EPISODE3『精霊と妖精⑱』
お待たせしました。
執筆が完了しました。
宜しくお願い致します。
《ドラゴン視点》
私の名はシグルズ・リーファ。かつて伝説の竜であるファフニールを倒した超カッコよくて超キュートなアイドルだよ☆
実は私、元々人間だったんだけど、ファフニール倒したら何か異世界に飛ばされて、気づいたらドラゴンになってたの!
せっかく美少女だったのに! 何でこうなるの!
と思ったら、いつでも人間に戻れるみたい。じゃあ大丈夫か! むしろドラゴンもカッコいいし、必要に応じて姿を変えられる能力って最高じゃない? 私、超ラッキー!
ルンルン気分で異世界を適当に歩いていると、街が見えた。どうやら精霊が人間のように住まう国みたい! みんな見た目は人間だけど、精霊の血が通っているらしい!
精霊の町を歩いていると、サラマンダーちゃんと出会ったの。
私達はすぐに意気投合して、話の流れでサラマンダーちゃんが所属してる組織を見学することになったんだ!
組織ってよく分かんないけど、どうやらモーガンちゃんはとある怪物を倒したくて、妖精軍を立ち上げたみたい。
とても真剣だったから私はモーガンちゃんを手伝うことにした! 確かにあの怪物は倒さないと世界が大変なことになっちゃうからね。
そういうわけで私は組織のみんなと計画立てて色々準備した。まずはシルフさんが橋本ルカって女の子を連れてきて説得する。
それから多分、橋本ルカちゃんを取り戻しに精霊軍がこっちに来るだろうからサラマンダーちゃんと私達“三獣士”が待ち伏せして、時間を稼ぐ。
まあ私達で全員倒せるかもだけど、王様とかなりの精鋭が来るらしいから、一筋縄ではいかないかもね。
精霊軍が見えてきた。どんな人達なのかな。そう思って一人一人を見てみると――
あ、あの人――王冠を被ったあの人――
おそらく話に聞いていた王様――オベイロン。相当強い、あの中で一番強い。あの橋本ルカちゃんに似てる女の子もかなり強い。
いや、それよりも――オベイロンって人カッコいい!!!
整った顔立ち、ツヤツヤの肌、長いまつ毛、サラサラな髪、細身でありながら引き締まった筋肉……まるで……まるで……王子様ーーーーー!!!!!
きゃーーーーーーカッコいいわ!!!!!!
声も凛々しくてカッコいい! 歩く姿勢もカッコいい! 風に揺られる髪すら美しい! もう何なの? 神なの?
私は任務を忘れ、オベイロン様を見つめ続けてしまった。
すると、オベイロン様に想いが通じたのか、彼は自ら私の元に来てくれた!
きゃーーーーーーー!!! こっちにくるわーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
ヤバイ! 顔ちっさ! 美少女と変わらない顔立ち! 何このイケメン! もはやお前が美少女だろ!!!!!
もう無理、推せる。無限に推せる。一生推します。
『貴様、なぜ常に私を見る?』
きゃーーーーーー!!!!! 推しが私に話しかけてくれたわーーーーー!!!!!!!
『……』
うまく喋れない!!!!! でもしょうがない! 推しと話せるなんて緊張するんだもの〜〜〜!!!!!!!
『会話が通じないのか?』
通じてるわーーーー!!!!! 喋れなくてごめんなさい!!!!! さっきから心臓がバクバクうるせえすぎてうまく口が開かないのーー!!!!!!!!
自分でも何言ってっか分からねえだけど、とにかく推しが美しすぎて頭がアパーーーーーーなの!!!!!
『ならば、剣で対話するのみ!』
きゃーーーーーーー!!!!!!!
推しが剣を抜いたーーーーーー!!!!!
カッコいいわーーーーーーー!!!!!
眩しいわーーーーーーーー!!!!!!
あれ?
いつの間にか推しがいなくなった、どこに行ったの?
『後ろはとった!』
えまってもしかして後ろに推しがいるの?、
確か私の背中には、かゆすぎて岩で擦りまくって出来ちゃった傷が――
きゃーーーーーーー!!!!!!
見ないでーーーーーーー!!!!!!
私は恥ずかしさのあまり推しを尻尾で振り払ってしまった。
あ、やっちゃった!
ごめんなさい!!!!
でも私の尻尾が推しに触れた!!!!!
うれしーーーーー!!!!!
ってそんなこと言ってる場合じゃない!
推しはどこ!?
またしてもどこかに行ってしまった。もしかして、尻尾で吹っ飛ばしたから……下に落ちてるんじゃ……。
確かに推しは結構下まで落ちていったが、どうやら何とか意識を保って、これ以上の落下はしなかったようだ。ひとまず一安心だが、推しの持ってた剣は森の中に吸い込まれるように落下していく。
推しはおそらく森の中まで自分の剣を探しにいくだろう。
ふふふ、ここは推しに良いところ見せるもん!
私は急降下し、落ちていくオベイロン様の剣が森の中に入る前に回収した。
よし、何とかキャッチ。
それにしても、これが推しの剣――あぁ、推しの匂いがする――ってダメダメ! これじゃあただの変態だ! ちゃんと剣を返さないと!
私は不思議そうな顔をするオベイロン様に剣を差し出した。
『なぜ私の剣を?』
きゃーーーーーーーーーまた推しに話しかけられたーーーー!!!!!!!
『……』
緊張しすぎて何も話せないよおおおおおおおおお!!!!!!! 推しが尊すぎて眩しいよおおおおおおおおおお!!!!!
もう顔が良すぎて無理ガン見しちゃう!!!!!
ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
『おおおおおおおおおお!!!!!』
やっと声が出た!!! でも思わず叫んじゃった!!!
ああもうどうしましょう!!! 沈黙が耐えられないーーーーー!!!!!!
私は思わずオベイロン様を掴んで、爆走してしまった。
『なっ……何をする!?』
あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ推しが私の手の中にいいいいいいいいい!!!!
あ、でも苦しそう……解放しよっ! えいっ!
私は手を離した。
『なっ……!』
あ、急に離したらオベイロン様が落下――いいえ、彼は綺麗な羽を使って上空来た。ということはそこら辺を飛んでいるはずだけど、どこにもいない。
ん、やけに尻尾が重い気がする。
あ、もしかして――
推しが私の尻尾に掴まってる!!!??!??
きゃあああああああああああああ!!!!!
尻尾を掴まれるのは、人間で言うとお尻を触られてるようなもの。これほどまでに恥ずかしいとは今まで思わなかったけど。
またしても恥辱に苛まれる私は尻尾を勢いよく振りまくったけど、何か急に固まったみたいに動かなくなって、しかも冷たい。何で?
ん、オベイロン様何やってるの? ってまた後ろにいるの!!?
きゃーーーーーーー恥ずかし――気づいたら、私は剣に貫かれていた。
『え……』
あ、これダメだ。痛い。めっちゃ痛い。刃物が私の中に入ってるってだけでめちゃくちゃ怖い。死ぬ。助けて。
あぁ――痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い――
『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
でもさすがドラゴンの身体かしら、致命傷なのにだんだん痛みが和らいでいった。後は剣を抜けばと思ってけど、それはオベイロン様が自ら抜いてくれた。人間だったら出血多量で死んでたけど、今はもう全然痛みがない。
――むしろ戦意が湧いてくる。龍の血が騒ぐといったところなのか、もっと戦いたい。
オベイロン様。本来なら推しをこれ以上傷つけたくないけど、もっと貴方の剣に触れてみたい。貴方の勇姿をみてみたい。
欲が湯水のようにあふれる。止まらない。
あぁ、もっと、もっと――
頭がアパーーーーーーってなんやねん。
まあ、それはそれとして、
ここまで見て下さり、ありがとうございます。
今回はかなりやべえ話でしたが、信じられないほど真顔で書いてました。そして書いた後はこう思いました。
『何やってんだ俺……』
頭がアパーーーーーーになりそうでした。
以上です。
というわけで、
次回も宜しくお願い致します。




