EPISODE③『精霊と妖精とダークロード⑭』
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《ダークロード視点》
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――
何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだNAZENAZENAZENAZENAZENAZENAZENAZENAZENAZENAZE縺ェ縺縺ェ縺縺ェ縺縺ェ縺縺ェ縺――
――我は怯えているのか?
そんなバカな。我は光すら呑み込む闇の化身だ。普通に攻撃しているだけでは死なない。概念で生きているのだ。なのに、あの精霊王の攻撃だけは我の根幹にあるものを揺るがしている。
やめろ、我を照らすな。眩しい、眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい眩しい痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い――
しばらくはこの部屋に隠れていよう。どうもここは古代の魔女が我を封印する為に作られた部屋らしいが、皮肉なことに隠れ家としては最適だ。なぜなら、ここにいれば誰にも気づかれないように、都合の良い術を練り込んでいるからだ。
あのオベイロンもさすがに我がここにいると認知することはないはずだ。とはいえ、あまりここに長居するわけにはいかない。ここは奴らにとって知らぬ場所ではない、いずれ我がこの場所に隠れている可能性を考えて調査するかもしれない。
ある程度休息を取ってから、早めにここを出発しよう。そして、いずれまた精霊国を襲ってやろうではないか。
クックック、愚かな精霊共よ、寿命が延びただけありがたいと思うがいい。
しかし――
『ここにいたか』
な、なにーーーーーーーー!!!??
光輝く戦士がいつの間にアジトに潜入し、扉を壊し、我の前に現れた。壊された扉は斬られた事に気づかず、今音を立てて崩れ去った。
『なぜここが分かった!?』
我はオベイロンを見上げながら言った。
『空に浮かぶ貴様を倒したら、瘴気が不自然に引き寄せられていたからそれを追ってたらここに着いた。それだけだ』
瘴気が見えた?
そんなバカな! 誰にも見えないように移動したはずだ! 一体どんな手品を使ったというのだ!
『全く君もドジだよね、まんまと追い詰められちゃってさ』
オベイロンの他にもう一人いた。このアジトを作った張本人であるモーガンだ。
『ふーん、やっぱ君の本体って小さいんだね』
この女の言う通り、我の体長は20センチほど。貴様らのサイズであれば、下を向かなければ気づかれないだろう。
『まあ関係ない。ここでお前を倒せるなら』
『フン、貴様如きでは我を倒せぬ。そこの精霊王に頼らなければ何もできない。貴様は所詮落ちこぼれの魔女なのだ!』
『言いたいことはそれだけ? いくら私を罵倒したって今君自身は何ができるの?』
この女はまるで強者のように上から物申しているが、結局モーガン如きでは我を倒せまい。
『抵抗くらいはできる! 例えば貴様の身体を乗っ取るくらいはな!』
我は瘴気と化し、モーガンに纏わりついた。
『ははははははははははははははは!!! どうした、抵抗してみせろ!』
モーガンの身体を乗っ取り次第、我はオベイロンに攻撃する。一度は敵対したとはいえ、今は共闘する仲間を攻撃できない。我なら容赦なく切り捨てるところだが、この男は甘い! きっと攻撃を躊躇うだろう。その隙を狙って我が攻撃する。たとえ反撃されたとしても、この女の身体だ。まあ我も多少痛むが、我自身が死ぬわけではない。その時死ぬのはモーガンだけだ!
絶望せよ!
絶望せよ!
オベイロン! 貴様の甘さが世界を滅ぼすのだ!
モーガン! 貴様の未熟さが世界を滅ぼすのだ!
これで勝負あったな!
我の勝ち――
『拝啓、古代の妖精様。我に闇を止める力を与えよ!』
――――――――――は?
我は瘴気のまま硬直した。動くことはもちろん、分身を作ることも元の体型に戻ることもできない。
まさかモーガンにこれほどの術が使えるとは……!
くそっ! これでは、緊急時に逃げることもできないではないか……!
まずい、まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい――
『分かりやすく動揺してるね。表情がなくても何となく分かっちゃうよ』
『ああ、私でも分かる。ダークロードは今初めて命の危機を感じているようだな』
モーガンもオベイロンも我の心情を容易く読み取った。そして、光を纏う剣をこちらに向けた。
『………………』
――まるで死刑台に立っているようだ。死の寸前がこれほどまでに我の心を激しくかき乱すとはな。
なるほど、これが生物か。死を待つ貴様らは一体どんな気持ちで生きているのだ?
死ぬために生まれてきたのか?、
生きるために死ぬのか?
死は怖くないのか?
生きることは億劫じゃないのか?
その命を何のために使うのだ?
――なあ、教えてくれ。
『貴様らは何のために生きるのだ?』
もはや我の破壊衝動などどうでもいい。生物を知りたい。死をどう受け止めるのか。死の寸前に至った時、貴様らはどう思うのか。
『それが遺言か。良いだろう最後に答えよう。私が生きる理由、それは――』
二人はそれぞれの答えを出した。少しだけ生物を知れたばかりの我は光に貫かれ、完全に実体を失った。それは同時に我の破壊が不可能になったことを意味する。
我の負けだ。古代の魔女、そして現代の精霊王よ――
まさか死の間際に別の興が乗るとは思わなかった。敗北には納得しているが、未練が残ったままだ。
オベイロン、貴様の中の我に少し細工をさせてもらうぞ。安心せよ、悪いようにはしない。ただ我は、世の全てを知りたいだけなのだから――
それにしても、あの3人は何だったのだ? 異界から来て結局何もしていないように見えるぞ? 奴らは何者なんだ? 目的は一体……?
ここまで見て下さり、ありがとうございます。
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