第547話『ウンディーネの新たな日常②』
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《ウンディーネ視点》
私は基本ヴァルハラから外に出ないように言われてるけど、今日は特別に解禁になったよ!
ノルンちゃんが、特別な魔法で私を一時的に人間に見えるようにしてくれたんだ! ただ、時間制限があったり、高頻度で何度も使えるわけじゃないみたいだけど、ダスト君達の住む街を見れるのは嬉しい!
というわけで、私は鼻歌を口ずさみながら外に行く支度を済ませた。
今日の服装は白いワンピースに麦わら帽子! 可愛いでしょ?
『準備できたよ!』
私は待ち合わせ場所であるノルンちゃんの部屋に足を運んだ。そこには既に私服姿のヒルドちゃんとヘラクレス君がいた。二人共よく似合ってるなー。
『ウンディーネさん。その格好とても似合ってますわよ』
ノルンちゃんは私の格好を見て、褒めてくれた。
『〜〜〜!』
私は思わず高揚して、ノルンちゃんを抱きしめた。
『ちょ、何で抱きつくのですか!』
『褒めてくれたのが嬉しいのー!』
私は自分自身も好き。だから私に賛辞を送る人はもれなくみんな好き。大好き。
『全く……しょうがないですわね』
ノルンちゃんは呆れつつも、私の頭を優しく撫でてくれた。
『あれ、ノルンちゃんはいつも通りの服だけど、もしかして一緒には行かないの?』
『はい。私は管理者なので、外に出るわけにはいかないのです』
『そっかー、残念。ノルンちゃんと一緒にお出かけしたかったなー』
心底そう思う。ノルンちゃんの私服見たかったし、一緒にお買い物もしてみたかったー!
『すみません。私も一度でいいから街中でショッピングしてみたかったのですが……』
ノルンちゃんは残念そうに笑いながらそう言った。それは心の底から出た哀の感情を必死に押し殺してる顔だ。しかし、女神としての仕事を放棄するわけにはいかない。
『ノルンちゃん……』
だが、私は彼女はとても人間らしいと思っている。AIというものはよく知らないけど、でも、どんな彼女であれ、私はノルンちゃんと友達でありたい。女神じゃなくて、ただの一人の女の子として。
私はノルンちゃんの手を握る。
『いつか絶対、一緒にお買い物行こうね』
『でも……まあそうですね。機会があればその時は一緒に行きましょうか』
『絶対だよ! 約束だよ!』
『はい、必ず』
約束を交わした後、ノルンちゃんを置いて、転移魔法でダスト君達が住んでる家の中へワープした。
風景の何もかもががらりと変わり、目の前にはダスト君やルカちゃん、カヴァちゃんと名前の知らない人達が既に支度済みの格好でお待ちかねだ。
『お、来たかウンディーネ』
『ダスト君、久しぶり〜!』
『そんなに久しぶりか? あれから、せいぜい一週間くらいじゃないか?』
『私にとっては一週間も貴重な時間なの!』
『ははは、そうかそうか』
ダスト君は私を子供のように扱っている感じがする。私はダスト君よりも遥かに歳上なんだよ!
『彼女がウンディーネさんか』
初対面の人達もいるので、私は自己紹介をした。
『初めまして、私の名はウンディーネ・マーカス。精霊界の祖先です。好きな人は私を好きでいてくれる人です!』
『お、おぉ、話は聞いてる。私はパーシヴァルだ。よろしく』
『よろしくね、パーシヴァルちゃん!』
パーシヴァルちゃんは凛々しくて可愛い人だなー! イチャイチャしたい!
『私はバレスです。宜しくお願いします』
彼女は礼儀正しく頭を下げた。
『よろしくね、バレスちゃん!』
バレスちゃんはちょっと雰囲気暗いけど、とっても可愛い! 抱きしめてなでなでしたい!
『あの、私、橋本ルカです』
『うんうん、ルカちゃんの事は知ってるよ』
『そうなんですか?』
『私の子孫だからね。もちろんカヴァちゃんの事も知ってるよー!』
私はカヴァちゃんの方に視線を向けた。
『……よ、よろしくお願いします』
カヴァちゃんは人見知りなのか、ルカちゃんの後ろに隠れてからそう言った。でも、そんなところも可愛い!
『カヴァちゃん、よろしくねー』
今日は、私、ヒルドちゃん、ヘラクレス君、ダスト君、パーシヴァルちゃん、バレスちゃん、ルカちゃん、カヴァちゃんの8人でお出かけするよ!
『あれ、あおいさんは?』
『あおいは今日仕事って言ってたぞ』
『あぁ、そっか。一緒に行ければ良かったのに……』
残念そうに頭を下げるルカちゃん。私も会ってみたかったな。
『マーリンもやっぱり仕事が忙しくて無理そうだ。さっき新井さんが電話で謝ってた』
『学園長も大変だねぇ……』
『まあ、マーリンとあおいちゃんにはお土産を買ってくるとして、二人の分まで楽しもう』
『そうだな!』
みんなのテンションが上がってきたところで、私達は外の世界に足を踏み入れた。
『なあ、ところで何で俺まで呼び出されたんだ?』
ヘラクレス君が誘われた理由を聞いてきた。私は単純に一緒に遊んで楽しもうってことだと思ってたけど、違うのかな?
『荷物持ちだよ〜』
ヒルドちゃんがそう解答した。いくら何でもひどくない?
『あぁ、やっぱりそうか……』
ヘラクレス君は呆れた顔をしながら頭をかいた。本人も想定の範囲内なんだろうけど、残念そうではある。
『冗談だよ〜』
冗談だった。表情が無いからどっちか全然分からないよ〜。
『冗談かよ』
『冗談に決まってるじゃん〜。荷物くらい自分で持てるし〜』
『やめてくれよ、ヒルドの冗談分かりづらいんだよ』
『そうかな〜?』
『そうだ。なんせ表情が無いからな』
『う〜ん……』
ヒルドちゃんは、どこか悲しげに大空を見上げた。
『ヒルドちゃん、どうしたの?』
私は彼女の様子が気になったので、その秘めた思いを聞きに行った。
『どうもしないよ〜。ただね、私の表情が失ったのには理由があってね〜』
『最初から表情が出ないわけじゃないんだ』
『うん、話すと長くなるんだけど、いいかな〜?』
『いいよ!』
『分かった〜。じゃあ街のカフェでゆっくり話そうか〜』
『うん!』
後に私達はカフェでゆっくりくつろぎながら、ヒルドちゃんは自分の思い出話を咲かせる事となったのだ。
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