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第543話『また俺の夢の中で好き勝手してる奴がいるらしい』

お待たせしました。

第543話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 《???》


 やあ、また会えて嬉しいよ!


 私を覚えてるかな?


 ………………何となく覚えてる?


 そっか、まあそうだよね。だって君の夢の中だもの。夢の中の記憶は現実世界にはあまり持ち込めないからね。


 でね、今日私が君に会いに来たのはね、精霊界を救ってくれたお礼を言いに来たんだ。


 私の子孫達を守ってくれて、ありがとう!


 え? みんなが動いてくれたから勝てたって?


 でも、君がいなかったら、きっと宇宙軍を倒せなかったと思う。特にあのブリュンヒルデ・ワルキューレは。


 彼女は本当に宇宙で最強の実力者。この世の誰も勝てるはずがない存在だった。でも、君は倒したんだ。負けを知らなかった彼女が初めて敗北を味わったんだ。それはとてもすごいことなんだよ!


 だから、ちょっとは自分を褒めてもいいんじゃないかな? むしろ精霊界で君を貶す精霊や人なんていない。君はもう英雄なんだ!


 え、自分はそんな褒められるような人間じゃない?


 そもそも、自分のこの力は自分であって自分じゃない人から借りたものだって?


 自分はただの器だって?


 んー?


 ごめんね、私には君が何を言ってるのかちょっと理解できないけど、それでもブリュンヒルデを倒したのは他の誰でもない君なのは事実だよ。


 ちょっと、こいつ話聞いてないなって、呆れるようにため息つかないで! 話を聞いた上で言ってるから!


 なんで、君はそんなに卑屈なのかな?


 え? 自分はエゴイストで人の為ではなく自分の為にしか動かない偽善者だって?


 そんなことない!


 ……って言っても、君は聞きそうにないよね。偽善者は確かに自分の利益の為に考えるかもしれない。でも、それが結果的に人のためになっているのなら、それは、それだけで十分立派なんじゃないかな?


 まあ、私の個人的な意見だから、どう思うかは君に任せるよ。私は別に君の言い分を否定したいわけじゃないんだ。


 気を悪くさせたならごめんなさい。


 え、別に謝らなくてもいい? 悪いのは自分?


 もう〜何でそんなに自分を悪人にしたがるの?


 え、話すと長くなる?


 いいから話してよ。




 ――そっか、君にそんな過去が……。


 うーんまあでも君はその事を後悔してるんだよね?


 うん、そうだよね。それを悪いと思ってるからこそ、正義のヒーローにはふさわしくないと言ってるんだよね?


 え、それもあるけど、正義そのものが嫌い?


 そうなんだ。


 え、君の世界に正義を掲げた異常集団がいたって?


 そっか、それは嫌だね……確かにそんな奴がいたら私も正義自体が嫌いになりそう。


 君はなかなか数奇な人生を歩んでいるんだね。そんなことばっかりだったら、たとえ心を許せる仲間がいても病んじゃうよね。


 君はこれからどうしたいの?


 ………………。


 そっか、()()()()()を守りたいんだね。その為に決着をつけると。


 でも、まだ戦力が足りない?


 そうなの?


 私はそのゼウス? っていう神様? には会ったことも聞いたこともないけど、ブリュンヒルデに勝った君ほどの実力者が勝てない程強いの?


 そっか……大変だね。


 そしたら……うん、分かった。


 え、なにが分かったのかって?


 ふふふ、私も君に協力するよ!!!



 ――――――――――


 《現実世界》


『やっほー、来ちゃった』


 精霊世界から無事帰って、マーリンの家で一夜を過ごした朝、変な夢から覚めて早々に美女が目に映った。年齢は高校生から大学生くらいに見える。


 構図だけを見るなら、完全に一夜を明かした男女だ。俺も一瞬違う女を連れ込んでしまったのかと思ってしまったが、確か昨日は帰って早々パーシヴァル達からの質疑応答の嵐でさらなる疲労を抱え込んで、そのままベッドにインしたはずだ。他の女を連れ込む暇なんて皆無だ。


 ということは、この女は只者ではない。何かしらの方法で俺のベッドに忍び込んだストーカー女だ。


 常人ならば、ここであたふたするか、夢の中にいると勘違いして二度寝を決め込むのだが、俺はもう何が起きても驚かない。現に今俺は何のリアクションもなく、彼女を見ている。


『あの……もしもし?』


 反応のない俺に美女は応答を求めた。


『君は誰だ?』


『え、私を知らない? ()()()()()()()()()()()()?』


 さっき会ったばかりだと? さっきも何も俺は夢の中で――あ。


『あーお前か……』


 あまり記憶にはないが、俺の夢の中で姿知れずにやたら可愛い声で、何か精霊界を救ってくれてありがとうとか言ってた奴だ。確かオベイロン達の事を子孫とか言ってたから、その先祖がわざわざお礼を言いに来たんだったな。


『お前じゃないですぅー! 私にはウンディーネ・マーカスという高貴なる名前があるんですぅー!』


 ウンディーネはプンプンと頬を膨らませながらそう言った。可愛い。


『ああごめんごめん……ん、マーカスって、もしかしてクラウディアさんの先祖か?』


『うん、クラウディアもだけどオベイロンもだよ。みんな私の血が流れてるからね』


『妙な言い方だな。アンタ、もしかして相当昔に生まれたのか』


 ご先祖様だから当たり前だが、俺が思ったよりも昔の精霊……つまり妖精と呼ばれていた時代だ。


『うん、そうだね』


『そんなに昔に生まれたなら、アンタの寿命はどうなってんだ? そんな前に生まれてきたのに何でまだ若々しい身体で生きている?』


 正直これが一番気になっていた。精霊も寿命は人類より長いらしいが、さすがに数千年レベルは前例がいない。


『生きてないよ。私はとっくの昔に死んでるよ。この姿で現界できたのは、私の治癒の力でね、これがあれば例え寿命が尽きても、魂さえ滅んでなければ新たに身体を作って、実質的に死者の蘇生ができるんだ』


『死者の蘇生……だと?』


 ほとんど不死身ってことか。


『うん、すごいでしょ私!』


 ほめてほめてと言わんばかりに、自分をアピールするウンディーネ。


『……うん、まあすごい……な』


『何か反応薄くない? 君、反応薄い(せい)から来た反応薄い星人なの?』


 なんだその星。


『いや、すごいはすごいよ? 死者の蘇生なんてどんな偉業を成し遂げた人でも辿り着けなかったんだし』


『そうでしょ!』


 しかし、この世界にはノルン様という何でもできるチート女神がいる。死者の蘇生なんて朝飯前だろう。


『実はこの世界には――あ』


 うっかり口を滑らせるところだったが、本来は隠匿しなければならないノルン様の存在を、他の世界線の先祖に話してもいいのだろうか?


 その判断材料を得るために俺は真意魔法を発動した。ウンディーネに悪意はない。むしろ純粋な子供のようなキラキラした光しか見えない。まぶしっ!


『ああ、もしかしてこの世界の女神様が私と同じことができるってこと?』


 俺が言い渋っている間に、真相に辿り着きやがった。失礼な言い方だが、こいつ意外と洞察力高くない?


『女神の存在が分かるのか?』


『うん、何となくだけどね。ここから遥か遠い大地……お城の中でピンクのパンツ丸見えの美人さんからすごい力を感じるよ! あ、今ほっぺを赤くしながら足閉じちゃった。視線がない時だけ足癖が悪いんだね。うん、かわいいかわいい』


『え、え……まさかだと思うが、今……』


 衝撃の事実を知った……。


『ノルン様がピンクのパンツを――』


 ――ここで俺の意識は途絶えた。


 気がついたら、何故かヴァルハラのベッドの上にいた。今回は知った天井だ。


『………………』


 さっきまでウンディーネとマーリンの家の同じベッドの上にいた気がしたのだが、途中まで何を話していたのか思い出せない。真意魔法を発動して、ウンディーネは善人だと判断したところまでは覚えてるが……。


『ダスト君、おはよ〜』


 代わりにヒルドさんが目の前にいた。同じベッドの中で俺の目覚めを待っていたようだ。


『ヒルドさん、おはようございます』


 既視感ありまくりのこの展開。


 ヒルドさんは相変わらず、柔らかそうな山をさらけ出しながら、ミニスカートの中を僅かに顕にしている。


 やれやれ、またこのパターンか。

第543話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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