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第565話『少女VS鬼嫁①』

お待たせしました。

第565話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 ダイアナが先行して拳を繰り出した。例のごとく拳を振りかぶって攻撃する気だ。


 ルカは最初は剣で受け止めるつもりだったが、黄昏のケルベロスから相手の力が強すぎるから回避した方がいいと警告された。


 警告を素直に受け入れたルカは拳が命中する前に身体を左側に傾けて回避した。


 しかし、これで終わりではない。


 なんとダイアナは負傷した方の手を使い、パーのまま薙ぎ払うようにビンタをかました。


 ルカはそれを回避する間もなかったので、咄嗟に剣で防御した。


『うっ……!』


 本来ならば剣で防御すれば、相手に押し切られることはないのだが、ダイアナの力が強すぎるあまり、負傷してるのにも関わらず、その手は剣ごとルカを5メートル先まで吹き飛ばした。


『きゃあっ!』


 地に背をつけてしまったルカだが、剣を地面に突き刺して、すぐに立ち上がった。


『はぁ……はぁ……なんて力なの……?』


(真正面からじゃダメイヌ! 精霊の力を使うイヌ!)


 黄昏のケルベロスはテレパシーを送ってきた。


(でも、精霊の力はあまり公にしちゃダメだって……)


(緊急事態なら仕方ないイヌ!)


(()()()が来るまで時間を稼ぐじゃダメなの?)


(そんな悠長なこと言ってられるような相手じゃないイヌ!)


 ダイアナの一撃は建物すら破壊するほどの威力だ。かなり鍛えているルカでも一撃でも喰らえば、その時点で敗北が確定するだろう。それほどの相手に手札を温存していける余裕はないと黄昏のケルベロスは危惧している。


『そっか……なら仕方ないね……!』


 ルカは再び水の精霊の力を使い、水魔法のように水弾を連射した。


『どういう手品か知らないけど、同じ手を食らうわけないでしょ!』


 ダイアナは宣言通り、水弾を全てかわし、ルカの元へ走り出した。


『ルカちゃん!』


『うん、雷の精霊よ、私に力を与えたまえ』


 ルカは手を上げると、上空から光の線が蠢き、びしょ濡れのダイアナに向けて直下した。


 雷は一瞬にしてダイアナの柔肌に触れ、尽くを焼き尽くす。


『よしっ!』


 しかし、強靭すぎる肉体を持った彼女にはあまりにもお粗末な攻撃だった。


『なっ……!?』


 焼き焦げたはずの肌は、綺麗な肌色を輝かせ、燃えたはずの髪は、美しいゴールドを保っている。


 唯一無事ではなかったのは衣服のみだ。彼女の肌を守る砦は“焦げた部分がある布のかけら”となった。だがイチゴ柄のピンク色のパンツだけは原型を保っている。


 要するに今のダイアナはパンツ一丁の姿となっている。


 しかし、今の彼女に恥じらいの様子はない。むしろ大事なところを隠すことなく、堂々と腕を組んでいる。


『雷なんて私には効かないわ。雷魔法というか雷そのものの対策なら幼い頃から受けてるの』


『うそ……でしょ……?』


 ダイアナの姿に衝撃を受けるルカ。


『なんて奴イヌ! こうなったら他の精霊術を使うイヌ! ルカちゃん、準備を急ぐイヌ!』


『……』


 黄昏のケルベロスの司令に反応せず、未だに呆気に取られているルカ。


『ルカちゃん!!』


『……』


 名前を強く呼ばれても尚、彼女は返事をしない。


『ルカちゃん、どうしたイヌ!』


『あ……あ……』


 ルカは震えた指をダイアナに向けた。まるでこの世の物ではない何がそこにあると言っているように。


『パ……パンツが可愛い!!!』


 ……どうやらルカは、恐怖に苛まれていたわけではなくダイアナの可愛すぎる下着に衝撃を受けていたようだ。


『そこなの!? 視点がおかしいイヌ……』


 どこぞの誰かに似てるな、と思う黄昏のケルベロスであった。


『えへへ、いいなあのパンツ〜。私もああいうパンツ履いたら、ディーンさん意識してくれるかな』


 イチゴ柄のピンクパンツを履いた自分自身を想像するルカ。次にそれを愛しの人に見てもらうという桃色な妄想を繰り広げている。ピンクだけに。


『ルカちゃん……周りのやばい人達に影響されすぎじゃない? ちょっと距離置いたほうがいいイヌよ』


『やだ! 私はディーンさんにパンツ見せて、女性として意識してもらうの!』


『それは色々問題だらけだから絶対やめるイヌ!』


 非常にしょうもないやり取りをしている内にダイアナは強く大地を蹴り、猪突猛進の勢いでルカに向かって突進する。


『ルカちゃん!』


 ダイアナにイチ早く気づいた黄昏のケルベロスは、(からだ)を一瞬揺るがして、ルカに危険を伝えた。


 ダイアナはまたしても大きく拳を振りかぶり、重い一撃を与えようとしている。


『同じ手なのはあなたも一緒じゃん!』


 ダイアナの戦闘能力は異次元的だが、戦術のバリエーションが乏しく、同じような戦い方しかしない。あとはせいぜい魔法が少し使える程度だ。


 とはいえ、やはり彼女の拳と足は凶器同然だ。いくら戦術を学んだルカでも、慎重に動かなければ死はすぐそこだ。


『ルカちゃん、早く避けるイヌ!』


『分かってる!』


 ルカはそこから左に避け、さらにビンタ対策として地面に身体をつけて、逃げるようにゴロゴロと寝転がる。


『ちっ、避けられた! ――ん?』


 ルカはダイアナの攻撃を見事に全部回避したのだが、それで終わりではない。


『今だ! ルカちゃん!』


『うん!』

第565話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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