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壊れた歯車は異世界に行っても壊れたままだった  作者: カオス
5.5章〜未来への架け橋〜
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EPISODE③『精霊と妖精とダークロード⑬』

お待たせしました。

執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 《影の王時点》


 ――何が起きた。


 国を覆い尽くすほどの分身を出撃させたはずが、突然全滅した。


 一体誰だ?

 誰の仕業だ?


 我の見る限り、それができる者などいるとは思えない。


 別次元から来た例の三人は何もしていない。降りてきた場所からほとんど移動していない。


 元宇宙最強の戦士ブリュンヒルデなら可能性はあると思ったが、奴は普通に分身をなぎ倒しているだけで、いきなり力を解放した形跡はない。


 誰だ?

 誰だ?


 誰――――――オベイロン。


 そうか、穴に落ちたはずのブリュンヒルデとオベイロンの内、一人しか来なかった時点で気付くべきだった。


 オベイロン、奴は我に気づかれぬよう、力を貯めていたのだな。


 あの姿は何だ?

 あの鬱陶しいほどの光の量は何だ?

 我の全てを消し去るほどの眩い光が、牙を向いた。


 まぶしい。いたい。やめてくれ。

 我に光はいらぬ。やめろ頭が痛くなる、全体が痛む。痛い、痛いいたいいたいたいいたい、

 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――


 まだだ。我は終わらない。

 分身を全滅させた程度で我を倒せると思うな。

 我は常にお前達を()()()()()()()()()()()


 ――――――――――



 光を纏いし剣は、覆い尽くしかけていた影の分身を全て浄化した。


 彼のあまりの速さに、誰もがダークロードの分身が斬られていたことに気づいていなかった。ブリュンヒルデを除いて。


『素晴らしい力だな、オベイロン』


 ブリュンヒルデは一人こっそりと賞賛を送った。


『あとは頼んだぞ』


 光の戦士に全てを託した。


 オベイロンは分身を倒した後もダークロードの本体を見つけるべく、そこら中を探し回っている。


 すると、またしても空から突然巨大な腕が現れた。


 巨大な手のひらがオベイロンの元へ迫る。今度は虫をつかむようにオベイロンを手のひらで掬おうとする。


『またそれか』


 オベイロンは巨大な手に掴まれる前に、光速で巨大な腕を斬り刻んだ。


 気づいたら腕に無数に現れた白色の傷跡。それは遅延性の爆弾のように後から爆発するように、巨大な腕が崩壊した。


 そうしている内にオベイロンは空高く上がり、黒く染まった雲を真っ二つに斬り開き、その先にある悍ましい者の正体を明らかにする。


 それは空挺のように常に宙に浮かび、それでいて漆黒のオーラを纏った巨大な黒い円だ。


『なんだ、あれ……?』


 生物であることを感じさせない無機質な形。まるで未確認飛行物体だ。不自然極まりない光景に夢でも見てるのかと思いたくなる。


『あれがダークロードの本体……なのか?』


 異様すぎる光景に目を疑う一同。倒し方すら思い浮かばない。最低でも飛行する手段がなければ、話にならない。それか宇宙まで届くほどの遠距離攻撃ができれば話は別だが、それができたとして、本当に攻撃が通るのか?


 以前の彼ならそう考えてから行動したであろう。しかし、今は違う。


 巨大な黒い円は当然のように人の手足を生やし、オベイロンを掴み取ろうとする。


 が、その頃にはもう遅かった。


 ――ほら、もう光が巨大な黒い円を斬ってしまったから。


 原型を保てなくなった黒い円は霧散すると、引き寄せられるように遠方へ逃げた。


『やった……のか……?』


 ノームが信じられないような目をしながら、そう言った。あれだけ苦戦した分身は一瞬にして滅び、空に浮かぶ不気味な物体すら払い除けた。今まで起きたことが嘘のように静寂を取り戻した。ここに残ったのは戦士達と瓦礫の山だけだ。


 しかし本当にダークロードは去ったのか?

 奴は実体を持たない相手だ。

 霧散しただけで、まだ本体は生きているのではないか?

 誰もがそんなことを思った。


『…………』


 光を纏う戦士は遥か遠方を見た。


『まだ生きている。奴の場所はおそらく――』


 思い立ったオベイロンはモーガンの元へ向かった。


『モーガン』


『私のアジトのあの例の部屋だろう?』


 モーガンは質問される前に、予め予測していた答えを言った。オベイロンはそれに対し、コクリと頷いた。


『いいよ、そこまで連れて行こう』


 モーガンはナビ役を請け負った。


『みんな、ここは任せるよ』


『ああ、任せろ!』


 ウンディーネとサラマンダーは良い返事で答え、動物達3匹も雄叫びで了承を表した。


『さて、どうやって行こ――ちょ!?』


 オベイロンはモーガンを両腕で抱きかかえるように持ち上げた。つまりお姫様抱っこだ。


『な、何やってるの!?』


 さすがに恥ずかしいのか、頬が赤くなるモーガン。ちなみに後ろにいる限界オタクドラゴンが強烈な羨望の視線を向けているのだが、誰も気づかない。


『何って、こうした方が早いから。ダメか?』


『ダメってことはないけど……その……』


『何だ?』


『……なんでもない。今はそんな事言ってる場合じゃないもんね』


 モーガンは使命を思い出し、恥じらいを捨てた。


『このまま行って』


『分かった』


『でも、私を抱えてどう移動する――』


 そう聞いている間に、既にアジトがある森に到着した。


『ゑ?』


 あまりの早さに状況が読み込めず、フリーズするモーガン。


『…………んん?』


『着いたぞ』


『着いた?』


『ああ』


 モーガンは抱きかかえられたまま辺りを見渡す。


 ――ああ、これは幻覚でもない。紛れもなく近くの森だ。ところどころ森が荒れている。私達が起こした戦闘の跡がまだ残っているようだ。まるでなかなか癒えない傷のように。


『ん?』


 アジトに繋がる川に黒い霧が吸い込まれている。いや、というよりアジトに入り込んでいる。


『あれは――ダークロード!』

ここまで見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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