EPISODE③『精霊と妖精とダークロード終 その後④』
お待たせしました。
執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
※特定の人物への話し方に矛盾があった為、修正しました。
『――というわけで、第一回ダークロードの事を知ろう大会〜〜〜!!!』
『『『『『『は?????』』』』』』
一同、首を傾げた。
『え、一体どういうことです?』
そう聞くと、主催者のウンディーネは真面目な顔つきで言った。
『ダークロードは敵よ。それだけは間違いないわ。でも今のダークロードはどうかしら?』
その本人は小動物のように私の肩に乗っかっている。端から見れば、とても危険な生物に見えないが、とはいえ昨日はとんでもない災害を引き起こしている。当事者ならば心を許すなど到底できることではない。……はずなんだけどなぁ……。
『今のダークロードは確かに大人しいけど、だからって敵視するなって方が無理だろ。昨日どんだけやらかしたと思ってんだよ』
ノームは正論を言い放った。本当に全くもってその通りだノーム。
『オレも同感だ。こいつが死んでないどころか同じ卓を囲むなんてありえねえ』
『私も正直戸惑っています。いえオベイロンさんを信じていないわけではありません。ただ、我々もこの状況を黙って受け入れられる程、お妖精好しではありませんから』
サラマンダーとシルフも、ダークロードとの友好を強く拒絶している。
『逆に何でウンディーネは受け入れてるんだ?』
ノームはウンディーネに質問したが、その前にシルフが補足した。
『いいえ、ウンディーネは我々と違って、ダークロードを倒す為に召喚されたわけではありません。だから彼女に使命感なんてあるわけもなければ、そもそもダークロードの存在を知らないのです』
『そうか、そういやそうだったな……』
『そっかー、仲間外れなんだな』
シルフ、サラマンダー、ノームは憐れみの目でウンディーネを見た。
『『『可哀想に』』』
『憐れむのはやめて!!! べ、別に私だけ仲間外れなんて思ってなんてないんだから!!!』
ウンディーネはそう言いながら、少し涙を流している。すごく気にしてたんだな……。
『可哀想に』
私もつい口に出してしまった。
『オベイロンまで言わないで!!!』
『可哀想だな、貴様も』
ダークロードまで口を挟んだ。すると、ウンディーネ様が鬼の形相で黒い小動物の首根っこをつかんだ。
『元はと言えばアンタのせいでしょ!!! 今からアンタを置いて、オベイロンと遠距離走してもいいのよ!!!』
それはダークロードにとって死の宣告に等しいものだ。
『やめろおおおおおおお! 走るなあああああああああああああああ!!』
掴まれたままジタバタと手足を動かすダークロード。これが我が国を滅ぼそうとした強敵の姿だと思うと悲しくなる。
『何をやってるんだか……』
私はやれやれと肩を竦めた。
『あの、そろそろそのダークロードの事を知ろう大会の詳細をお聞かせ下さい』
このままではダークロードを殺そう大会になってしまう。まあ私はそれでも一向に構わないが、こいつの能力はダスト達の役に立つ可能性があるからな。始末るのはその後だ。
『はっ、そうだったわ!』
ウンディーネ様は顔をハッと立てると、手に持っていたダークロードを投げ飛ばした。
『いてっ、いくら何でも扱い悪すぎだろ!』
壁に激突したダークロードは怒り心頭だが、ウンディーネ様は気にせず大会の説明を行う。
『今からダークロードに関する問題をいくつか出題します。一番正解した妖精が私特製の高級プリンをプレゼントするわ!』
それは、ぷるるんと揺らして現れた。高級と言っているが、普通のプリンと見た目からそれほど変わっているようには見えないが、分かる。これは絶対美味しい。
この時、我々は全員プリンに釘付けだった。シルフだけはただニコニコしていたが、その背後にはとてつもない野心を表す何かが見える。
つまり、ここにいる全員――プリン好き。
『ぜってえ負けねえ!』
『俺が勝つ!』
『ははは、勝たせてもらいますよ』
『勝つのは私だ!』
『私は王なのだから、勝たなければ国民に示しがつかないな』
負けてたまるか。絶対あのプリンをGETしてみせる。精霊王の名にかけて――
こうして第一回ダークロードの事を知ろう大会が開催された。
『それでは始まりました、第一回ダークロードの事を知ろう大会! 司会は超美少女妖精ウンディーネが務めます♡』
自画自賛の極みのような御方が自身を華麗に紹介する。こういうのをダストが見たらきっとメロメロになるんだろうな。
『参加者の紹介です♡』
いらんだろ。
『左からオベイロン、シルフ、ノーム、サラマンダー、モーガン、そして謎の仮面ミュルさんです!』
『ちょっと待て、最後の奴誰だ!?』
いつの間に現れた謎の仮面ミュル。その名の通りヘルメットのような仮面を被った者がいる。服装もダストが着ていたようなカジュアルコーデだ。
私も全然気配を察知できなかったが、一体何者なんだ?
『さあ謎の仮面ミュルさん、意気込みをどうぞ!』
『おい無視すんな! そいつ誰なんだよ!』
サラマンダーが必死にツッコむもウンディーネは無視して、進行する。
ミュルは何やらボソボソと、司会のウンディーネ様に耳打ちしている。
『クイズ王に俺はなる! だそうです!』
ウンディーネ様がミュルの意気込みを代弁した。なぜ自分で喋らないのかは分からないが、思ったよりもノリが良さそうな奴だな。
『だーかーら! そいつ誰なんだよ!』
『はい、それではサラマンダーさん、意気込みをどうぞ!』
『話を聞けーーー!!!』
結局ウンディーネは何も答えなかった。質問し続けたサラマンダーもやがて諦めてクイズに専念するのであった。
それから、私を含めた他の参加者もそれぞれ意気込みを話すと、いよいよクイズが始まった。
『意気込みを語ってくれたところで、クイズを始めたいと思います! それでは第一問!』
――必ず優勝してみせる。
ここまで見て下さり、ありがとうございます。
皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
次回も宜しくお願い致します。




