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第616話『影の鬼嫁』

お待たせしました。

第616話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 激動のティータイムも終わったタイミングで従者らしき人がノルン様から来てほしいとの伝言を届けてくれたので、俺達はそれに従ってノルン様の部屋へ向かった。


『この度はお見苦しい姿を晒してしまい、誠に申し訳ございませんでした』


 そこには頭を垂れる素面の女神がいた。隣にいるユリウス王も“この通り本人も反省しているから許してほしい”と言いたげに苦笑いをする。


 推測だけど女神本人は俺に対してだけは申し訳ないと思ってないだろうな。あ、今めっちゃ刹那の間に頭を上げて俺を睨みつけて中指立てやがった。恐ろしく早い挑発、俺でなきゃ見逃しちゃうね。


 というかユリウス王ってそんな表情するんだな。話を聞いた限りもっと高貴な大男のイメージだったから、今はこんな可愛い少女であるせいでギャップが凄い。


『私の責任でもある。すまなかった』


 ユリウス王も厳かな表情に変え、頭を下げた。


 何かこの二人、夫婦というより姉と妹みたいだな。ユリウス王が男に戻ったらその印象も百八十度変わるんだろうけど。


『いや気にしないでくれ。ここにいる者達は皆ノルン殿のことをよく知っている。誰一人として気にしてなどいないから安心してほしい』


 オベイロンは優しくそう言ったが、微妙にフォローになっていないような気がする。


『う、うむ、そうか。オベイロン殿の寛容な心、痛み入る』


 まあ確かにオベイロンはどこか抜けているが良い奴だからな。しかしそれは時に己の首を絞めることになる……けど、ダークロードとかいうやべえ奴すら従えているし、大丈夫かな。


『あれ、それで何で私達ここに来たんだっけ?』


 カヴァちゃんが思い出したようにそう言った。そういえば俺もノルン様との再会が強烈だったせいで忘れてたな。


『確かアースさんがお母さんが引きこもりになったとかで様子を見にここまで来たんだよね?』


 ルカちゃんがあごに指を立ててそう答えた。すると、途端にユリウス一家の表情が暗くなる。どうやら深い理由(わけ)があるようだ。


『はい、娘の言う通り私はここから出られなくなりました』


『何で?』


『説明しましょう。実は私は……』


『私は?』


『……った』


 小声で何かを言った。


『え、何だって?』


『ですから、……とった』


『全然聞こえないです、もう一度お願いします』


『……太った』


『はい?』


『だから太ったんですよ!!!!!!!』


 先ほどとは天と地の差くらいの大声量で引きこもりの原因を口に出した。


『太った?????』


 本人はそう言うが、俺が最後に会った時の体型と全く変わらないように見える。


『どこが???????』


 一同困惑した。娘のアースちゃんやユリウス王ですら呆れ顔だ。


『どこがって、ここですよ! ここ!』


『どこ?』


『このお腹ですよ!』


 ノルン様はそう言ってシャツを捲り、証拠を見せたのだが、別にそれほど肥えているようには見えない。まあ筋肉はあまり無さそうなのでろくに運動や筋トレもしてないのは分かる。


『こら、端ないぞ』


 夫(美少女)が妻にそう指摘した。


『だって〜、みんな分かってくれないんだもん〜』


 ノルン様は情けない声を上げてユリウス王に縋った。まるで聞き分けのない子供のようだ。


『はぁ、心配するなノルン』


 ユリウス王はノルン様の口を口で塞いだ。要はキスだ。


 キャーーーーとルカちゃんカヴァちゃんは頬を染めた。他は呆然とその光景を目に焼き付けた。


 美少女と美女の接吻なので百合っぽく見えるが、美少女の方は中身が男である。脳がバグりそうだが、これは百合とは非なる概念だ。


『たとえ全世界がお前を豚と罵っても私だけはノルンの味方だ』


『ユリウス……!』


 感動(てえてえ)場面と思いきや――


『それって私が豚だって言いたいんですの?』


 ノルン様は眼をバキバキさせながらそう言った。怖い。


『ち、違うぞ! それは物の例えであってノルンが豚と言ってるわけじゃないぞ!』


 ユリウス王が慌てて説明するも、ノルン様は鬼の形相で夫を睨みつける。


『何も違わない、私は何も間違えない』


 どこかの鬼みたいなこと言ってる!?


『もういい全員出ていけ。痩せるまで私はここから出ない!』


 ノルン様はそう言って、何かの魔法を使ってユリウス王含む全員が追い出された。


 そうして部屋の前でポツンと立つ我々。


『重ね重ね申し訳ない! 私が余計なことを言ったせいで!』


 ユリウス王はまたしても頭を下げた。


『いやいや、気にしないで下さい』


 本当に気にしないでほしい。どう考えてもあの性悪わがまま女神が悪い。


『いてっ!!!』


 またタライが俺の頭上から降ってきた。しかも今回のはかなり硬い材質で出来ていて、かなり痛い……。


『あーあ、ダスト君たんこぶ出来ちゃってる……このタライ、絶対ママの仕業だね、何か失礼なことでも思ったの?』


『まあね……』


 ずっと頭を押さえてないといけないくらい痛い。これ下手すると打ち所悪くて死んでた可能性すらある。あんの女神、マジで殺す気だったんじゃないか?


『はぁ、もうしょうがないな……』


 これはノルン様が地上に出てくるのはずいぶん後になりそうだな。まあゼウスも倒したし、急いでないからいいけどさ……。


 でも強いて言うなら“あいつ”の事も聞きたかったな。ノルン様なら恐らく知ってるだろうし。


 その後、俺達は影の国を観光してから地上へ戻った。


第616話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回の投稿ですが、この先の展開はまだ調整が済んでないので、それまでお待ち下さい。間が空いてしまい、本当に申し訳ございません。

宜しくお願い致します。

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