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壊れた歯車は異世界に行っても壊れたままだった  作者: カオス
5.5章〜未来への架け橋〜
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EPISODE2『かつて騎士だった旅人①』

大変長らくお待たせしました。

執筆が完了しました。

最後の更新から間が空いてしまい、すみませんでした。

 ――私は正義教団の騎士だった。


 だが濡れ衣を着せられ、死刑にされそうになったので、私は国外逃亡を図ることにした。


 同じ騎士のケイという男の協力もあって、私は友人達を置いて、正義教団から脱出することに成功した。


 それからは冒険者として各地を歩き回った。数多の出会いと別れを経て、たどり着いたのが、私の第二の故郷となる一つの王国。そこで私はたった一人の騎士として滞在していたのだが、予期せぬ来訪者が現れた。そいつは自らを魔王と名乗り、王国に眠る秘宝を探しに来たと言ってきたのだ。しかし、そんな秘宝などはない。なので、お引き取り願うつもりだったのだが、聞き入れてもらえず、王国は滅んでしまった。


 生き残ったのは、民を守るはずの騎士ただ一人。守りたかったものは何一つとして守れず、全ては死体の山となった。


 それから私の心は壊れた。


 それからの記憶はない。残念ながら私バレスが語れるのはここまで。


 その後のことは、このガレスが語ろう。


 ――だけど、その前に。


 私は一体誰なのか? そこから話そう。


 私は一万年前、コードネーム“ガレス”と呼ばれていた、とある組織の少女だ。ダストさんを暗殺するという任務は失敗し、完全に女神ノルンの軍門に降った。


 それからは、元暗殺ターゲットであるダストさんと同じ屋根の下で暮らしつつ、マーリンさんが管理する“私立東都魔法学院”に通っていた。


 実に美しい日々だった。ただ組織の為に命を燃やすだけの虚しい時間とは月とスッポンだ。


 しかし、そんな宝物のような日常は神とやらに破壊されてしまった。


 その前に私達はノルン様によって、先の時代に送り込まれた。どこに行くのか、誰と一緒なのかは特に聞かされていないが、確実に救える未来へ行くために必要なことらしい。


 最初に私が転送された時代は、現代の文明レベルでありながら、獣人が人類のように生きる世界。


 猿が人間に進化したように、動物が奇跡的な進化を遂げ、獣人が誕生した世界線。人間よりも力が強い獣人に圧され、獣人が上位の存在となった。一方で敗北した人類は愛玩動物のように扱われ、必ず首輪がつけられている。


 しかし、私は転送されてきたため、人間は首輪をはめるという常識が通用しない。それはつまり、服を着るという文化がない原始人のようなもので、そんな人間が街中に現れれば、当然騒ぎになる。


 民衆が“裸族の私”を見て騒ぐ中、警察が私を脱走人と呼び、捕らえにきたが、傷一つなく返り討ちにした。


 弱すぎる。率直な感想を呟いた。


 いや、警察の方々の身体能力は高かった。一人一人が過酷な訓練に耐えている事実を発達した筋肉が物語っている。しかも警察はみんな獣人だ。人よりも身体能力の基準が高い。


 私が強すぎるんだ。


 私自身も“あの人”の元で鍛えられたし、女神ノルンが住んでいたヴァルハラでもレベル上げを行っていた。


 負けるはずがない。


 しかも、この時代では魔法の概念がない。全人類にはない物を私は持っている。


 戦闘において、格差がありすぎる。


 よほど不意を突くような作戦を立てない限りは、私に勝ち目などない。敵の人数が多くても攻撃魔法を使うことで遠距離且つ大人数に同時攻撃が可能である。戦車などの兵器を使っても、教わった魔法を使えばどうにでもなる。最新技術を駆使しても私には勝てない。


 この世界の王になれる。


 私はこれをノルン様からの試練だと思い、国家の戦力を全てねじ伏せた。その調子で私は難なく全ての国を制圧した。


 本当に王になってしまった。


 私は人間であるため、今度は人間が上位の存在となるだろう。が、それではただ立場が入れ替わっただけで、何も解決していない。獣人の中にも未来を生きる子供たちがいる。人間を愛し、平和を望む獣人も大勢いるのだ。


 ならば、人間と獣人を平等に共存させるという選択をとった。これで平和になるはずだと。


 だが、うまくはいかないもので、それに反発する者も現れたのだ。“獣人を許せない”“人間は醜い”“共存は不可能”と。全人口の割合を考えれば、反対意見はそれほど多くはないものの、大規模なクーデターを起こすには十分な人数だ。


 話し合いでどうにかならないかと、対話を持ちかけたが、彼らは聞く耳を持たなかった。


 これにより、勢力は三つに分かれた。


 ①人類と獣人の共存を望む勢。

 ②獣人を再び上位の種族に戻す勢。

 ③人類が獣人ごとこの星を支配する勢。


 数で言えば、①が圧倒的に多い。数の力で②と③をねじ伏せることは可能だ。しかも、彼らは過激派が多い。いつどこで無実の国民に危害を加えるか分からない。


 話し合いで解決しないのなら、私は武力を(もっ)て彼らを倒すことにした。もちろんできる限り殺生はしない。あくまで国に降りかかる粉を払うために、刑務所に入ってもらうだけだ。それ以上のことはしない。


 傲慢だと思うか?


 正義だと思うか?


 そんなの分かるわけがない。


 これは自分達を守るだけの対策であって、善悪を基準にしているわけではない。


 故に私は正義のヒーローではない。


 自分の都合の良い世界を作りに来ただけの侵略者だ。


 それが私の第二の人生であり、生涯変わることのない使命だ。


 ――本当に難なく世界を管理しただけの人生だった。平和な世界を生きるのは心地良かったが、どこか物足りなかった。


 そして一つ生涯を終えると、経験値(きおく)を引き継いだまま次の世界へ転生する。

ここまで見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

やっぱり今の仕事がなかなかキツく、余裕がないので、また更新が遅れるかもしれませんが、今回は続く話なので、なるべく早く更新することを心がけます。

次回も宜しくお願い致します。

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