㊙魔法の概念についての資料
私の名前は■■■■。
どこにでもいる普通の■■■■■■だ。
奴に見つかる前に、この世界の魔法の概念についてここに記しておこう。
この世界における魔法とは・・・
・どんな人間でも使うことができる。例外はない。
・ただし1つの魔法を覚える為には、くっそだるい勉強をしていくうちに覚えていくのと同じで、かなりの年月をかけるのが一般的なのだが、人によっては数日、数時間で覚えることもある。数分、数秒の奴は才能通り越して変態。
・魔法を使う際に本来呪文は必要ないが、不思議と言葉に出てしまう人間が多い。非効率だとは分かっていても、やはり呪文を唱えて魔法を放つのはロマンだ。
・魔法の強さは、魔法レベルと魔力レベルを見れば分かる。
・魔法レベルは、発動した魔法の威力と影響力を表している。要するに魔法の強さ。
・魔力レベルは、魔法を発動した際に消費する魔力の量の大きさを表している。レベルが大きい方が魔力を大きく消費してしまうのなら、魔力レベルは低い方がいいと思われがちだが、もし魔力レベルが低い状態で強力な魔法を放っても、威力が低くなってしまう。
・ややこしい話なのだが、魔力の消費量はちゃんと規定以上の量を払わなければ、正しく発動しない。例えるなら自分はモンスター使いで、魔法はモンスター、魔力はそのモンスターを従える為に必要な代償。給料が支払われなければ働く義務が無くなるのと同じで、魔力が無いのなら、魔法だって嫌になる。やりがいだのボランティア精神だの、そんな都合の良い心なんて持ってるわけがないので悪しからず。
・魔法の発動に慣れてきたら、魔法そのものの形を変えて攻撃することもできる。たとえば炎魔法で炎の剣や雷魔法で雷の槍を作って本物の武器のように使える。めっちゃ難しいけど、できたらめちゃくちゃカッコイイし、もしこの世界にSNSがあったのなら、かなりバズるし動画配信者としてそれを撮影して投稿すれば食っていけるレベル。
・魔導具と呼ばれる、使うと魔力を減らすことなく魔法を発動することができる便利な道具。例えば投げるだけで燃える火炎瓶や、引き金を引くだけで水が飛び出す水鉄砲のように、魔法と道具を組み合わせることで魔導具が出来上がる。ウルトラ不器用な俺には難しいが、こういう技術的な事が得意な人間が魔導具職人になったりする。
・回復魔法等の相手に良い影響を与える魔法以外の魔法は原則人に向けて放ってはいけない。魔法は道具と同じく、正しく使えば問題ないのだが、間違えた使い方をすれば犯罪となる。
・正当防衛で攻撃魔法を使うのはアリだが、程度によっては犯罪となる。(例 殴りかかってきた人がいたので炎魔法で消し炭にしました)
・ルールを守って正しく魔法を使いましょう。透視魔法を発動して女湯を覗こうなんてやったら、探知魔法を用いた魔導具でサイレンを鳴らされ、罠カード『オマワリサンコチラデス』を発動されるので要注意。
・魔法の種類は無限大(今も尚、増え続けている)。
・魔法は科学、研究によって新たに開発される魔法もある。
・魔法は生きた魂、時間が経てば魔法自体が勝手に進化することもある(魔法にだって意志はあるんだにゃー!)。
・最後に1つ、ここまで見てくれた者だけに伝えておくために“ある機密情報”を書き残しておく。もしそれを見たのなら、その部分だけを切り離して燃やしてくれ。
――この世界の魔法を“ただの魔法”と思ってはいけない。なぜなら(ここで文字が途切れている)
最初にこの文章を見たのは果たして誰だろうか?