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第531話『精霊世界の非日常』

お待たせしました。

第531話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 精霊の王の朝は早い。


 午前5時起床。眠気があろうと洗顔でねじ伏せる。ねじ伏せるったらねじ伏せる。


 朝食はまだだ。その前に執務室で仕事をある程度こなす。眠くなんてない。


 その後は朝の散歩だ。朝の空気は美味だ。新鮮な空気を取り込んで仕事の糧とするのだ。決して眠気を覚ますためではない。


『さて、今日も一日が始ま――』


 上空の光景を見て、王は言葉を失った。ついでに眠気も完全に覚めた。


『なんだあれ……?』


 なんと未確認飛行物体が跋扈してるではないか。夢か幻想か。このファンタジーあふれる精霊の世界でさえ、このような光景を見るのは歴史上初だ。


『緊急事態だ! 早く国民に避難誘導を!』


 早朝に緊急アラートが響いた。耳を突き抜けて脳の深部を刺すような激的な音。


 それは早く逃げろ、とにかく逃げろと訴えかける。


 街中はパニックだ。本来ならば、多くの者は未だ夢の中で過ごしているような時間だが、今はこの世の終わりのような悲鳴を上げて、避難している。


 王はクラウディアを含めた戦士たちを即座に招集し、緊急会議が行われた。


 会議と言っても状況が状況だ。悠長に話している場合ではないことは百も承知だ。なので、迅速に且つ慎重に事を進めるために、必要な情報の共有と役割だけを決めた。


 未確認飛行物体を調査する者、避難しそびれた国民を手助けする者に分かれた。オベイロンを含めた調査部隊は背中の羽を大きく広げ、未確認飛行物体まで空を羽ばたいた。


 すると、未確認飛行物体から白い翼を生やした鳥獣人が二匹ほど現れた。剣を携えているところを見ると、戦士であることが伺える。


『なんだ、あいつら?』


 その鳥獣宇宙人の一匹はオベイロン達を見ると、不敵な笑みを浮かべ、剣を抜いて襲いかかってきた。


『早速やる気か!』


 オベイロンと調査部隊数名も武器を取り、刃と刃が交わる。


 オベイロンとクラウディアはそれぞれ一匹と、それぞれ対峙する。それ以外の調査部隊は他の未確認飛行物体へ向かった。


『貴様らは何者だ! なぜこの国を襲う!』


『我々はこの星を乗っ取りに来た!』


『侵略か。だが私達はお前たちのような侵略者を退けてきた!』


 オベイロンは剣を押し上げ、鳥獣宇宙人の剣を弾いた。これで相手は丸腰の状態だ。


『今だ!』


 オベイロンはその隙を逃さず、確実に刃を鳥獣宇宙人の身体に刻み込んだ。


『ぐっ……やるな()()!』


 傷口を押さえる鳥獣宇宙人。苦しくとも笑みを浮かべる事をやめない。まるで戦闘を楽しんでいるようだ。


 鳥獣宇宙人は剣を失ったが、戦意は未だに健在。一歩も引かずに今度は拳を構える。


『拳だと……そうか。貴様剣術だけではないのだな』


 鳥獣宇宙人の拳の構え方を見て、素人ではないと確信を持ったオベイロン。


『そうだ。むしろここからが本番というべきだな』


『なに?』


『まさか、戦ってすぐ本気を出すことになるとはな! 面白い! 実に面白い!』


 高揚した鳥獣宇宙人。そのせいで傷から血が吹き出しているが、本人はまるで気にしていない。


 この鳥獣宇宙人にとっては、剣を使うよりは拳で殴り合った方が本領発揮できるようだ。


『貴様気に入ったぞ! 我の名前はイカロス! このイカロス号の艦長であり、戦いを愛する者だ!』


『艦長! 楽しむのはいいですけど、目的を忘れないで下さい!』


 もう一匹の鳥獣宇宙人が、クラウディアと戦いながらわざわざ艦長に釘を刺した。


『うるせえ! サキエル!』


『うるせえじゃないですよ!』


『じゃあ、黙れ!』


『言い方変えればいいわけじゃ――うわっ!』


 もう一匹の鳥獣宇宙人……サキエルは、危うく真っ二つになるところで間一髪で回避した。


『よそ見をするとは、ずいぶん余裕なんですね』


『そういうんじゃねえですよ、うちの上司が危なかっしいだけです』


『そうですか、貴方も大変ですね』


『全くだよぉ……あの脳k……艦長マジで言う事聞かなくて……だから俺がみんなを纒めて……ぐすっ……ぐすっ……』


 サキエルは戦闘中にも関わらず、泣きながら愚痴をこぼした。よほどの苦労があるのだろう。


『泣いちゃった』


 ポカーンと啞然とするクラウディア。もちろんサキエルが嘘泣きをして騙し討ちしてくる可能性も考慮しつつ、話を続けた。


『貴方のところの艦長は普段からそんなに協調性が無い方なのですか?』


『そうだよお! いつもいつもせっかく立てた作戦を台無しにして……何も考えずに突っ走って……そのせいで他の部隊からも白い目で見られて……俺の悪口まで言ってきて……ぐすっ、ぐすっ』


『そうだったんですね……』


 確かにイカロスの方を見ると、無邪気な子どものように笑いながら、戦闘に臨んでいる。彼の行動を見ると、サキエルの話と辻褄が合う。


『本当なら我が家に招待して、貴方の愚痴を聞きたいところですが……我々の国を侵略する以上は容赦しませんよ』


 クラウディアは改めて殺意を込めて、武器を向ける。


『ああ、そうだった。俺達は敵同士だ。まあでも俺の話を聞いてくれたのは感謝します』


 サキエルは少しだけ口角を上げながら、律儀にお礼を口にした。


『それじゃあ、戦闘再開ですね!』


 クラウディアが先行して突撃する。


『かかってこい!!!』


 サキエルも気合いを入れて、迎撃する。


 こうして精霊と宇宙人の戦争が始まってしまった。

泣いちゃった(´・ω・`)


第531話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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