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第602話『堕ちた神』

お待たせしました。

第602話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 堕天使ゼウスは当然の如く雷を剣に変え、漆黒のオーラを纏った斬撃を放った。


 今まで見たどの斬撃よりも無駄がなく、鋭く、そして殺意とパワーも桁違いだ。雷以外のものも混ざってるっぽいので、おそらく避雷針の呪術でも防げない。


 しまった、事前に自動回避魔法を発動しておくんだった。もう今更防御に割く時間は残されていない。俺が魔法が発動する前に黒い斬撃が俺の首を刎ねるだろう。


 俺が咄嗟に取った行動は――


『あぶねえ!!!』


 巨大化魔法を解き、身体を縮ませることで避けることに成功した。俺の首めがげて放たれた斬撃は雷雲を真っ二つに切り裂いた。


『人間のくせに悪知恵だけは働くな。いやだからこそか。卑しい種族よ』


 褒めていると思ったら後半は嫌味だった。どんだけ人間嫌いなんだよこいつ。


 まあ、とにかくあのヤバい攻撃を回避できた。もし、まともに喰らっていたらただでは済まなかった。


 ゼウスの攻撃の一つや二つ回避しただけで勝利を掴んだわけではない。ここが戦場である限り、常に気を張って戦わなければいけないのだ。


『そりゃ悪かったな。でも残念だったな。これからもアンタにとってすげえ嫌がらせしてやるから覚悟しろ』


 そう言うと、ゼウスは怒るわけでもなく馬鹿にしたように嘲笑する。


『勝手にほざいてろオーディン。貴様ごときが神を討ち破れるなどと思うなよ』


 ゼウスは散り散りになった雷雲の雷を自分の物のように掴むと、それを鎖のように繋げて投擲した。


『ほう』


 俺はそれを回避せず見守る。


『なぜ避けない?』


 不思議に思うゼウス。しかし避雷針の呪術が雷の鎖を弾いた。


『くそがっ!』


 怒りの表情を浮かべる堕天使ゼウスに、俺は容赦なくあらゆる種類の魔法を叩き込む。


『我に魔法など効かぬ!』


 “ゼウスの知識”により魔法は無力化された。それも想定済みだ。


『気づかないか?』


『何がだ――はっ!?』


 ゼウスの背後にナイフが刺さっていた。あんまり痛そうじゃないが、ダメージは確かに入っている。


『なぜナイフが我の背に? 空間魔法か?』


『そうだ、予め仕込んでおいたのさ』


 ゼウスが正面の魔法に気を取られている間にこっそり背後に空間魔法を発動しておいた。正直防がれると思っていたが、まさかこんなにあっさり成功するとは。堕天使モードが影響しているのかもしれないが、意外と抜けている部分もあるんだな。


 もし俺がゼウスにスキャンされていたらこの戦術も読まれていたんだろうな。あの時、ノルン様の咄嗟の判断で俺を別の世界線に送ってくれたからスキャンされずに済んだ。ありがとうノルン様。


『バカな、不意打ちなど()()()()()()()()()()()()()


 そうだろうな。オーディンの時はまるで王道漫画の主人公のように戦っていたからな。ゼウス視点では俺の本当の戦い方など微塵も知らないだろう。


『怖いか?』


『な、何がだ』


『情報のない敵と戦うのは』


 しかし、ゼウスは肩を竦めてこう言った。


『フッ、愚かな。確かに俺に知られたら戦力外にはなる。だが情報がないからといって俺がそいつと戦えなくなるわけではないぞ』


 ゼウスはアピールするように腕の周りを複数の輪っかで囲うように雷を纏った。


『戦い方は豊富みたいだな。でも――』


 俺は転移魔法で自らゼウスの前まで転移し、その輪っかの雷に触れた。すると、何もなかったように全て消え去った。


『なぜだ!?』


『察しが悪いな、さっきからそうだが俺に雷は効かないんだよ!』


 呪術のおかげだが、今の俺ってまるでかの有名な某ゴム人間のようだな。これで手足が伸びれば完璧なんだがな。


『うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!』


 自棄(やけ)になったのか、そのままグーで俺を殴ろうとするが、俺は転移魔法で回避した。


『とうとうただの暴力かよ……』


 まあ、自慢の雷が使えないんだからそうするしかないんだろうけど、ゼウスの焦り方が尋常じゃない。


 おいおい、これが“ラスボス”の姿かよ。俺達が強くなりすぎたのもあるけど、思ったよりも弱い。このまま行けば俺一人で勝てるぞ? もちろん油断しないこと前提だが。


 未来予知で見たあの高速雷撃は何だったんだ?


 やっぱり()()()が絡んでるんだろうか。


『オーディン!!!!!!』


 ゼウスは性懲りもなくまたしても拳を振りかざし、俺に向けて放った。勢いとパワーは確かにあるんだろうけど、スピードがいまいちだ。そのおかげで防御か回避の時間が十分与えてしまっている。ブリュンヒルデを相手にする方がよほど厄介だぞ。


『やれやれ』


 俺はゼウスの拳が当たる前に転移魔法で背後に移動した。次にあらゆる物を収納できる“ストレージ魔法”でナイフや剣を大量に取り出し、それを物を浮遊させて投擲できる“磁力魔法”でゼウスの背を的に大量の刃が突き刺さる。この戦い方、今度はどこぞの金色の王様みたいだな。


『ぐおおおおおおおおおおお!!!!!!』


 背がハリネズミのようになったところで、ゼウスは空中浮遊すらできなくなり、地へ吸い込まれるように落ちていった。


『ふぅ、これで終わりか』


 何か思ったよりもあっさり終わったな。


 ブリュンヒルデがゼウスを相手にしなかった訳が分かった。俺一人で十分だと判断したからだ。自分が入ってしまえば戦いがつまらなくなる、そう思ったんだろうな。しかし、さすがの観察眼だな。宇宙最強は伊達じゃないってことか。


『神は倒した。でもこれで終わりじゃないはずだ』


 ――俺は知っている。“真のラスボス”の正体を。


『なあ――()()()()()

第602話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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