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第528話『笑ってるけど楽しくない』

※作者は特に美形に恨みがあるわけではありません。


というわけで、

お待たせしました。

第528話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。

 手始めにドアをぶち破る。この世にはノックする回数が決められてるビジネスマナーがあるらしいが、そんなの知るか。お望みならクソ上司(てめえ)の脳みそをノックしてやりましょう。


『な、なんだ!?』


 突然扉が壊れて驚愕の表情を浮かべる幹部二匹。ボスは黒い画面に黒装束という全身真っ黒な姿をしながら、偉そうに玉座に佇んでいる。幹部二匹の内の一匹は成人男性三人分くらいのサイズの青いオークのような怪物。もう一匹は対象的に小学生くらいのサイズの緑色の宇宙人。こいつだけは他の宇宙人と違い、造形が整っている。何なら美形かもしれない。


 そんな奴等がいるところに、俺とシャイが武器を持って現れる。


『な、貴様……奴隷を解放したのか……!』


『しかも、逃げずに武器を持って来ただと……?』


 連中はどうやら俺が現れた事より、奴隷が武器を持って来たことに驚いているようだ。確かに奴隷は解放されたら逃げ出すイメージの方が強いかも。故に逃げずに戦いに来たらそりゃ驚くのも無理はない。


『おのれ、貴様奴隷の分際で我々に歯向かおうと言うのか!』


 幹部二匹はそれぞれ憤りを見せる。


『俺の方は無視かよ』


 というか、キレたいのはこっちの方なんだよカス共。こいつらマジでどうしてやろうか……。


 ――殺セ。


 ああ、そうだな。邪魔な奴は全部排除しないとな。


 ――殺セ。


 でも、俺は快楽殺人鬼じゃない。あくまでみんなの未来を守るために戦うんだ。たとえこんなくそったれな世界でもな。


『シャイ、どいつがいい?』


 俺はシャイに対戦カードの決定権を与えた。


『そうだな、()()()()()()()()()()()によると、あのオークみたいな奴に対して、強い恨みと恐怖を抱いているみたいだ』


 シャイは柄にもなく、大きな宇宙人を強く睨みつける。その身体の持ち主は、そこの大きい宇宙人に、よほど酷い目に遭わされたみたいだな。


『そうか。じゃあ俺は残りの二匹を』


『2対1じゃないか。大丈夫か?』


『大丈夫だ。今の俺なら』


『そうか。分かった。じゃあ頼んだぞ』


 お互いに頷き合い、それぞれの敵に戦意を向けて走り出す。


 そっちはシャイに任せて、俺は小さい方の宇宙人とボスを同時に相手する。まず手前にいる小さい宇宙人に炎魔法と岩石魔法を投げた。


 すると、小さい宇宙人は消えたように回避し、超高速でその辺を駆け回る。


『早い……!』


 律儀に驚愕のリアクションを披露してみたが、こんなのただ早いだけで、対処法なんていくらでも思いつく。


 その中で、選ばれたのは綾t……じゃない。


『時魔法』


 ――刹那、時が止まった。……わけではない。俺の時魔法の場合は、フーちゃんの時魔法とはちょっと性質が違うのだ。


 俺の時魔法は、時の進みが通常の100倍ほど遅くなる。つまり、通常の1秒が100秒かかるということだ。


 それを踏まえて、この小さい宇宙人は秒速100メートル。つまり、今この空間では、この素早い宇宙人も100メートル走り終えるのに100秒かかるということだ。


 まあ、時を止めるというより、ノロノロになるってだけだな。


 フーちゃんの時魔法は完全に時が止まっていた。彼女は時魔法との親和性がよほど高いのだろうな。ただし時魔法の発動中は相手に攻撃できないというデメリットがあった。だが、俺の時魔法は制限がある代わりに、敵に攻撃する事ができる。


『雷魔法、炎魔法、氷魔法、以上』


 3種類だけだが、その分殺傷能力高めに攻撃しておいた。


 相手はまだ攻撃を受けた事に気づいていないが、いずれ3つ分の魔法のダメージがこの宇宙人に襲いかかるだろう。このまま時を止めた状態にしたいところだが、この時魔法は魔力を大きく消費する。


『時魔法解除』


 ――刹那、時計の針は正常の速度で動き始めた。


『ぐあっ! ぐああっ! うわああああああああああああああああ!!!』


 小さい宇宙人はあまりのダメージに悶絶し、やがて白目を剥いて倒れた。せっかくの美形が台無しDA☆ZE。


『なっ!? バルモ!?』


 どうやら、この小さい宇宙人の名前はバルモというらしい。で、そのバルモが一瞬で倒れ、隣で戦闘中の大きい宇宙人は驚愕の表情を浮かべた。ボスも思わず声を上げた。その仮面の下はさぞかし呆気に取られた面をしているんだろうな。


『戦闘中によそみとはずいぶん余裕だな』


 シャイは隙をついて大きな宇宙人に大きな傷をつけた。


『ぐっ! 貴様!』


 だが大きな宇宙人はまだ倒れず、シャイに大きな拳を突き出した。


 それを剣で難なく受け止めるシャイ。その状態で押し出されるわけでもなく、むしろ刃が拳にめり込んでしまい、攻撃した側がダメージを受けている。


『うぅっ!』


 大きな宇宙人は痛みを感じ、拳を引いてしまった。


 シャイはその隙を逃さず、次々と斬り刻む。


『うおおおおおおおおおお!!!!!』


 咄嗟に両手をクロスしてガードする大きな宇宙人だが、斬られる度に飛び散る血はダメージの証。刃が通っている事には変わりないのだ。


『向こうは大丈夫そうだな』


 シャイの勝利を確信し、俺は俺でボスと対峙する。


『驚いた。まさかバルモを一瞬で倒すとはな。ボロルの方も倒されるのは時間の問題だろう』


 大きい方の宇宙人はボロルと言うらしい。死ぬほどどうでもいいが。


『このままアンタが俺に倒されるのも時間の問題だな』


『ククク、舐められたものだな。だが、貴様がそう言うだけの力を備えているのは確かだ』


 ボスは立ち上がり、指をパキパキと鳴らしながら戦闘態勢を整える。


 さて、こいつがボスか。


 俺は数時間前に見た予知夢を頭に浮かべる。


 おそらくこいつさえ何とか出来れば、精霊世界は無事に朝を迎えられるはずだ。


 “ダストの記憶”を解放した俺がここで負けるとは思わないが、相手の強さは未知数。少なくともオベイロンと互角以上にやり合える奴だ。簡単には勝ちを譲ってはくれないだろう。


『貴様の名は?』


 ボスが俺の名前を聞いてきた。よく敵が相手の名前を聞いてくるのは二次元では定番中の定番だが、実際言われると何か認められたような気がして悪い気はしない。


『俺の名前はダスト。アンタは?』


『我の名はグラン・ドミニオン。このグランドベース号の館長だ!』

第528話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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