第526話『ところで宇宙船って酔わないのかな』
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※胸くそ・グロテスク注意です。
宇宙に浮かぶ一つの物体。この世のものではない。少なくともこの星の技術では作り出せないものだ。
大きな円盤の形をしたそれは見下すように、偉そうに、傲慢に佇んでいる。
その中には、宇宙人と呼ばれる異種族の怪物が大量に乗車していた。
『モウスグカ、目的ノ惑星ハ』
ガラス越しに惑星を見つめる異形の怪物。物欲しそうに触手をガラスにつけている。
『アア、モウジキコノ星ハ我々ノモノニナルノ ダ』
宇宙人は不敵な笑みを浮かべる。
彼らは侵略を生業としているが、趣味でもある。壊すこと、殺すこと、犯すこと。そのどれもが美味である。快楽である。
故に相互理解は不可能。自分たちを守るためには彼らを退けなければならない。
『モウスグ殺セル殺セル、人ト精霊ヲブチ殺セル』
『俺ハ、人間ヲ弄ビタイ、バラバラニヒテ苦シメタイ』
『オマエ、コノマエモ別ノ惑星ノ女サラッテ奴隷ニシテタヨナ、今ドコニイルンダ?』
『アア、アイツハモウ虫ノ息ダッタカラ倉庫ニ放置シタ。マダ生キテルガドウセ死ヌダロウ』
『エー、俺モ弄ビタカッタ』
『俺モ俺モ』
『アノ女ノ泣キ叫ブ声ハ流石二ウルサカッタケド最高ダッタナ』
『ダヨナ、コノ星侵略シタラマタ女サラオウゼ』
『ソウダナ、ソレガイイ』
『一匹ジャタリナイ、モットモットツレテコウ、ソシテ全員をぶちお――』
――刹那、雑談中の宇宙人達の近くのガラスが割れた。一人の人間が無理やり入ってきたのだ。
彼らがそれに気づく前に、一匹の宇宙人の首が宙に飛ばされた。
『何モノダ――』
遅い。
また一匹を血まみれにした。具体的には胴体と首を離してやった。もう二度とその汚ねえ口が開かねえように。
『ヒ、ヒィッ!』
恐怖に支配された彼らは腰を抜かし、遅い速度で退いていく。
『逃がすと思うか?』
『クルナ……クルナアアアアアア!!!』
一匹は叫びながら、懐の銃取り出し、弾丸を放った。
『おい、そこはレーザー銃だろうが! こんな地球人でも作れなさそうな宇宙船を作っといて銃だけはこっちとほぼ同じレベルかよ。正直ガッカリだ』
迫る弾丸を、彼は、いや俺は防壁魔法で防いだ。
『雷魔法』
次にこの場にいる全てのゲス野郎共に雷という名の凶器をぶち当てて、丸焦げにした。
『ギャアアアアアアアアアアア!!!!!!!』
このクズ共は泣きながら悲鳴を上げているが、俺は容赦せず、地獄を浴びせ続けた。
俺はここに侵入する前に、こいつ等の会話を聞いてしまったのだ。それは俺の快楽と反するものだ。確実に取り除かなければならないウイルスだ。
『何事ダ!』
増援がゾロゾロとやってきた。両手では数え切れない程の数、大体百はいそうだ。そして、こいつらの心もさっきの奴等と変わらない。どいつもこいつも人間と精霊を弄ぶことしか考えてない。
『よし、お前ら全員ぶちのめしてやる♡』
俺は闇魔法で剣を5本程生成し、それを浮遊魔法で宙に留めた。それから、
『やれ』
剣に命令すると、それぞれが意思を持つように、クズ野郎共を順番に串刺しにした。
『ナ、ナンダコレ……!?』
『二、二ゲロ――グアッ!』
『タ、タスケ……』
闇色の剣が宙を舞う。俺の命令を遂行する為、ゴミを掃除する為、そして敵共を斬り刻むという快楽を得る為に。
『ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
異種族の血が飛び散る。その色は青だったり、緑だったり。人間とは異なる怪物である事を改めて理解させられる。
もしここに他の人間がいたとして、宇宙人を惨殺する俺が非情に見えるのだろうか? ああ、そうだな。俺は非情だ。しかし、こいつらだって己の快楽の為にいくつもの星を血で埋め尽くしてきた。
今のこいつらのように、死にたくないと逃げ惑う者達がいた。そいつらも無惨に殺された。
何が言いたいかって?
因果応報という概念を、こいつらに味あわせただけだ。
『不味いだろ。理不尽に流れた血の味は』
ただの肉塊の山に向けて、俺はそう言い残し、その場をあとにした。
ここは宇宙空間なので、地に足がつくことはない。なのでわざわざ浮遊魔法は使わなくていい。
宇宙空間なのに何故息ができるかって? それは“常に酸素を取り込める結界”を張ったからだ。実は前々から覚えていた技だが、使い道がピンポイントなので、なかなか発動する機会がなかったのだ。まさか、異世界の宇宙に行くとは思わなかったしな。
『ここの親玉はどこにいるんだ?』
増援は全て片付けた。あとは幹部なり親玉なり出てきてもおかしくはないが。
『イタゾ!』
雑魚が5匹ほど銃を構えてやってきた。
『結界魔法“斬”』
雑魚どもを結界の中に閉じ込めた。
『ナ、ナンダ?』
すると、結界の中から斬撃が発生する。
『ギャアアアアアアアアアアア!!!』
一匹倒れた。だがそれで終わりではない。どこかから現れる斬撃が結界の中を横行する。
『ギャアアアアアアアアアアアアア!!!』
斬撃は結界の外には届かない。
これを止めるには結界を破壊するか、俺が結界を解除するかの二択のみ。
前者は、まああの雑魚どもでは到底無理だろう。後者は……まあ交渉次第では解除してやらんこともない――なんて以前の俺ならそう思っただろうな。
今はこいつ等を排除する事で頭がいっぱいだ。災害は排除できないが、消せる被害なら今のうちに消した方がいいだろ?
結界の中は奴らの青い血液で埋め尽くされた。思ったよりも身体を斬り刻まれたようだ。
俺は結界を解いた。すると、結界にこびりついていた青い血液はビシャーと床に叩きつけられ、その勢いで、床を侵食していく。
そこには凄惨な姿になった宇宙人だったものが置かれていた。詳しく説明しようとすると気分が悪くなりそうなので言及はしない――が、俺が奪った命だ。そんな義務があるわけではないが、せめて俺だけはこの目に焼き付けよう。これが人殺しであると。
『……次行こう』
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