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壊れた歯車は異世界に行っても壊れたままだった  作者: カオス
5.5章〜未来への架け橋〜
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EPISODE③『精霊と妖精とダークロード終 その後⑨』

お待たせしました。

執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


『ボタンを押したのは――モーガン選手だあ!』


 このクイズ中、プリンの事しか考えてなかったモーガンがいよいよポイントを獲りに動いたが、彼女は誰よりもダークロードに敵対心を抱いていた。モーガンにとってこのクイズ大会がどれだけ苦痛なのか、それは誰にも想像できない。


『さあモーガン選手、解答をどうぞ!』


『……』


 解答の時なのにモーガンは黙したままだ。


『モーガン選手?』


 再びマイクをモーガンに向けるも、彼女は一向に口を開かない。何やら答えを言うのに抵抗があるようだ。


『……』


『不正解にしますよ?』


『あぁ、待って! 答える、答えるから!』


 ウンディーネに脅しような催促をされ、ようやく答える気になったモーガン。一回咳払いをしてから、苦しそうに口を開いた。


『ダークロードの……長所は…………プリンを我慢できること』


『『『『『『『はい?????』』』』』』』


 一同、首を傾げた。


『えっと、どういうことでしょうか?』


『だからね……その……ほ、ほら、ダークロードはこ、こんな状況なのに、プリンを我慢してるじゃん?』


『何言ってんだ?』


『この期に及んでまだプリンの事しか頭にないのか』


『モーガンさんにも困ったものですね……』


『もう!! 私の解答にケチつけないでよ!!』


『そりゃ、ケチつけたくもなるだろ。何でまたプリンなんだよ、意味がわかんねえよ』


『そういうノームはどうなの!』


『俺はまだ思いつかねえから答えられねえ。というか今はモーガンの解答の解説中だろ? 早く解説しろよ』


『もうしてるよ!』


 もはやジャッジするまでもないが、一応審査員の3人にジャッジを促した。


『うーん、ちょっと意味分かんないかな』


『モーガンちゃんの事好きだけど、さすがにこれは擁護できない。ごめんね』


『うむ、理由としては弱すぎる』


 案の定、全員ナシ判定だった。


『はい、というわけでモーガン選手、不正解!』


『ああぁぁぁ、私のプリン……』


『もう無理だろ』


『はぅ……』


 まだ逆転の可能性はわずかに残されてはいるが、モーガンの闘志は完全に燃え尽きた。だが敗北を認めても尚、彼女の心からプリンが離れることはなかった。


『では次の解答者は――』


 ここでノームが押した。


『はい、ノーム選手!』


『ダークロードの長所は、単純に強い!』


『ああ〜』と納得する声が上がった。


『確かにそうだ……くそっ!』


 これもジャッジするまでもないが、3人のジャッジが下された。


『これは納得だよ』


『シンプルイズベストだね』


『うむ、同感だ』


『というわけで、ノーム選手1ポイント獲得!』


『よっしゃあ!』


『良かったですね、ノーム選手』


『この調子で俺が優勝してやる!』


 ノームは現在3ポイント。トップはシルフの6ポイント。優勝するにはあと4ポイント必要な上に、シルフ自身もポイントを取らないとは限らない。逆転の可能性があるとはいえ、かなり厳しい戦いだ。


 ――次の解答者はそのシルフだった。


『防御力が高い、ですかね』


『いや、あいつスッカスッカだろ。大量に湧いてくるだけで』


『……それもそうですね』


 ジャッジも全員ナシで不正解となった。


 次の解答者はサラマンダーだ。見事な解答で先ほど1ポイント獲得したが、今回はどんな答えを出すのか。


『めっちゃ黒い!』


『それ長所か?』


『え、黒って何かカッコよくね?』


『それってあなたの感想ですよね?』


 シルフのそのセリフにミュルが何故か吹き出した。


『うるせえ、何かその言い方ムカつくな』


 ジャッジの結果は、バルカンのみアリ、あとの2人はナシ。不正解となった。


『あー! 不正解か、くっそー!』


 サラマンダーは諦めずに思考の海に潜った。


 次の解答者はミュルだ。相変わらずウンディーネにしか聞こえない小さな声で解答を言った。


『えーと、ミュル選手の解答は「ダークロードという名前がカッコいい」とのことでした!』


『また感想じゃねえか!』


『ミュル選手は「うーん、やっぱり中二すぎたか……不正解でいいよ」とのことです!』


『お、おぅ。やけに諦めが早いじゃねえか』


『ミュル選手は「中学生の時の自分を召喚してしまった死にたい」と言っています』


『何かよく分かんねえけど死ぬな』


 ジャッジは全員ナシ。ミュルは不正解だ。


 次の解答者はモーガンだ。解答は――


『あの、ちょっとコンビニでプリン買いたいから行ってきていい?』


『もう勝負諦めてる!?』


『だって、点差が開いてるどころか、クイズが無理ゲーすぎる。ダークロードアレルギーの私が優勝するのもう無理でしょ』


 不貞腐れた態度で彼女はそう言った。


『まだ勝負もついてないんだから、分からないでしょ? 何でもいいから言ってみて』


 ウンディーネは子を説得する母のようにモーガンに提言した。


『分かったよー、じゃあ平気でう◯こち◯こって言えること』


『考えうる限り最悪の答えを出しやがった……!』


 サラマンダーはドン引きした。


『やめてくれ笑わせんなよwww』


 ノームは年相応の反応を披露する。


 当然ジャッジはナシ判定だろうと、誰もがそう思っていた。なんとアレーシアとバルカンはアリで、リックスだけはナシ、つまりモーガンは正解判定となった。


『えええええええええええええええ!?』


『なんでえええええええええええええ!?』


 ツッコミ担当のノームとサラマンダーが驚き、叫んだ。他の参加者も騒然としていた。


 アリと判定したアレーシアから聞いてみた。


『だって下ネタを堂々と言うって面白くない? 私笑っちゃったよ〜』


 次は同じくアリ判定のバルカンに聞いてみた。


『下ネタを発言する美少女……つまりギャップ萌え!!』


『はい、リックスさんはどうですかー?』


 ウンディーネは無言で冷めた視線をバルカンに送った後、ナシ判定のリックスにマイクを向けた。


『品がない』


『シンプルな解説ありがとうございます〜。ですが、アリ判定は2人! よって正解となります! モーガン選手初めてポイントを獲得しましたー!』


 他の参加者も敵ながら拍手を送った。モーガンの態度もあり、完全に諦めていた戦いで初めて一歩を踏み出した。その事実だけで涙腺が緩んでしまうというものだ。


『な、なんかありがとう。えへへ』


 モーガンは照れながら礼を言った。


『じゃあこの調子でどんどん答えていきましょう!』


 戦いはまだ続く。

ここまで見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

逆にいつまでクイズやってんだよって思う方もいらっしゃるかもしれません。本当にすみません。ですが、どの道そろそろ終わる予定なので、もう少しお付き合い頂ければ幸いです。

次回も宜しくお願い致します。

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