールドちゃんの実力が分かった今、彼女からの決闘の申込みは所詮子供の戯れとしか思ってない。



 ここは時間の無駄だからと言い、断るべきだと思ったが、それではこの(むすめ)は納得しないだろう。そう思ったアクタは決闘の申し出を受けることにした。


『いいだろう。ただし3分だけだ。それ以上は付き合えん』


『いいぜ! ぶっ潰してやる! このすかし野郎!』


『場所はどうする?』


『外でやろうぜ。どうせ人はいないだろうし』


『分かった』


 決闘の話がまとまると、ゴールドちゃんとアクタはすぐに武器を用意し、決闘の準備をした。


『ゴールドちゃん……本気で団長……アクタに挑むのかい?』


『ああ、本気だ』


 アミさんはゴールドちゃんとアクタと双方の実力を把握している。もちろんゴールドちゃんを応援してやりたいのは山々だが、どう考えてもゴールドちゃんが団長に勝てるわけがない。


 アクタの強さは底が知れない。さっきもあの最強生物であるドラゴンを難なく倒したのだ。恐らくあの赤髪ちゃんとアミさんが2人がかりでアクタに挑んでも、圧倒的実力差に打ちひしがれるだろう。


 それが分かっているアミさんは、ゴールドちゃんに決闘なんて馬鹿な事をしてほしくはないが、一度決意した彼女を止めるのは無理だ。それほどまでにゴールドちゃんの信念は強い。なのでそっと見守るしか選択肢にない。


『シルバーちゃんを連れていこうとしているのが、そんなに気に入らないのかい?』


『ああ、だがそれだけじゃない……アタシは嫌いなんだ……正義を語るクソ野郎がな』


 ゴールドちゃんはそう言いながら、ハンマーを手に持ち、外へ向かう。


 アミさんは、ただその後ろ姿を見るしかなかった。3分後に無様に地に伏せる彼女を止める術はない。


 ――外へ出てみるとやはり人はいない。ここに住んでた人達はドラゴンに襲われてから、どこかへ避難したのだろう。


『来たか』


 ゴールドちゃんが外に出ると、アクタは上空から現れた。落ちてきたのではない()()()()()のだ。まるで公園のジャングルジムから降りていくように。この行為だけでもアクタがただ者じゃないと、嫌でも理解させられる。


『ああ、来たぜ』


 アクタは砂時計を出し、硬いはずのコンクリートに強く突き刺した。


『さっきも言った通り、3分だ』


『ああ……』


『あと、言っておくが俺とお前には圧倒的な差がある。だから()()()をくれてやる』


『ハンデだと……?』


『俺は3分間、お前には一切攻撃しない。俺が行うのは防御だけだ』


『なんだと……アタシをナメてるのか?』


『ああ、そうだ』


『ふざけやがって!』


 ハンデをもらうという屈辱を受けたゴールドちゃんは更に憤慨し、一直線にハンマーをアクタに殴りつけると同時にドオン! という轟音が街中に響いた。決まったか……と思ったがアクタは右手だけで難なくハンマーを受け止めていた。


『何!?』


『この程度か』


『くっ……!』


 ゴールドちゃんはこのままでは攻撃が通らないと思い、一旦距離を取った。


 決闘が始まってからほぼ微動だにしないアクタは先ほど地面に突き刺した砂時計を見た。


『どうした? まだ2分半は残ってるぞ?』


『クソが!』


 ゴールドちゃんは悔しさで歯を強く噛みしめながら、ハンマーを振り回し、まるで竜巻のような風を発生させ、アクタに突撃した。


『ほう、これは面白い技だな』


 アクタは今度は左手で竜巻を難なく受け止めると、竜巻は消え去り、次に荒れ狂うハンマーも右手であっさりと止められた。


 これさえも止められてしまうのかと、絶望感を身体で受け止めながらもゴールドちゃんは諦めずに、アクタを転倒させてやろうと、左足でアクタの右足を蹴ったが、アクタの足は鋼のように硬く、1ミリも動く気配は無かった。


『硬てえな! 畜生!』


『あと1分50秒程あるが、まだ俺にダメージを与えられないのか?』


『黙れ!』


 ゴールドちゃんは蹴った足を下げ、受け止められたハンマーに炎魔法と雷魔法を同時に纏わせた。すると纏わせた炎と雷によってハンマーの威力は増し、アクタをより強い力で潰してやろうとしたが、ハンマーはまだ受け止められたまま、しかもアクタは一切表情を変えていない。こんなものでは俺を倒すことはできない。その表情だけでそう言われている気がした。


『さっきよりは威力が上がったな。だがまだまだだ!』


 そう言うとアクタは、身体全体に神々しい光を纏わせ、防御魔法を発動した。


『防御魔法……“反射”!』


 この魔法は受けた攻撃をそのまま相手に返す魔法だ。攻撃魔法のように見えるが、あくまで防御の1種であり、防御しかしないというアクタの宣言とは何も矛盾していない。


 アクタの身体は纏わせた光をより眩しく光らせ、攻撃を反射させた事により、ゴールドちゃんを10メートル離れた所へ吹き飛ばした。


 地に足つかないまま直線上に吹き飛ばされたゴールドちゃんは、その際にハンマーを落とし、やがて身体は地面に叩きつけられ、そのまま起き上がれず意識を失った。


『あと50秒か、もう終わりか?』


『……』


 返事はない。意識を失うレベルの攻撃を受けたからだ。決してゴールドちゃんが弱いわけではない。むしろゴールドちゃんは並みの冒険者よりも強い。だがアクタの前ではゴールドちゃんの本気の攻撃など、もはや子供の戯れレベルだ。もう1度言うがゴールドちゃんが弱いわけではない、このアクタという男が――


 あまりにも強すぎるのだ。


第71話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、6日~8日に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

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