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第523話『だから展開雑だっての』

お待たせしました。

第523話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 ――あぁ、またか。


 並行世界から本来の世界線に帰ってきたはずの俺は、気づいたら、またしても知らない天井を視界に収める事となった。


 俺は今、ベッドの上。部屋の内装を見ると少し金がかかった家具がそこら中に置いてある。金のマーブル模様の掛け布団に、金色の取手がついてる赤いソファに、金色の縁を纏う白いテーブルに、電化製品店にしか置いてないような、めちゃくちゃ細くて大きいテレビ。縁はやはり金に包まれている。なんという成金アピール。


 一人の部屋というにはかなり大層な内装だ。言うまでもなく、ここは富豪の家なんだろう。それもマーリンの家よりも。


『・・・』


 もはやリアクションも出てこない。何故なら、俺はこういう展開には慣れているからだ。知らない天井を目にする度に『ここは……?』と口にしないどころか、そう思うことすら無くなったのがその証拠だ。


 はぁ……元の世界に戻るつもりが、どうやら、また知らん世界に飛ばされたらしい。どうやってここに来たかは分からんがな。


 原因は何だ? ラピスとラズリの転移魔法が失敗したのか、それとも時空移動ばかりしてる俺の存在が歪みすぎて、元の世界に戻れなくなったとかか? 後者に関しては自分でも何言ってるかよく分からねえけど。


『やれやれ』


 頭をかきながら、ベッドから起き上がる。


 俺自身は特に手錠や鎖で拘束されていないところを見ると、捕虜ではなく、どこかで倒れていた俺を親切な家主が拾ってくれたんだろう。


 金持ちの家の絨毯に足を踏み入れる。かつては恐れ多かったが、今となってはもうどうでもいい。


『外はどうなってんだ』


 俺はドアノブに手をつけた。


 すると――


 ちょうど扉の先に、可愛らしいメイド姿の女性が現れた。キラキラと川のように流れる長い金髪、海のように美しいブルーの瞳。服の上から見ても盛り上がる大きな胸囲 (おそらく赤髪ちゃんやアミさんよりも大きい)。そして、俺よりも少しだけ背丈が高く、それでいて顔が小さい。


 ああ、これは紛れもなくモデル体型の美少女だ。見たところ年齢は俺と同じくらいに見えるが、一体いくつなのか。彼女の下着の色の次に気になるが、女性に年齢を聞くのはあまりよろしくないのでやめておこう。


『お目覚めになられたようですね!』


 満面の笑みで、そう言った。まるで俺が目覚めるのを心から待ち望んでいたかのように。


 メイドの彼女は、礼儀作法としてスカートの裾を持ち、自己紹介を始めた。


『初めましてダスト様、私の名前はクラウディア・マーカス。この国の王である()()()()()様に仕えるメイド兼()()()でございます』


 メイド兼戦闘員……?


 いや、それよりも、


『オベイロンって、あのオベイロン?』


 ルカちゃん達がいたあの精霊世界の王族のオベイロン。生徒たちの宿泊行事の最中に戦いを挑んできた奴だが、今は和解していて、我々と友好関係を築いている。


『はい、我らが王でございます!』


 元気いっぱいにそう言った。何でそんなにテンション高いの?


『おっと、お見苦しいところを、大変失礼致しました』


 高まってテンションを定位置に戻すと、恥ずかしそうに少し頬を染めながら謝罪した。可愛い。


『あ、ああ、いえ。ということは、ここは精霊が存在する世界線なんですね』


『はい。正確には精霊と人間が共存する世界ですが、先祖を辿ればこの世全ての者は両族の血が交ざっているのです』


 そうだ。確か大昔から精霊が存在してるんだったよな。人間と争っていた時代もあったが、それはもう終結して、二度と戦争を起こさないように、互いの恨みは引き継がずに、今まで共存し続けてきたんだよな。


 ……あれ、何でこんなに詳しく知ってるんだ俺。


『へー、なるほどなるほど』


 知らないふりをしよう。説明がめんどくさい。というか自分でも何で知ってるかよく分からんし。まあ、どうせ――


『説明ありがとうございます。あの、ところで聞きたいんですが、最近、俺と同じくらいのタイミングで、この世界出身の女の子が二人いるかもしれないんですが、知りませんか?』


『ああ、もしかして橋本ルカ様とルカ・ヴァルキリー様ですね! そのお二人もダスト様と同じようにこちらで保護しております』


 真意魔法によると、どうやら嘘はついていないようだ。というか、実はさっきからずっと発動していたが、彼女から悪意は一切見たらなかった。めちゃくちゃ綺麗な心だった。


『そうですか……良かった……』


 胸につかえていた大きな不安の一つは消えた。そういうことなら次の段階へ移行するか。この事態をオベイロンに説明してもらわないと。


『あの、オベイロンはどこにいますか?』


『我が王はただいま執務室におられます』


『空いてる時間はあります?』


『大変申し訳ございません。本日から明日にかけて予定が全て埋まっておりまして……』


『そうですか


『何分多忙でございまして……』


 まあ、国王だし当然か。俺がここに保護されている経緯を家主であるオベイロンから聞きたかったのだが、仕方がない。


『申し訳ございませんが、王に何かお話したいことがあれば、まず私にお申し付け下さい。たとえ王がどんなに多忙でも、私の立場なら伺いやすいので』


 要は橋渡しをしてくれるってことか。助かる。


『分かりました。では、俺の用件ですが――』


 俺がここにいる経緯を教えてほしいと言った。


『それに関しては私の方から話すつもりでした。ダスト様からすれば訳の分からない状況なのに……。質問される前に早く説明するべきでしたね。申し訳ございませんでした』


 またしても謝罪をするクラウディア。


『とんでもない、大丈夫ですよ!』


 正直慣れてるし、全然大丈夫だ。ここで混乱するほど経験は浅くない。むしろ濃すぎてキモいくらいだ。


『それで、説明って長くなりそうですか?』


『いえ、私の体感ですが、それほど長くはないかと思いますが、ここではアレなので、中に入って説明しましょう。よろしければ紅茶も淹れますよ♪』


『ありがとうございます。ぜひお願いします』


 俺はこの部屋でクラウディアさんとお茶会デート……じゃなくて、経緯を話してくれる事になった。


 さて、()()()どんな話になるのやら。

第523話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回も宜しくお願い致します。

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