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第615話『影のティータイム』

お待たせしました。

第615話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 ルカちゃんカヴァちゃんのショートした思考回路の回復とヤンキーメンヘラ女神が落ち着くまで俺達は別部屋へ移動して、そこでティータイムをすることとなった。


 ユリウス王はノルン様を宥めているので、ここにはいない。娘のアースちゃんは父から『ママはこっちで宥めておく、アースは友人と戯れの時間を過ごすがいい』と言われ、ティータイムの席に着いている。


 テーブルを囲むように座り、それぞれの席には既に紅茶と洋菓子が置かれている。ガチ美味しそう。


『本日皆様のご給仕をさせて頂くアカリと申します』


 自慢のポニーテールを揺らしてそう挨拶をした。どうやらアカリさんが用意してくれたみたいだ。


『ありがとうございます』


『いえいえ、何かあればお声がけ下さい』


 アカリさんはそう言って扉の横に待機した。


『いやー、私のママがごめんねー』


 アースちゃんは汗をかいた笑顔でそう言った。


『ははは……』


 全員苦笑いだった。その中でダークロードは、


『オベイロンから聞いていたが、我の想像以上の女だったな。いつもあんな感じなのか?』


 という質問を口にしながら全員に視線を送る。それに真っ先に答えたのは娘のアースちゃん。


『ううん、ママはいつも優しいよ。パパかママ友と喧嘩した時だけああなるの』


 ノルン様の性格なら誰かと喧嘩して荒れてても分かるけど、今のノルン様はそんなレベルじゃない気がする。


『なるほど……結婚は幸せの象徴だと思っていたが、時間が過ぎればそうでもないんだな。うむ、また一つ知識が増えた』


『そこは人によるだろ』


 オベイロンがツッコんだ。


『そうなのか? でもお前独身だろ? 何で分かるんだ?』


『私の部隊の中に既婚者はそれなりにいるからな。よく話を聞く。それこそノルン殿のように苦悩している者も結構いるし、毎日仲の良い夫婦もいる』


『ほう、それはなかなか興味深いな』


 ダークロードは小さなノートに小さな鉛筆を取り出して、何かをメモっている。何だこの勤勉な生物。


『えっとダークロード君だっけ? 君は人の事をよく知りたがってるけど何で?』


 アースちゃんがそう質問した。


『人か、あるいは精霊。我が極悪非道の塊だった時、こいつらに倒されて気づいたのだ。死が怖いと――』


 ダークロードはその後も自分のエピソードを淡々と語った。


『――以上が我がオベイロンと共にいる経緯だ』


『へぇ、そんなことがあったんだ。ママから話だけは聞いてたけど、精霊国も色々あるんだね』


 そういえば今いるメンバーの中でアースちゃんだけが精霊国とも一万年前の過去とも関わってないのか。いやまあノルン様の娘だから間接的には関係あるけど。


『ダスト君は精霊国行ったことあるんでしょ?』


 これもノルン様から聞いたようだな。


『ああ、綺麗な国だったし、みんな優しかったよ』


『そっか、私もいつか行ってみたいな』


 おいおい、ちょっとフラグっぽいセリフじゃねえか。アースちゃん、お前死ぬのか?


『この戦いが終わったら私達は精霊国に帰るが、アースも観光がてらついていくか?』


 オベイロンまで死亡フラグ立った!? おいおいやめてくれよ、シャレにならねえよ!


『え、いいの?』


『ああ約束しよう』


『オベイロン君……うん、約束だよ!』


 アースちゃんは目を輝かせながら口約束を結んだ。


 うん、非常に尊いやり取りなんだろうけど、さっきから死亡フラグのバーゲンセールだぁ。これはヤバいぞう!


『ルカちゃん達、どうだ紅茶美味いか?』


 さっきから大人しいルカちゃん達にカレンちゃんが汗をかきながら話しかけた。オーバーヒートして何もできないと思いきや会話する、紅茶を飲むなど最低限の動きはできるようだ。


『コウチャオイシイ』


『オイシイネ』


 しかし心此処にあらずという感じか。どうやら未だ情報を整理できていないようだ。


『お、美味しいなら良かった……ははは……』


 ルカちゃん達の嫉妬が怖かったのか、カレンちゃんもタジタジになって彼女達に対応している。


『ソウイエバ地上ニイタ時ニ聞イタンダケドサ』


 闇のオーラを纏うルカちゃんが突然カレンちゃんにそんなことを聞いてきた。怖い。


『な、何だ?』


 カレンちゃんはビクッと身体を震わせた。まるで浮気した彼氏みたいな反応だな。申し訳ないけど、ちょっと草生えた。


『他ノ女ノ子トアイドルグループヤッテルンダッテ?』


 そうだった、カレンちゃんはシュタインとしてブロンズ様と桐華とアイドルグループを組んでいるんだったな。


『えっと、誰から聞いたのかな?』


黄金(こがね)……ゴールドチャン? カラ聞イタンダヨ。ドウイウコトナノ?』


『その……それはプロデューサーから聞いてくれ!』


 カレンちゃんは俺に指を指してきた。すると、二人はぐるんと視線をこちらに向けてきた。


『ディーンサン?』


『ネエネエ、説明シテヨ?』


 小さくて華奢な身体なのにとてつもなく強い何かを感じる。怖い。


『えっと、実はカレンちゃんは、地上にいるブロンズちゃんと桐華ちゃんという女の子と一緒にアイドルグループやってて……』


 嘘ついてもしょうがないので、そうなった経緯を包み隠さずに話した。


『ヘェ、私達ニ黙ッテ他ノ女ノ子トソンナコトシテタンダ』


『いやだって、その時まだルカちゃん達と会ってなかったし……』


 ゴゴゴゴゴという擬音が似合うほどの圧が俺の胃袋を押し潰す。


『言イ訳ハ無用! モウチョット詳シク聞カセテ貰ウヨ!』


 二人の闇のオーラが更に勢いを増した。逃げたいところだが、事態を悪化させるだけなので、ここは一旦応じるしかないようだ。


『……はい』


 俺は観念してルカちゃんズの尋問を受けることになった。まあとは言っても色々あって結局まともにマネージャーできてなかったから、これ以上話すことは無かったんだけどな。


 二人はろくに尋問できず不完全燃焼のまま、ティータイムは終了した。オベイロン達は楽しかったようだが、俺は疲れた。あ、間違えた憑かれた。その後もずっとルカちゃん達が俺の後ろで呪文のように嫉妬心を口に出し続けていたからな。マジで頭おかしくなる……。


 もう勘弁してくれ……。

第615話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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