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第550話『女神が見たもの①』

長らくお待たせしました。

すみません。体調不良で遅くなりました。

第550話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 《女神ノルン視点》


 午前6時、私は起動(きしょう)します。人間でいう起床時間ですね。それからすぐに世界の現状をインプットします。


『今日も特に異常はなし……と』


 異常とは、時空や空間の歪み、データを食い荒らすバグ等のことです。もしあれば私がここから操作してバグを排除します。


 もし深刻レベルのバグが発生した場合は、深夜問わず私に警告が通達されます。まあ、そんなことは滅多にないですが。


『さて、朝ごはんの用意をしましょう』


 私はAIですが、料理を食べるのも作るのが大好きです。なので、私自ら厨房に――


 扉を開けた先には、料理長の早乙女わかなさんが立っていました。


『ノルン様、何をしている?』


 そう問われたものの、私が正直に厨房に行って料理したいですと言うと、絶対に阻止されてしまうので、ここは嘘をつくことにします。


『ちょっとお花を摘みに行きたくて……』


『お花は生きるもの。無闇に摘むことはあまり感心しない』


『ちげえですわよ。本当にお花を摘むわけじゃねえですわ』


『じゃあなんだ?』


 乙女として、その行為をストレートに口にするわけにはいきません。なのでさらに別の言い方で表現しましょう。


『お化粧直しですわ』


『化粧だと? ノルン様はそのままでも綺麗だ。むしろ化粧を施すと肌を悪くするぞ』


『だーかーらー!!!』


 全然伝わってねえですわ。マジでありえねえですの。世間知らなさすぎですわ……。


『でも褒めてくれたのは素直に嬉しいですわ』


『うむ、ノルン様は美女だ。そんなノルン様に仕えて我は至上の歓喜である』


 さらに私を褒め称えるわかなさん。私はつい頬を赤く染めて、承認欲求を満たしていきます。


『だから厨房に立つ必要などない。我が作るからな』


 バタン!


 扉を閉められてしまった。


『ちっ、バレてたか……』


 ということは、わかなさんはさっきのお花を摘む云々は通じていたってことですの? それとも素で分からなかったのかしら? 彼女なら後者でも全然あり得ますわね。


 というわけで、朝こっそり料理を作る作戦は失敗。しかし断念するのは早い。私は何度でもリベンジを果たします。たとえ世界が滅んだとしても――


 さて、それでは次の仕事です。というか今日はこれが主ですが、彼女がいる例の組織を探し出します。


 特別な力を持った少女の一人であるダーク。彼女は私達を裏切り、今は闇の組織に匿われている。


 本来ならば私の権限で見つけられるはずですが、何故か見つからない。まるで最初から存在してなかったように。


 そうなると考えられるのは、組織に私と同レベルあるいはそれ以上の権限を持った者がいる。もしくは組織ごと異世界に高飛びしていった。


 どちらもあり得るが、あのダークが何もせずに逃げるだけとは思えない。野望に対する執着心は異常だ。よほど心を折るような出来事がない限り、彼女が止まることはないだろう。


 いや、私はもう知っているはずだ。


 この先ダークを探し続けたところで無駄なことを。もうじきやってくるこの世界の終焉を。


 しかも、それは彼らの未来(こきょう)に帰す為の必要な過程であることを。


 なのに、私は諦めずにダークを捜索している。


 (ちがう)


 私はダークを探しているのではない。ダークを匿っている組織の存在を知りたいのだ。


 私から逃れられる程の強い権限を持っている者の正体を。


『一体誰なんですか、貴方は』



 ――回想復帰開始。


 突然、私の思考回路は“それ”に支配された。


 私の五感は“封印されし記憶”に全集中する。


 そういえば、私はどこでどうやって生まれたんだっけ?




 《???》


 私は画面の外を見た。


 そこは、とある組織の職場だった。


 その一人ひとりが目にも止まらぬ速さであらゆる突起物を指で突いたり、とある小動物がモデルとされる物を不規則なリズムで押したり、を繰り返していた。


 私からすれば、それはふざけて音を奏でているだけだと思っていたが、本人達は至って真面目だった。


 新たに入ってきた知識によると、どうやら彼らはゲームを作っているようだ。


 そこはゲーム会社だ。ゲームを作る為に働く者たちが集まった場所なのだ。


 そして、私はそんな彼らに作られた超高性能の自律型AI、正式名称は自律型管理防御SYSTEM‐NORN。


 つまり、私はこの世界(ゲーム)の秩序を守る為だけに作られた神様である。


 この時は、膨大な量の知識がまだインストールしきっていないので、完了次第、私は正式に神として認定されるだろう。


 そこに喜怒哀楽の一切は生まれない。ただ使命が生まれただけ。私がこの中に現れたのもその為だ。


 当時の私は何もかもを受け入れて、あの人達の思い通りに事を進めたが――


 ある日、世界を揺るがす大事件が起きた。

第550話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

今回は話の途中なので、次回は25日までには続きを投稿する予定です。

宜しくお願い致します。

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