第504話『ああああああああああああああああああああああああああああ』
お待たせしました。
第504話の執筆が完了しました。
サブタイトルは意図的にこのように入力しています。決して寝落ちしかけたわけではありません。
宜しくお願い致します。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…………………………。
思い出した。何もかも……俺は……俺は……!
フーちゃん……アミさん……やっと思い出したよ。
これが“ダストの記憶”の全て……。というか、フーちゃん関連の記憶と“ダストの記憶”は全く別物だと思っていたけど、ちゃんと全部繋がっていたんだね。まあ、正確には別人だけど。
“ダストの記憶”は俺以外のダストと名乗る何者かの記憶。それ以外は“勇者ダストの記憶”。つまり、俺が俺である前の一番最初の記憶。
『思い出したようだね』
『ラピス、ラズリ、ありがとう』
思い出したのは記憶だけじゃない。魔法も経験も、戦闘に関する事も全てだ。つまり、勇者として元々備わっていた力を取り戻したということだ。
『今、君がすべきことは?』
ラズリが俺にそう訊いた。
『世界を救う』
『そうだね』
『でも、まだ足りない』
それでも尚、まだ神を倒せないというのか。
『私達が』
『開発した魔法』
『その全てを』
『君に授けよう』
『時が止まってる内に』
『早く』
どうやら時を止めるのは無限ではないらしい。
『分かった』
それから、俺はラピスとラズリに新しい魔法の全てを授かり、それを使いこなす為の訓練が行われた。
時が止まっている間は空腹にならないが、食事そのものを娯楽と捉えている場合は話は別だ。カレーや肉を食べたひ。
ルシウス達は相変わらず銅像のままだが、今回はラピスとラズリが話し相手になっているので、孤独感がない。おかげでラピスとラズリの素性を多少知ることができた。どうやら彼女たちは元々暮らしていた世界をゼウスに破壊されたようで、仇討ちというわけではないが、止めなくてはならない存在ということで、ゼウスを倒す為に動いているらしい。
どうやって別の世界線に来たのかと言うと、ゼウスに消される前に彼女たちのおじいさんが、魔法で別の世界線に飛ばしてくれたらしい。家族を失った悲しみを堪えて、二人でずっと研究し続けてきた。そして、数々の協力者を得て、今に至ると。
彼女たちの冒険はまるで物語のように厚く、重かった。
そんな感じで話を聞いたり、修行したりを繰り返している内に、あっという間に3年の月日が経過した。
成長も時の停止の対象なので、外見はほとんど変わっていない。しかし、レベルは以前とは桁違いだ。
『これで準備は』
『万端』
魔法の習得は完全に修了した。その上、“ダストの記憶”の完全解放している。もはやアクタ (セカンド・ドライヴ)ほどの実力者ですら、俺に勝つのは難しいだろう。
『これで俺はゼウスに勝てるのか?』
『それは』
『難しい』
『難しいんかい』
『でも』
『仲間と』
『協力すれば』
『勝機はある』
仲間……か。
ああ、そうか。そうだよな。
『あ、そういえばゼウスって――』
俺はゼウスの能力を改めて確認した。
『――というわけだよ』
『これがゼウスの全てだよ』
彼女たちなりに調べたゼウスの情報の全てを受け継いだ。それは彼女たちの人生すら乗っかっているような重さを感じた。
『分かった。ありがとう。必ずゼウスを倒すよ』
『私達も協力する』
『また決戦の戦場で合流するよ』
決戦の戦場……それは即ち、ゼウスとの最終決戦の時。俺達の全てを賭けた、最も激しい戦いになるだろう。そこで彼女たちも参戦してくれるらしい。頼もしい限りだ。
『分かった。また未来で待ってる』
『うん、それじゃいよいよ』
『時を再開させる』
『じゃあ定位置について』
定位置とは、時が止まる直前に居た正確な立ち位置だ。ルシウス達に時が止まっていたことを知られない為に、全く同じ位置に立たなければならない。ポーズも出来れば同様に決める必要もあるが、この時誰もダストに視線を送っていないので、微々たる差は気にしないものとした。
あとは、ブロンズ様に心を読まれないように“ダストの記憶”関連の事は心の奥底に封じる魔法もかけた。
これで準備は万端だ。
俺はラピスに視線を送って、コクンと頷いた。
『えい!』
――そして、時は動き出した。
最初に口を開いたままのルシウスがようやく喋り出した。
『――ことだ? 俺は何も話していないはずだが?』
あぁ、銅像だったみんなが息をしている。それだけで思わず涙を流しそうになったが、なんとか堪えた。
『ふっふっふ、私達は魔法の開発者だよ〜?』
『それくらいお見通しだよ〜!』
おいおい、そんなので誤魔化せるのか?
『なるほど、また新しい魔法を開発したってことか』
納得しちゃった。ラピスとラズリなら本当にやりかねないと思ったんだろう。
『それで?』
『何か用?』
可愛い顔でわざとらしく首を傾げる双子。
『お見通しなんじゃないのか?』
『冗談だよ☆』
『いいツッコミありがとう☆』
この二人、誰に対してもこんなノリなんだな。
『ダスト君を元の世界に戻すってことだよね?』
『ああ』
実は時が動く前にその話をした。結論から言うと元に戻す事は可能だ。そもそも彼女たちはそれで世界を渡ってきたからな。
しかし、その前に俺は彼女たちに頼まれたことがある。
それは――
『戻してあげてもいいけどー』
『条件がある』
ラピスとラズリは事前に打ち合わせした通りのセリフを話した。
『条件? なんだ、言ってみろ』
どんな条件でも叶えてくれそうなルシウス。1億くれって言ったら本当に1億くれるのだろうか? 正直めちゃくちゃ欲しいです神様仏様ルシウス様どうか私のような社畜にも札プールを作れるくらいのお金を下さいお願いします。
『ここに来る前に君たちが』
『捕まえた盗賊団を』
『完膚なきまでに』
『壊滅してほしい』
第504話を見て下さり、ありがとうございます。
皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)
次回も宜しくお願い致します。




