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第479話『皇帝陛下の学園生活①』

お待たせしました。

第479話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


《???視点》


 私はここで生まれた。私はとある使命を全うするためにこの世界に生み落とされたのだ。


『私は■■■――』


 神は人類を滅ぼす。そんな未来(ゆめ)を見た。


 この世界は所詮仮想だ。必要とあれば創り、不要となれば廃棄される遊具のようなものだ。


 しかし、今は人類にとってここが住処であり、私にとっては故郷そのものだ。もはや道具や物ではない。


 だから守りたい。


 でも私は勇者じゃない。むしろその()だ。


 未来ではそれが私の役目らしいが、それでいい。


 何故なら、そこで()を喚ばなくてはいけないからだ。その為には私が魔王にならなければならない。


 それが――それこそが世界を救う鍵となるからだ。


 異世界の勇者■■■。共に世界を救ってほしい。もちろん礼はさせてもらう。ほしいものならいくらでも与える。私自身でも構わない。私の身体を好きにしても構わない。だから――


『助けて■■■君……』


 ――――――――――


 起床した。


 些か妙な夢を見た気がするが、思い出す努力をせずに朝のルーティンを済ませる。


()()()()、おはようございます』


 執事の者が私に挨拶を行う。


『ああ、おはよう鴨志田』


 彼女の名は鴨志田紫雷(しらい)。特筆するべき事はない。


 鴨志田は執事の一人に過ぎない。他にも私の世話役はいくらでもいる。とはいえ使い潰したりはしない。彼らは大切な従業員だ。無理な労働は論外。報酬は相応の分をきちんと支払う。人の人生を使用しているのだ。これくらい主として当然の事だ。


 非常にありがたいと思っている。これからも私のそばで働いてほしい。


 だが今の私は学園に通う生徒であり、他のクラスメートの気持ちを知るために通っているのだから、私の豪勢な暮らしもなるべく庶民に寄せたいとも思う。


 しかし、それぞれの家庭のレベルに多少の違いはあれど、私の場合はあまりにも次元が違う。いきなり平均の家庭と同様の暮らしをすれば、さすがの私も精神を保っていられないかもしれない。それに皇帝陛下としての立場もある。ほんの些細な事でも何かあってはいけない。なので、執事は最低一人以上はつくようにした。


『今日の朝食は――』


 いつも通りに朝食を頂く。


 一通り朝の支度を終えると、漆黒のリムジンが待ち構えていた。言うまでもないが私の学園の送迎のために用意されたものだ。


 いらぬ! と言いたいが、皇帝陛下が徒歩で出歩くと様々な面倒事が待っている。不本意だが乗車するしかないのだ。


 許せ私のクラスメート達よ。共に登校や下校することは叶わぬが、せめて私と最高の思い出を作ろうぞ。


『皇帝陛下、学園の方はどうしょうか?』


 運転手の杉田が運転中にそう訊いてきた。まだ転入してから5日ほどしか経っていないというのに、せっかちな奴だ。


『ああ、愉快だ。クラスメートも常に楽しそうで、学びもたくさん得ている。将来も有望だ』


 私は律儀に質問に答えた。


『そうですか、それは素晴らしい。皇帝陛下もさぞお楽しみの時間を過ごされているのではないですか?』


 さらなる質問が私に投げかけた。


『そうだな。きっと私は楽しいのだろうな』


 しかし、これは遊びではなくあくまで調査だ。私の土台からでは見通せない部分を見る為に下に降りてきたに過ぎない。


 そう、断じて遊んでなどおらん。この、私が、そんな浮ついた事をするわけがないだろ。なあ? そんな遊ぶだなんて……ありえないだろ。


『そろそろ到着です』


 学園脇の駐車場に車を止めた。


『それにしても、相変わらずこの学園の外観は……派手というか奇抜というか……』


『些かファンタジー味があると言うことですかね? それも悪の組織のボスがいる城のような』


 杉田は的確に指摘した。


『そう、それだ』


 魔王城、というやつだ。杉田が言った通りラスボスの根城のような姿をしている。


 ずいぶんと凝ったデザインだが、ここが誰も子供たちの学び舎だとは思わんだろう。


 しかし、自然と校門に入っていく生徒たちを見ていると、ここはあくまで学校であると証明している。


『しかし、シュールな光景ですな。悪の城に入る善良な生徒たち。はぁ、一瞬頭が混乱しそうです』


 杉田は片手で頭を押さえて、困惑していることを表現している。


『そうだな。だがまあ――』


 流れる生徒たちの顔を一人一人見る。誰も彼も表情は悪くない。『おっはよー!』と楽しそうに友人と合流する女子生徒の姿に挨拶際に肩を組む男子生徒。人によって歩み方は千差万別だが、彼らは確かに青春の学校生活を送っている。


『子供たちが楽しそうで何よりだ』


 彼らはこの国の未来を決める重要な人材だ。後を託せるように今は我々大人たちがしっかりとこの国を引っ張っていかなければならない。


『杉田、ご苦労だった』


 私は運転手に労いの言葉を贈り、学園の中へ向かった。


『さて、今日はどんな一日になるんだろうな!』


 興奮(わくわく)が止まらない。


『あ、マーブルちゃん。おはよー』


 私の元にクラスメートが一人。名は確か前島志保だったな。可憐で明るくて優しくて、まさに理想の女の子と呼べるだろう。


『うむ、おはよう! 志保!』


 私が声をあげると、磁石の如く続々と後ろから人が押し寄せてくる。


『マーブルちゃんおはよー!』


『おはよう、マーブルちゃん!』


 クラスメートの者達と次々と挨拶を交わす。


『うむ、皆の者! おはよう! 今日も良い1日にしようではないか!』

第479話を見て下さり、ありがとうございます。

皆様がこの話を見て楽しめたのなら幸いです(^^)


ここで皆様にお知らせがございます。

実は今まで放置していた改稿作業に力を入れていこうと思います。ペースを守って新しい話を書いていくと、どうしても改稿作業に入れなくて正直モヤモヤしていました。

なので、明日からは改稿作業が終わるまでは”3日に1話のペースを崩して”執筆していこうかと思います(5日に1話や10日に1話等。余裕があればもっと早く投稿する可能性あり)。

楽しみにして頂いてる皆様には本当に申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。

あと、もし出来たら設定資料も整備したり、増やしたりしたいと思います。

たとえば、単語帳のようなページを作って、あの単語ってどういう意味か分からなくなった時に見て頂く等。

何度も言ってることですが、この物語は絶対に完結させます。必ず必要な事を終わらせて戻ってきます。


何卒宜しくお願い致します。


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