第512話『VS盗賊団⑥』
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第512話の執筆が完了しました。
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※2024/03/02文字を一部修正しました。
『ヒャッハーーー! 汚物は消毒だーーー!!!』
次々と現れる世紀末的モヒカン雑魚の大群を一掃しながら、広いアジトの中を駆け回る。
『いや何でモヒカンばかりこんなに居るんだよ』
俺はモヒカンを倒しながら、状況にツッコミを入れる。
『流行りなんじゃない?』
ブロンズ様は適当にそう答えた。
『流行りか……そっか流行りならしょうがないか』
きっと某世紀末アニメが流行ってるんだな。俺はこれ以上考えるのをやめた。
『ディーンさんはああいう髪型って、どうなの?』
何故かルカちゃんが終わりかけた話題に食いついてきた。
『もし、ディーンさんが良ければ、私モヒカンになるよ!』
モヒカンのルカちゃん……うん、ちょっと想像してみたが、似合わなすぎてただのコスプレにしか見えん。もちろんそれでも可愛いけど。それにクラスメート及び家族である彼女が不良になった世界線を想像すると……学級破壊……不登校……喧嘩……ダメだ、不穏なワードが次々とよぎってしまう。いくら容姿が可愛くても道を踏み外したら終わりだ。
『百万円あげるのでやめて下さいお願いしますどうか本当にやめて頂けると幸いですルカ様どうか静まりたまへ』
『やらないから落ち着いて!?』
そんなこんなで、俺達は難なく全ての雑魚敵を排除した。本来ならば幹部と同じようにポケット収監所に閉じ込めたかったが、人数が多すぎて断念した。なのでロンドディウム王国の騎士と警察的な組織と連絡して、回収してもらう手はずとなった。
あとは、盗賊団のボスを捕まえるだけだ。
俺達はそのボスがいると思われる一番奥の扉の前までやってきた。
ここまで味方全員ほぼ無傷。今の状況だけを見るならかなり順調と言えるが、未来予知の出来事がすぐ先にあるのなら、逆転もありえる。
ルカちゃんとカヴァちゃんが来たことで、結末は変わるかもしれないが、良い未来が確定になったわけではない。
今、未来予知を発動できれば、戦力差を事前に把握できたのだが、やはりいつでも未来予知を使えるわけではなさそうだ。“ダストの記憶”を全て解放したのに、何で未来予知の魔法だけうまくいかないんだ? バグか?
『いよいよだ。今のところ順調だが、ダストの未来予知の結果が正しければ、俺達は大苦戦を強いられる。だが、俺達には未来を変える力がある』
ルシウスの言う通り、未来は変えられる。これまでもそうだった。変えられなかった悲劇なんてない。これからもそして今までも。
『それに、今回はルカとカヴァも加勢に来てくれた。敵戦力が見えてこないとはいえ、我々は一人一人に実力がある』
粒揃いってやつだな。もし一人がやられても、他の誰かがフォローしてくれる。その逆も然り。
俺は一人で戦っているわけじゃない。みんなで戦ってるんだ。
それはそうと、ルシウスがカヴァって呼び捨てにしてるの、何かじわるw
でも、今は真剣な時だから、笑いませんwww
というわけで、ここからは真面目モード。
『じゃあ開けるぞ』
全員が頷いた。次にルシウスも頷くと、扉を前に押して中に入った。
『これは……!』
沢山の筒状のケースの中いっぱいに謎の緑色の水。そこには自爆しやがったあの男幹部が連れてきた改造人間と全く同じ造形の人形が一つのケースにつき一体眠っていた。
未来予知で見た光景と一致している。
『未来予知の通りだ! みんな油断するな!』
俺がそう強く言うと、全員警戒態勢に入る。
ルカちゃん達にも事前に未来予知の件は言ってあるので、取り残されることなく、全員と同じように武器を構えた。
『おそらく、あのケースの改造人間が――』
ギロッ!
一人の改造人間が鋭い視線が俺達を突き刺した。すると、それに続くように他の改造人間たちも目を覚まし、次々とターゲットを指定し、刺さるような視線を送ってくる。
その作業を終えると、全ての改造人間が獣のような叫び声を上げ、一斉に俺達に襲いかかる。
『来るぞ!』
俺達はそれぞれ持っている武器をかざして、改造人間の集団に攻撃をしかける。
未来予知で見たが、改造人間は一人一人が強い。ルシウスや魔王、ルカちゃん、カヴァちゃん、そして俺クラスなら余裕だが、ゴールドちゃんやシルバーちゃんは少し苦戦するかもしれない。
悪いように思わないでほしいが、ブロンズ様はこの中でも一番戦闘能力が足りない。だが彼女自身はとても器用で、遠距離からの援護は優秀だ。それに、ここにいるはずのボスがどこにいるのか、心を読んで把握するという役目もある。
ブロンズ様、宜しく頼む!
そう心に浮かべたが、当の本人はそれどころではなく、改造人間に鉛玉を当てていく。
まあ、そうだよな。他のみんなも改造人間を倒すので集中している。
はぁ……空気読めてないな俺。これじゃ俺の夢まで程遠いじゃないか。
でも、この役割を放棄するわけにはいかない。別に前もって決めたってわけじゃないが、みんなには集中して改造人間を倒してもらって、俺ももちろん改造人間を倒しながら視野を広げて、ボスを探すとしよう。
『喰らえ!』
襲い来る改造人間を倒しつつ、俺はボスを探す。
とはいったものの、俺はボスの姿を知らない。どんな髪型でどんな服装か等の情報は一切取得していない。
考えすぎかもしれないが、改造人間に扮している可能性もあるし、透明化してどこかに潜んでいる……なんてこともありえなくはない。
『お兄ちゃん! 探知魔法を!』
戦闘中のブロンズ様が打開策を提示してくれた。
『ああ、そっか!!!』
いつも使ってたのに!!!!!!
ずっと一緒だったのに!!!!!!
何で気づかなかったんだ!!!!!!!
相棒とも呼ぶほど愛用してる魔法を忘れるなんて!!!!!!
俺はなんてバカ野郎なんだ!!!!!!!
『そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!』
心を読むブロンズ様にツッコまれてしまった。魔王のこと言えないじゃないか……。
すると、そのシリアスブレイカーが敵を倒す合間に俺の方を見て、
『何か失礼なこと考えてる?』
『戦闘中だぞ! 集中しろ!』
『お兄ちゃんもでしょ!』
怒られちゃった。
まあ、そんなわけで俺は探知魔法を発動する。
――かかりましたね――
『!!!!!!???!?!?!?!!!?!?』
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