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壊れた歯車は異世界に行っても壊れたままだった  作者: カオス
5.5章〜未来への架け橋〜
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EPISODE3『精霊と妖精㉜』

お待たせしました。

執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


石化光線(メデューサ)! 待てーーー!!!(メデューサ)! 石化しろ(メデューサ)! この鳥野郎(メデューサ)! ぶちのめす(メデューサ)!』


 怒涛の石化光線の連続がイカロスに押し寄せる。標的のイカロスはノームの分身に石化光線が当たるようにしながらかわしていく。


『あいつらまた俺の分身をー! いい加減にしろ!』


 憤るノーム。彼は石化光線を放つ犯人に直接攻撃しようと、走り抜ける。


 ――その時、ノームの手がイカロスに掴まれた。


『お前本体だな?』


『しまっ――』


 イカロスは両手でノームを掲げるように持ち上げた。


『放せ!』


『やなこった』


『俺をどうする気だ!』


 石化光線が、ノームの左腕を照射した。


『うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!』


 ノームは左腕がまさに石像のように動かなくなった。他の分身に命令しようにも、ほとんどが石化光線を浴びて動けなくなっていた。


『そんな……!』


 分身を増やす選択肢もない。なぜなら分身を増やす絶対的な条件として、地に足をついている状態でなければならないからだ。だが、今彼はイカロスによって持ち上げられているので、足が地についていない。


『放せー! 放せ放せ放せ放せ放せ放せえええええええええええええええ!!!!!』


 高所恐怖症の彼は、怒りよりも恐怖が表情に表れている。


『やだっつってんだろ。どうやらおめえ、地に足がつかねえと分身増やせねえみたいだなぁ?』


 イカロスは大人げなく悪人のような笑みを浮かべた。


『そ、そ、そそそんなこと、ね、ねね、ねえし!』


『めっちゃ動揺してんじゃねえか』


 ノームの態度を見れば、もはや問いただすまでもない。


ぶっ殺す(メデューサ)!』


 とうとう石化光線が空中に飛んできた。既に分身は石化したまま、順に砕け散っている。残りは空中に吊り下げられてる本体だけだ。


 今度はノームの足に光線が命中した。


『くそ! 俺を盾にしやがって!』


『いや、俺の足も若干石化してるぞ』


 スネのあたりだけが石になっている。


『見境なしかよ、あのおばさん!』


『おいバカ!』


 幾度となく踏み抜いてきた地雷が、再び彼女の耳に入った。


『オバサンダト……?』


 パトラの殺気はさらに膨れ上がった。心なしか髪の毛が逆立っているような気がする。同時に標的がイカロスからノームへと切り替わった。


 すると、パトラはどういう心変わりか、得意の石化光線(メデューサ)を放つわけでもなく、跳躍して拳を振りかぶった。


『歯ァ食イシバレ……!』


 迫る拳にノームは拳の代わりに頭突きで応戦した。結果はノームの石頭の勝ち。パトラはまさに手痛いダメージを受けた。


『ウゥ……あれ?』


 痛みで正気に戻ったパトラ。状況を把握する前に、ここは空中だ。空を飛ぶ手段を持ち合わせていない彼女はそのまま地に落ちていった。


『パトラーーーーーー!!!!!』


 イカロスはノームの拘束を解いた直後に片手で持ちながら、落ちていくパトラを受け止めた。


『ふぅ、危ねえ危ねえ』


 ホールドされているノームは、この隙にとイカロスに頭突きした。


『いてっ!』


 ほとんどホールドが解除され自由となったノームはすぐにニメートルほど離れた。その際に石化していた部位は崩れてしまったが、謎の力ですぐに再生した。


『しまった!』


 先程ノームがつけた足跡から分身が大量に生えてきた。


『くそっ、またかよ!』


『あれ、彼の左足と左腕、石化してたはずよね? いつの間に再生してない?』


『俺は“治癒の妖精”の力で手足が取れても復活できるんだ』


『そんなのアリかよ……!』


『というか、鳥のおじさんはもう許さない! よくもまた高い所で俺を拘束しやがったな! 今度こそ一網打尽にしてやる!』


 ノームの軍勢が押し寄せてくるが、


『ちょっと待った!』


 楠木ライアン及びサキエルと他の部下達が分身たちを囲んだ。


『隊長! パトラ様! この分身共は俺達が引き受けます! お二人は本体を!』


『パトラ様! ここは私達にお任せ下さい!』


『あなたたち……』


 パトラの部下達も、サキエル達と同様に動いている。


『サキエル……』


『大丈夫ですよ、俺だって戦士ですから、簡単に負けたりしな――』


『寝癖すげえことになってるぞ』


『今言う事じゃねえだろ!』


 寝癖がすげえことになってるサキエルは、キレキレのツッコミを見せる。


『サキエル』


『今度は何ですか!』


『この戦いが終わったら、飲みに行こうぜ』


『隊長……それ死亡フラグってやつです』


『シボウフラグ? なんだそりゃ、うめえのか?』


『はぁ、もういいですよ。そうですね、あとで飲みに行きましょう。みんなで』


『おう!』


 サキエルが頷くと、他の部下達と一斉に雄叫びを上げながら進軍した。


『パトラ、行くぞ!』


『ええ!』


 二人も本物ノームに向けて、走り出した。


『なんかいい感じになってるつもりだけど、結局さっきと盤面変わらないじゃん。何か鳥のおじさんが死亡フラグ立てちゃったし』


(もう俺の勝ちは揺るがない。だって分身もまだまだ作れるしな。まあ空中に連れてこられた時はさすがにヒヤッとしたけど。

 そういえば、モーガンの奴まだ来ないのか? 本当に一体何やってるんだ?)

ここまで見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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