EPISODE3『精霊と妖精と 』
※今回は文字数少なめです。
お待たせしました。
執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
※サブタイトルバグってません。意図して空白を入れました。
妖精軍との戦いは終わった。
今回の騒動を起こしたモーガンはブリュンヒルデに、ノームもブリュンヒルデ及び囚人部隊によってねじ伏せられた。
シルフは、ウンディーネ及びルカ・ヴァルキリーと国王オベイロンとその従者クラウディアによって捕虜となった。洗脳されたと思われたルカ・ヴァルキリーだったが、彼女が橋本ルカと戦い、アジトに落ちた後に、橋本ルカから洗脳防止の結界を譲渡され、事情を知り、敵に懐柔されたフリをしていたそうだ。もちろん彼女が言っていたモーガンの真の目的の全貌は知らない。橋本ルカからそう言うように言われただけのようだ。
ちなみにアレーシア達は普通に洗脳されていたが、時間が経ったことで洗脳が解けたらしい。
サラマンダーはアジトで休養を取っていたので、ひとまず病院に連れていった。もちろん罪人なので、回復次第、事情聴取のあと収監するということになった。
こうして精霊国の危機は去った。国民はそれを知ることなく、末永い平和を過ごすのだろう――などと思っていればどれだけ幸せだったことか。
収監されていたモーガンが目を覚ますと、幹部が事情聴取をした。
モーガンの目的は――
『アジトの中にいる怪物を倒すことだと?』
事情聴取を済ませた幹部が急いでオベイロンに報告した。
『そうか、あの時感じた禍々しい気配はその怪物のものだったのか』
アジトにあった数字のパネルを思い出す。その時の出来事は到底忘れられるものではない。
『その怪物とは何者だ?』
『分かりません、学者に聞いても残念ながら心当たりはないようで』
考古学者の豊富な知識があっても、謎の怪物を解明するにはあまりにも情報がない。かといって捜査するには危険すぎる。現状は解明できないものと考えるべきだろう。
『そもそも、なぜモーガンは我々の国を襲ったのだ?』
『実は、妖精は多くの者に認知されてこそ力を発揮するようでして、この国を襲う方が効率が良かったと言っていました』
『なるほど、それで我が国を襲いに来たのだな』
(この戦いはまだ終わっていないのだな)
『他には何か言ってなかったのか?』
『あの怪物を討伐するなら急いだ方がいいと、あと必要なら自分たちも協力すると』
『そうか』
(あの強力な妖精達を率いるモーガンでさえ倒せない謎の怪物。今の我々で倒せるのか?)
オベイロンは表情にこそ出さないが、とてつもない不安を覚えている。
『オベイロン様?』
『ああ、動ける出動隊を集めて出撃の準備をしておいてくれ。私は少し考える』
『はっ、承知致しました』
幹部はその場をあとにした。
一人残ったオベイロンは長考する。
(確かに私はあの三百年近い時の修行を経て、新たな力を手に入れた。しかしあの時感じた禍々しい気配……ただものではなかった。宇宙最強と言われていたブリュンヒルデでもあれほどの重圧は感じない。私達が全力を以て勝てる相手ならばそれでよし。だが、もし勝てなかったら……その時は――)
――――――――――
《妖精軍アジト》
現在アジト内には誰もいない。ただでさえ人が少なかったのに、より一層の静寂が漂っている。
本来なら精霊軍が捜査のために立ち入るはずだったが、安全を確保できるまでは待機するように全軍に指示してある。
万が一怪物が出てきた時のために、アジトから数キロ離れた所に見張りを二人ほど置いて様子を見ている。
――――――――――
《??????》
我の復活が近い。もう在れから千年は待った。
待たせたな妖精――いや精霊か。
人のような形をした人外種。
争いは絶えぬが、戦争時代の比ではない。
比較的平和な時代だ。
積み上げられた平穏を壊す瞬間が楽しみだ。
千年前、我は戦場に蔓延る怨念から生まれた怪物。ある時、我は“ある男”によって倒された。だが僅かな欠片だけが残っていたおかげで少しずつ回復していったのだ。それに気づいた闇の魔女モーガンは我を封印した。その時の我の力は不十分だった。何もできずに閉じ込められてしまった。そんな状況でも影の残滓を送って約千年もの間、外の世界を見させてもらった。
現国王はオベイロン……なかなか面白い男だ。
他の者にはない力が備わっている。まるで数百年も修行してきたような力を感じる。
だが、我には遠く及ばぬ。
ククク……もうすぐだ。
血で染まる戦いを始めようではないか。
ここまで見て下さり、ありがとうございます。
皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
次回も宜しくお願い致します。




