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第485話『金を差す闇③』

お待たせしました。

いつもと投稿する時間帯が違いますが

第485話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


『エンジェル、あいつらどうする?』


 ボスの男が、ブラック・エンジェルに指示を仰いだ。


『そうですね、もうそろそろやってしまいましょうか』


 不敵に笑うブラック・エンジェル。ボスの男も同じように笑うと彼女の指示通りに、周りの有象無象に命令を下した。


『てめえら! あの二人をやっちまえ!』


 有象無象が拳を出して襲いかかる。こっちも誰一人として魔法を使ってないし、特別大した戦闘能力もないだろう……と思われたが、力がかなり強いようだ。


 拳を受け止めたパーシヴァルが、苦汁を飲まされたような顔をして、痛みを取り払うように手を上下に動かす。


『いった……なんて力だ……!』


 そうしている間にいくつもの拳が俺達に襲いかかる。


 俺は水魔法の塊を作り出し、全体攻撃ができるように水を分散して発射した。


 一人残らず棒が腹に激突したような攻撃を受け、その場で倒れ込んだ。


『大丈夫か、パーシヴァル』


『ああ、なんとかな』


 まだ僅かに震える腕に力を込め直すパーシヴァル。


『まともに攻撃を受けない方が良さそうだぞ』


『そのようだな』


『まあ、有象無象は倒しちまったけどな』


 あと残りは2人。ボスの男とブラック・エンジェルを名乗るサイコ女。


『ほう、やるじゃねえか』


 ついにボスの男が前に出る。


 肩に巻き付けてある鎖を手にとって、ぐるぐると回す。


『喰らえ!』


『来るぞ!』


 ボスの男は鎖を投げ打った。鎖は弾丸のように速く、標的(ターゲット)めがけて突撃する。


『!?』


 俺とパーシヴァルは飛び上がって何とか回避した。


 代わりに鎖が鉄の床にめり込み、攻撃を終えた後は主の元へ戻っていく。


『なんて威力だ……!』


 ちょっと打ちつけただけで、鉄の床にひび割れを起こす程だ。直撃したらかなりのダメージを受けるだろう。


『マジかよ……』


 ここで防壁魔法を敷けば簡単に防ぐことができるが、事情を知らぬ現代人の前で未来の魔法は使えない。


 なので6属性の魔法を使って戦うしかない。


 まあ、とはいえ相手も魔法は使ってこないし、それほも強敵ではないだろう。


 試しに水魔法を使うか。


『お返しだ!』


 水弾をボスの男に向けて発射する。


 ボスの男はニヤリと笑いながら、鎖を叩きつけるように振り落とし、水弾を打ち落とした。


『これならどうだ!』


 水弾のように炎と雷の塊を同時に発射したが、これ同様に床に叩きつけられて消滅した。


 今度は水、炎、雷、氷、光の塊を繰り返し連射した。


 これにはボスの男もさすがに表情を変え、本気で全てを打ち落とす気で鎖を振り回したが、5回ほど攻撃が当たってしまった。


『ぐっ……!』


 負傷したボスの男は傷口を手で抑え、隙が生まれた。


『とどめだ』


 俺は容赦なく光魔法を放ち、ボスの男に引導を渡した。


 すると、ちょうどブラック・エンジェルのチャイナ服の中を覗くような形で男は倒れ込んだ。これは故意ではなく、偶然そうなっただけだ。


『うぅ……』


 ブラック・エンジェルの下着が視界に映っているはずだが、特別な反応はない。傷が痛くてそれどころではなさそうだ。


『あらあら、無様にやられましたね。それともわざと倒れてまで私のパンツを見たかったのですか?』


 仲間がやられても尚、悪役のような醜い笑みが止まらない。それどころか虫を見るような目で見下した。


『た……たすけ……』


 男はチャイナ服の裾を掴んで助けを乞う。


 その行為が癇に障ったのか、ブラック・エンジェルは笑みを怒りに変えて、ハイヒールで思いっきり踏みつけ、男にとどめを刺した。


『汚らわしい! 私の服を脱がすのもパンツを見ていいのは、過去にも先にも()()()だけです!』


 あの方……?


『さて、この下着覗き変態野郎は成敗しました。最後は私がお相手しましょう』


 ただならぬ黒いオーラを発する。その禍々しい闇色のオーラは瘴気となり、この倉庫全体を包みこむ。


『これは……!?』


『気をつけろ! あの女、何か仕掛けてくるぞ!』


 読み通り、ブラック・エンジェルは手のひらを向けるように前に出すと、そこから闇色の炎が出現する。


『これは熱いですよ……!』


『来るぞ!』


 警戒態勢MAXで闇色の炎を見つめる。


 ――その時だった。


 突如として闇の瘴気は晴れ、代わりに一つの光の塊がブラック・エンジェルに向かっていた。


 ブラック・エンジェルは舌打ちをし、俺達に攻撃するはずだった闇の塊はその光の塊にぶつけた。


 衝突する光と闇は一瞬にして相殺した。


『誰かと思えば貴女ですか……何の用ですか? ()()()


 シャイだと?


 ノルン様主催の大会のトーナメント戦でルカヴァちゃんと戦い、サバイバルバトルで俺と最初に戦った特別な力を持つ少女の一人がこの場に現れた。


『お前を止めに来たんだ……()()()


 ダークって確か、特別な力を持つ少女達の中で唯一大会に参加しなかった奴だ。


 俺も詳しくは知らないが、闇魔法を得意としていると聞いている。なるほど、その通りだ。


『ダーク! お前の()()()()()はもう判明している! 詳しい事情を聞かせてもらおうか!』


 裏切り行為……?


『裏切りなんて……それは違いますよ』


『違くない。ノルン様がそう言っているからな!』


『いいえ違いますとも。裏切りも何も私は最初から貴女達を味方だと思ったことはありませんからね!』


『ダーク……貴様!』


 憤慨したシャイは再び光の塊を放出した。


 しかし、ダークは手をかざしただけでそれを吹き飛ばした。


『今貴女と戦うつもりはありません。()()()()()()()()()()()()()()()


『どういうことだ!』


『今に分かりますよ。あぁ、あとオーガスト・ディーンさん』


『何だ?』


『白鳥姉妹の事は一旦手を引きます』


『なに……?』


 信じられるわけがない。


『嘘に決まってる。このままお前を捕まえて、黄金(こがね)達の安全を手に入れる』


『決めていたのです。この不良集団が全滅したら彼女達から手を引くと』


『それを誰が信じるんだ?』


『おやおや、疑い深いのですね。貴方は人狼ゲームがお好きなのですか? たまには人を信じてみてもいいのではないですか?』


『黙れ』


『怖い怖い。ちょっとは落ち着きませんか。それともそんなに感情を乱してしまうほど、そんなに生徒が大事なのですか?』


『ああ』


『素晴らしい、なんて立派な教師なのでしょう。私感激致しました』


 胡散臭い笑みで乾いた拍手が送られた。


『教師の鏡ですよ、貴方は。……市民でも人狼でもないくせに』


『は?』


『オーガスト・ディーン。貴方の()()も、()()も全て分かってます』


『……?』


『よく分かってない顔ですね? でも私()は貴方をよく知ってます。だって貴方は()()()()()()()()()の人間なのですから』


『どういう意味だ……?』


『ふふふ、いずれ分かりますよ……では、そろそろ私は去りますね』


『おい、待て!』


『またお会いしましょう。その時は是非あの方のシナリオ通りの姿になっていると嬉しいです。クリア特典として私のパンツも見せてあげますよ』


 ダークはそう言い残し、一瞬にして姿を消した。まるで最初からそこにいなかったかのように。


『あいつ、どこ行った!』


 もうここにいるはずもない。ここに残っているのは俺達と廃棄された倉庫と、そこでゴミのように使い捨てられた不良達だけだ。


『何だったんだあの女……』


 呆けている俺とパーシヴァルにシャイが話しかけてきた。


『オーガスト・ディーン。パーシー・ヴァルキリー殿』


『何だ?』


『さっきのダークについて少し話がある』


『話ってなんだ?』


『ダークの裏切り行為についてだ。あいつはどうやら別の組織に所属してて、私達の動向をその組織のボスに報告してたらしいんだ』


『別の組織?』


『ああ、実態はノルン様でも分からなかったが、私達の敵なのは確かなようだ』


『ノルン様でも分からなかったのか?』


『あ、ああ』


 ノルン様はこの世界の神のような存在だ。故にどんな情報だろうと開示できる権限があるはずだ。


 なるほど、つまりその組織にノルン様と同等あるいはそれ以上の権限を持った者がその組織にいるということだな。


 そして、もう1つ気になるのが、ダークのあの言葉。


 “だって貴方はこちら側の人間”


 どういうことなのだろうか?


第485話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

とりあえず一区切り……ついたと思うので、一旦改稿作業優先モードに戻ります。なので次の更新は少なくとも4日以上はかかります。

あと、まだめまいが残っているのでまた執筆作業をセーブする可能性もございますので

ご理解の程宜しくお願い致します。


いつも僕の作品を読んで下さり、更新頻度が下がったのにまだ待っていて下さり、本当にありがとうございます。

読者の皆様がいるから、自分もここまで書き続ける事ができていると思うので、本当に感謝しかありません。

改めて、ありがとうございます。

今後とも、何卒宜しくお願い致します。

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