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第578話『役割』

お待たせしました。

第578話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 《黄金(こがね)視点》


 これは、()()()()()()()から聞いた話だが、


 どうやら私は、一万年後の未来で魔王城の幹部でコックをやっているらしい。


 いやいや、一万年後ってなんだよ。


 アタシは人類だぞ? さすがに生きてねえよ。


 でも、アタシの未来は決められているようだ。他人の敷いたレールを歩くのは癪だが、どうやら、そうじゃなきゃ、オーガスト・ディーン(せんこー)一万年後の未来(うち)に帰れないみたいなんだ。


 ……いや、待て。こんなおとぎ話なんて誰が信じるんだ?


 そう思ったんだが、ミストに見せられた未来の記憶が妙にしっくり来ちまってな。自分でも不思議なんだが、どういう訳か、その記憶が心地よくて、まるで実家のような安心感があった。


 それだけじゃない、そこに辿り着かなきゃいけないという使命感を背負わされているような、何とも言えない焦燥感に駆られている。まるで自分が本当にその立場にいるみたいに。


 アタシの勘が言っている。


 ――ミストの言うことは本当だと。


 ――このままでは世界が滅ぶと。


 この世界が滅ぶのはどうやら決定事項のようだ。しかもタイムリミットまで、あまり猶予がない。


 もし時間切れになれば、別の世界線の世界にアタシ達人類は転生することになる。そうなれば全員記憶が無くなるわけだが、アタシだけは違う。


 ミストが未来から持ってきたという記憶保管魔法をアタシにかけてくれた。


 この魔法は、たとえ転生しても魂が滅びない限り、記憶が引き継がれるそうだ。


 リアルな転生ものだよ、とか意味が分からんこと言っていたが、すげえめんどうな役割を押し付けられたことだけは理解した。


 そして、その役割をアタシは引き受けるつもりだ。


 その理由はさっきも言った通りだが、一番の理由は妹たちを守ることだ。


 この先の未来、ゼウスってやつを倒さない限り全滅は免れない。


 アタシがどれだけ強くなろうと、スキャンされてしまった以上はゼウスに勝ち目がない。


 だからゼウスを倒すのはアタシじゃない。


 アタシの役目は――この記憶を保管したまま、一万年後まで転生を繰り返し、来たるべき“最後の戦場”で勝利を勝ち取る為の舞台装置を担うこと。


 未来でアタシの担任であるオーガスト・ディーン……いや、()()()()()を一度殺す事になるが、世界を救うためだ。やるしかねえ。


 あとは……アタシのスカートが何回も何回も捲られる未来が確定しているのがな……。


 アタシのパンツを見るなんて明らかに必要ないことが、それで救われる命があるから何度でも見せろとミストは言っていたが、嫌に決まってるだろ!


 パンツ見られるのめちゃくちゃ恥ずかしいんだぞ! それがたとえ同性でもだ!


 うぅ……。


 遠い未来とはいえ、これから何百回何千回もパンツ見られるんだと思うと、今、反射的にスカートを押さえてしまう。


 なんとか、パンツ見られる未来だけ変えながらゼウスを倒すことはできないだろうか……。


 それをミストに相談してみたが、どうあがいても無理だと断言されてしまった。


 “じゃあ、がんばってね”


 それだけ言うとミストは、何も言わずに霧と同化するように消えてしまった。その直後に街を覆うほどの霧が一瞬にして晴れたのは偶然ではないだろうな。霧の女神なんて名乗ってるくらいだから、アタシ一人に会うために霧を操ってやってきたんだろうな。


 こうなったら、もう引き返すことはできない。


 覚悟を決めるしかない。


 早速特訓しよう!


『よしっ!』


 思い立ったアタシは勢いよく立ち上がり、銀河(きらら)(あかね)が居るリビングに足を運んだ。


『銀河! 銅!』


 気合の入った声に驚いた二人を呼ぶと、アタシは二人の視線がこちらに向いたところで、スカートの裾を摘んだ。


 羞恥心がアタシの腕を震わせる。これからアタシがすることに抵抗があるからだ。


 でも、仕方ない……仕方がないんだ……。


 今からでも慣れなきゃ、未来でいちいち恥ずかしい思いをすることになる。


『アタシのパンツを見ろ!』


 アタシは震えた腕に勇気を与え、勢いよく自らスカートをめくった。裾がアタシの首くらいまで上がっている。もう確実にアタシの下着が妹たちの視界に入っている。


 やっぱ恥ずかしいーーー!!!


 アタシ何やってんだーーー!!!


 パンツ見られるのがこんなに恥ずかしいとは思わなかった!


 今すぐスカートを押さえて下着を隠したい!


 でも、それじゃダメだ!


 パンツ見られるくらい慣れないと未来でやっていけないんだ!


『うぅ……』


(心の中で)啖呵切ったはいいものの、恥ずかしすぎて妹たちのリアクションを見る余裕すらない。


『はわわわわわわわわわわわわわ!!!!!』


 アタシはついに耐えられなくなり、二人の顔を見ることなく、悲鳴を上げながらリビングを後にし、自分の部屋に引きこもった。


 ――ちなみに、二人はその時どういうリアクションをしたかと言うと、どうやら二人揃って唖然としながら鼻血を放出しるくらい興奮状態になってしまったようだ。


 それから二人の性癖は恥ずかしそうにスカートをたくし上げる姉になったそうだ。


 BAD END

※最後にBAD ENDと書いてありますが、この物語そのものが終わるわけではありません。


第578話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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