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第484話『金を差す闇②』

お待たせしました。

第484話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 黄金(こがね)達を狙う奴らがいると聞き、俺とマーリン達で捜査した結果、どうやらとある不良集団が絡んでると判明し、俺とパーシヴァルはその不良集団に突撃した。


 廃棄された倉庫に、奴らは住み着いていた。


 総勢大体50人といったところか。ただの不良集団としては大きめの組織だ。まさに不良漫画のような展開すぎて、俺も不良になったみたいな感覚で少しドキドキしている。


『なんだぁ? てめえら?』


 一番入口に近い所にいた不良二人組が俺達に威嚇を放つ。


『ちょっと話をしたい』


『はぁ? てめえらに話すことなんてねえよ! 帰れ!』


『そういうわけにもいかないんだ。なんせうちの生徒がお前達に嫌がらせをされてるみたいでな』


『知らねえよ、んなのよぉ!』


 しらばっくれる不良に、黄金の写真を見せた。


『こいつだ。知ってるだろ?』


 不良は黄金の写真を凝視する。


『あぁ、こいつか。確かに俺達がちょっかいかけてる女だな』


『なぜそんなことをする?』


『さあな、“ボス”がそうしろと命令したからな』


 あくまでボスの指示ってわけか。


『じゃあそのボスとやらに会わせてくれ』


『やなこった。どうしても会いてえなら……俺達を倒してからにしろ!』


 目の前の不良は俺に拳を放つと、俺は水魔法で不良に反撃し、軽く吹き飛ばした。


『てめえ! よくも!』


 敵討ちと言わんばかりに、続々と有象無象の不良達が一斉に襲撃してきた。


 とっさに数え切れないほどの結構な数だが、誰一人として魔法を使う様子が見られない。ただ己の拳だけで戦うようだ。


 この世界では勉強=魔法なので、授業を平気でバックレる不良が魔法をちゃんと覚えているはずもないから、誰も魔法を使わないのは当然ではある。むしろ魔法を使う不良は頭を使う策士タイプだろう。


『主人、ここは私がやる』


 パーシヴァルは前に出て、拳をパキパキと鳴らしながら、炎を灯す。


 ほう、フレイと同じ戦闘スタイルでいくのか。


『拳で語るなら、私が適任だろう!』


 不敵な笑みを浮かべるパーシヴァル。なんだかすごくカッコよく見えるが、ただ暴れたいだけだろ。


 俺はため息をついて、


『分かった。やり過ぎるなよ』


 そう釘を刺しておいた。まあ、さすがに教師になってから日も経ってきたし、分かってるとは思うが。


『へへ、了解だ!』


 そう言って、パーシヴァルは不良の軍勢を余裕で屠った。全員一発で撃沈させただけなので、大した怪我はない。事が終わるまでそのまま眠ってもらおう。


『よし、じゃあ行こう』


 ボスがいるとされる奥の闇まで足を運んだ。


『何者だ!?』


 そこには、ボスと思しきスキンヘッドの大男と派手に着飾るチャイナの美女と、あとは有象無象の部下が十人ほど。


『何か騒がしいと思ったら、てめえらか』


 不敵な笑みを向けるボス。俺達がここに来た時点で自分の仲間がやられたと分かっているはずなのに、まるで気にもかけない。よほど実力主義の集団なのか、ボスが部下を使い捨ての道具か何かだと思ってるのか。まあ、どちらにせよ放置していい集団ではなさそうだ。


『なぜ黄金達を狙う』


『あの姉妹か。それは――』


『ここは(わたくし)、ブラック・エンジェルがお答えします』


 チャイナ服の女が前に出た。厨二感溢れる名前を名乗っているが、ぜっっっっったい偽名だろ。もう発症してるだろ。かわいそうに、これが後に黒歴史になるとも知らずに


『白鳥黄金さん達を狙った理由ですが、彼女たちが可愛いから、ちょっと、ちょっかいかけたかっただけなんですよ』


『ちょっかいだと? ふざけるな! 黄金達にどれだけの迷惑をかけてると思ってるんだ!』


 パーシヴァルは怒りを顕にした。


『ハハハハハハハハハ! 嘘ですよ! 本当は絶望や悲しむ顔が見たかったんですよ! 人が不幸になっていく様は“快楽”ですからねぇ!!!』


 ブラック・エンジェルは、歪んだ笑みでねじ曲がった性癖を披露する。


『お前……!』


 パーシヴァルは怒りのあまり、今にも拳を振り上げようとする。


『待てパーシヴァル』


 俺はパーシヴァルを制止するが、その怒りはなかなか引っ込まない。


『でもよぉ! こいつらのせいで黄金達(あいつら)が!』


 その怒りはもっともだ。俺だってブチギレてる。こいつら全員、まだ試してない魔法の実験体にしたいくらいにはな。


『分かるけど、ちょっと待て』


 俺は視線を戻して、再びブラック・エンジェルとの話を再開させる。


『なあ、快楽を求める気持ちは分かるが、それ迷惑だからやめてくれないか? 本当に困ってるんだ』


『だから良いんじゃないですか。早く不幸になって私を喜ばせて下さいよ』


 歪んだ表情はそのまま、この女は心の底から人の不幸は蜜の味と思っている、とんだサイコ女だ。


 ハッピーエンドを目指す俺とこいつとは絶対に解り合えない。だが、快楽を求める姿勢そのものは俺と通ずるものがある。


 さて、次は――


『次はお前に聞きたい。ここのボスだろ?』


 スキンヘッドの男に声をかけた。他の有象無象と明らかに存在感が違うので、勝手にそう決めつけた。


『ああ、俺がこの“シャイニングブレイカー”のボスだ』


 この不良集団そんな名前だったの?


『お前は何でその女を隣に置いている?』


『上玉だからだ』


『それだけか?』


『ああ』


『……ブラック・エンジェルが危険な思考を持っているのはもう分かっていると思うが、それでも尚その女を隣に置くのか?』


『ああ』


『なぜだ?』


『上玉だからだ』


『上玉だったら何でもいいのか?』


『ああ、上玉だからな』


『……?』


 何だか、スキンヘッドの男の様子が少し妙な気がする。うまく説明ができないが、話し方がふわふわしてるというか、本当に考えて喋ってるのか、まるで不完全なAIと話しているような感じがする。


 俺は一瞬だけ隻眼魔法を使った。


 なるほど、そういうことか。


 スキンヘッドの男の周りに()()()()()()()()()()()()()()()()()


 これは未来の知識だが、闇魔法は人によって様々な力を引き出す。その一つが洗脳。


 この闇の瘴気を浴びた者は、問答無用で洗脳されるわけだ。


 俺は常に結界魔法を張ってあるので洗脳はされないが、パーシヴァルは魔法に耐性がない。


 そう思った矢先にパーシヴァルは殺意を俺に向けてこう言った。


『そういや主人、アイスはフォークで突き刺して食べる派だったよな……?』


『何の話!?』


 そういや、前にヴァルハラで生徒達と宿泊した時に、アイスはスプーンを使って食べる派かフォークで突き刺して食べる派で、アホみたいな争いが起きてたな。その時俺はフォークで食べたけど、それがパーシヴァルを含むスプーン派の逆鱗に触れたらしい。


 洗脳されかけているとはいえ、そんなしょうもないことで殺意を向けられても困るんだが……。


 はぁ、やれやれ。


 こっそり対闇魔法の結界魔法を付与しておこう。今からでも間に合うだろう。


『はっ……! 今私何を……?』


 本来の意識は無事浮上したが、先ほどの記憶は飛んでいるようだ。


『パーシヴァル、お前はさっきまで闇の瘴気に当てられて洗脳されかけてたんだ』


『洗脳だと!? おのれ!!』


 パーシヴァルは憤り、再び拳に炎を灯した。


『あ、そういえば主人はアイスをフォークで刺す派だったよな……?』


 何故かまた殺意に満ちた顔を向けてきた。洗脳された際に浮かんだ記憶がそのまま頭にある状態なのだろう。


『もういいよ!』


 パーシヴァルに洗脳はもう効かないだろうが、フォーク派かスプーン派の争いは、この問題が解決した後も続くだろうな……。


 ――さて、ブラック・エンジェル。どうやらこの女がこの不良集団を操って、黄金達を困らせた黒幕らしい。そしてパーシヴァルに余計な事を思い出させたはた迷惑な女である。スプーンとフォークの話はもうしたくない。


 そして、この女はただ者じゃない。さっき隻眼魔法でチラッと見たがかなりの量の魔力が流れていた。希少な闇魔法を使いこなしていた事といい、かなりの強敵であるのは間違いない。


 さて、これからどう動くかね。

第484話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)

次回もまた3日以内には続きを更新しようと思いますが、まだめまいがするので、症状次第では遅れる可能性がございます。

不安定で申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。

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