表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/722

第70話『ダメだ、効率が悪い』

お待たせしました。

第70話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


※2022/09/11改稿しました。

『助かる方法がある……ですって?』


『ああ、“時”の女神の力を利用すれば、時間を戻して、過去を変えられるかもしれない』


 時の女神とはその名の通り、時の力を使うことができる女神である。ただ、()()()()()()()()()()()()は、この時点では、分からなかった。


『時の女神かー、女神って色々居るんだなー』


『女神の存在をあっさり信じるんだな』


『いやー、だって女神には実際会ってるし……』


 大抵の人間は女神に会うことはない。だがゴールドちゃん達は、地の女神に既に会っているので、特に驚きもしなかった。


『なるほど、お前達は既に地の女神と会っているのか……これは驚いたな』


『驚きましたよね、団長』


『だから、団長はよせ』


『はい、団長!』


『おい、話を聞け……はぁ……』


 これは何回言っても話を聞かないやつだ……と観念し、団長呼びを受け入れる事にしたアクタであった。


『ん?』


『どうした? シルバー?』


『今、何か聞こえなかった?』


 シルバーちゃんがそう言うと、皆は耳を澄ませて音を拾おうとするが音1つ聞こえず、ただ静寂のみがこの地下を支配している。シルバーちゃんの気のせいだろうとアクタ以外の誰もが思った。


『何も聞こえないけど……』


『あれ、確かにさっき声が聞こえたんだけどな……』


『気のせいだろ』


『そうなのかなぁ……』


『……』


 この中でアクタだけはシルバーちゃんの()()になんとなく気づいているが、あえて何も言わなかった。


『まあ、とにかく時の女神を探し出せばいいんですね? 団長』


『ああ、だがこのままじゃ、あまりに手がかりが無さすぎる。そこで地の女神はどうだ? もしかしたら時の女神について何か知っているのではないか?』


『それは無いと思います……そもそも地の女神様から、他の女神様を探してほしいと頼まれたので……』


『だが、何もしないよりはマシだ。些細な情報でも1つの答えに辿り着くかもしれない。俺は地の女神の所へ行く。魔王城に居るんだったな』


 アクタはそう言うと、すぐにここから出ようとしていた。


『団長! ちょっと待ってください!』


『何だ?』


『魔王城には、結界があって資格を持つ者と一緒じゃないと、魔王城には入れないんです』


『そうか、なら資格があり、地の女神と最も親しい奴を連れていこう』


『皆で行くのはダメですか?』


 アミさんはアクタを含めた皆と一緒に行きたいと想いを素直に言葉にしたがアクタからは冷たい言葉を放たれる。


『ダメだ、効率が悪い』


『そんな……』


 アミさんの知ってるアクタという人物はもっと仲間想いで、効率よりも仲間との絆を大切にする人だった。だが、今ここにいるアクタは、絆よりも効率優先で行動している。


 アミさんはそんなアクタを見て落胆した。


『団長はそんな人じゃなかった……』


『だから言ってるだろう。俺はお前の知ってる団長じゃないと』


『だけど!』


『悪いな、俺はもう()()()()()()()()()()()()()()


『団……長……?』


『話は済んだか? 俺はこの中の1人を連れて魔王城へ行く』


 アクタは誰を連れていくのか……それはもう決まっている。既にそれぞれの能力と事情はおおよそ把握している。


 この中でまず資格だが、そもそも魔王城の資格を持たない人間はアクタ以外はいない。あとは話を聞く限り最も地の女神も親しい人物……それは……。


『シルバーと言ったか、お前俺についてこい』


『私ですか!?』


『ああ』


 アクタが指名したのはシルバーちゃんだった。なぜならシルバーちゃんは単純(シンプル)に地の女神と最も親しい人間であり、話もよりスムーズに進むだろうと考えたからだ。


 シルバーちゃんと地の女神との人間関係を理解している魔王城のメンバーならば、彼女を連れて行くのも理解はできる。しかし――


『ちょっと待て』


 ゴールドちゃんはシルバーちゃんを指名した事に不満があるのか、険しい顔をしてアクタを睨みつけた。


『なんだ』


 ゴールドちゃんは椅子から立ち上がり、アクタを睨みつけたままアクタの前に立った。


『勝手にアタシの可愛い妹を連れてこうとするなよ』


『だが、この中で1番効率が良いのは――――』


『効率効率うるせえよ! この野郎! そんなに効率が大事かよ!』


『当然だ。効率は()()だ』


『黙れ!』


 ゴールドちゃんは“正義”という言葉(ワード)に心の底から怒りが沸き上がり、グーで机を叩きつけた。そんなゴールドちゃんをシルバーちゃんとブロンズちゃんとアミさんは、何も声をかけられずただ心配そうに見つめた。


『正義なんて言葉で物事を片付けるなよ。反吐が出るぜ……』


『お姉ちゃん……』


 ゴールドちゃん達は小さい頃正義教団に散々な目に遭わされた。その時に言われたのが“正義のため”だった。


 何をしても正義のため正義のため正義のため……正義なら何をしてもいい歪んだ教団にとてつもない恨みを持っている。


 そんなふざけた教団を崩壊させる事が可能ならば、今すぐにでも破壊しに行くだろう。


 それはゴールドちゃん達3姉妹共通で感じている事だが、ゴールドちゃんは特に怨恨(えんこん)が強い。


 そんなゴールドちゃんが“正義”という言葉を聞くと、我慢しようにも、どうしても怒りが抑えられない。


『……決闘しろ』


『決闘だと?』


『お前が勝ったらシルバーを連れていけ……ただしアタシが勝ったらシルバーはここに残って、お前の正義を徹底的に潰してやる!』


第70話を見て下さり、ありがとうございます。

次回は、5日~7日に投稿予定です。

宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ