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第591話Bパート『一家団らんってレベルじゃねえぞ!』

お待たせしました。

第591話Bパートの執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 さて、次は……。


 ① さっきから直立不動のバレス。

 ② ワインの瓶を抱きしめながら寝てるマーリン。

 ③ 何故か下着姿のまま普通に床で寝てるパーシヴァル。

 ④ そのパーシヴァルに絡みつくあおいちゃん。


 ①から行くか。


 彼女の名はバレス。とある組織に所属し、俺を暗殺しようとした少女だ。だが今は和解し、こうして同じ屋根の下で共に暮らしている。


 そんな彼女だが、今は直立不動で常時頬を染めながら、『ヒック』と周期的にしゃっくりを出している。


 しかし、酔っているのは顔だけで、特に暴れまわることなく、口すら開けることなく、ただ向こう側の壁を見つめている。


『バレスだけ大人しいな』


 人によって様々な酔い方があるようだが、バレスだけは酔っ払いのイメージからだいぶかけ離れている。まるで門番のようだ。


『バレス、大丈夫か?』


『……我は混沌』


 バレスは、普段とかなり異なる口調でそう口ずさんだ。


『はい?』


『……我は混沌。混沌カオスだ』


 ダメだ。どうやらバレスは頭に酔いが回っているようだ。


『混沌カオスって……両方同じ意味だぞ』


『……否。混沌は混沌であるが、カオスは神である』


 意味が分からん。


『よく分かんないけど、もう夜も遅いし、お風呂入って寝なさい』


 まるでお母さんのように指示する俺。親ってこんな気持ちなんだな。


 ルカちゃん達は酷い泥酔状態だったので、そのまま寝かせたけど、バレスだけはまだ風呂に入るくらいの理性はありそうだ。


 しかし、彼女の次の言葉で、その期待は思わぬ方向へと走り出すのであった。


『……了、では貴様も我と共に入るがいい』


『はい?』


 今なんと言った? 一緒にお風呂入ろ♡と言ったのか?


『えっと……今なんて言ったのかな?』


『共に湯の儀式を――』


『入らないよ』


『解せぬ、貴様の見解を述べよ』


『ただでさえ先生と生徒だぞ? そうじゃなくても夫婦でも恋人でもない男と女だ。大問題だろ』


 ずいぶん前にルカちゃん達と入った時だって、理性抑えるのめちゃくちゃ大変だったんだ。万が一でも間違いを起こしてはならないのだ。


『法律の壁など壊せばよかろう?』


 よかろう? じゃねえんだわ。ヒャッハー的な無秩序の世界にしたいのか?


『ダメだよ』


『不可能を可能にしてこそ価値があるのだヒック』


 カッコいい事言ってるが、やってること完全にテロだぞ。


『その心意気は買うけど、テロはやめなさい』


『テロではない! 貴様とアダムと……えっと……は、裸の付き合いをしたいのだ!』


 バレスの中二的語彙力は死んだ。何かカッコいい事言おうとしてたんだろうけど、中途半端に口に出してしまったせいで、かえってカッコ悪くなってしまった。もしバレスが酔った間の出来事が記憶に残るタイプだったら、ちょっとした黒歴史に刻まれることだろう。その時は俺も忘れるように努力するからな。安心してくれ。


『裸の付き合いって……』


 俺は想像した。俺とバレスが共に入浴する場面を。


 年端のいかない彼女のありのままの身体を見て、俺は――


『あーダメダメ! 叡智が過ぎますぅ! それ以上はいけません!』


 落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け餅着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け――


『ふぅ……』


 無事桃色の妄想は廃棄した。これでどうやってバレスを自室で寝かせるかだけを考えられる――と思った矢先に、まさかの刺客が俺を襲う。


『バレス、その話と続きは明日しよう。とにかく今日は――うおっ!?』


 背後から何者かに体当たりを喰らわされた。しかし、その者に大した力はなく、危うくバランスを崩しかける程度に収まった。


『危ねえな、誰だよ』


 犯人の正体を暴くため、後ろを振り返ってみると、ふらふらな足取りのマーリンがいた。目は常に半開きで、先ほど抱き枕にしていた空の瓶を持っていた。


『何やってんだよマーリン』


『おみそしるあじのけちゃっぷ』


『はい?』


 そんな家庭の味がするケチャップなんてあるのか? あまり美味しそうな感じがしない。


『まんとひひのかみかくし』


 どんな神隠しやねん。某国民的アニメのタイトルをパクるな。


『がくえんちょうにおれはなる!』


 もうなってるだろ。物語終わってんじゃねえか。初っ端からご愛読ありがとうございましただよ。


『おなかすいた』


 ぐ〜とマーリンのお腹から空腹の音が聞こえた。ようやく理解できる言語で話してくれたと思ったら、狂気はまだ抜けていないようだ。何故なら、マーリンは酔う前に一人で八人前くらいは食べたはずなのに、まだ料理を要求しているのだ。別腹にも程があるだろ。


『あんまり食うと太るぞ』


 マーリンはむしろ華奢な方なので、あまり太るところを想像できないが、この食事量を見るとそうなるんじゃないかと不安になってくる。


 しかし、人間の食欲は無限大。どんなに身体が限界を迎えようと、一度欲求に駆られてしまえば、その時点で欲張りモンスターになってしまうのだよ!


 な、なんだってーーー!!!!?? (セルフ)


 まあ、だからこそ、誰かが止めなれけばならない。たとえ残酷な現実を押しつけることになろうとも!


『ひどい……乙女になんてこと言うんだよ……!』


 マーリンは涙目で俺にポカポカと弱々しいパンチを次々と繰り出した。


『全く……せっかく気持ちよくなってたのに、何か嫌な夢見て目が覚めた気分だよ……』


 どうやら、チクチク言葉ならぬグサグサ言葉で酔いが覚めたようだ。


『でもこれだけ食べてたらそうなる可能性も高いだろう?』


『そんなことないよ。だって私太りにくい体質だもん』


『そんな事言ってられるのも今のうちだぞ。歳取ったら、だいぶ変わってくる場合もあるんだ』


 俺は300年も歳を取っても太らないどころか痩せてしまったが、それとこれとは話が違うからな。


『ダスト君、知ってる? 我が学園には生意気な奴をワインの瓶で黙らせるっていう校則があるのを』


『イカれた校則だな!』

第591話Bパートを見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回はCパートです。


さて……そろそろですね。

エピソードタイトルで察してる方もいらっしゃるかもしれませんが……。

次回も宜しくお願い致します。

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