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第476話『俺たちの冒険はこれからだ!』

お待たせしました。

第476話の執筆が完了しました。

宜しくお願い致します。


 未来からやってきた“何者か”は俺達の後を追ってきた。それは間違いないだろう。でもそれが誰で何が目的なのかは不明だ。


 得体が知れなさすぎて、身体が震えるほど不気味だ。


 今ここにいる俺達だけで議論を重ね、いくつか仮説を立ててみるも結論は出ず、ちょっと真実を知っただけで何も進展していない。


 闇の組織についてはノルン様が現在進行系で捜査している。成果が出るまでは俺達は何もできないだろう。


『確かにもどかしい気持ちもあるけど、なぁに、焦る必要はないさ。果報は寝て待てってだけのことだよ。というわけで今日はもう寝よう。みんな明日早いんでしょ?』


 マーリンが時計に視線を送ることで、全員に現時刻を再認識させた。


『0時55分……もう明日だな』


 日付を跨ぐほど議論が白熱していたようだ。楽しい時と集中している時は本当に時の流れが早い。もうちょっと時間が欲しいが、世界がそれを許さない。たとえどんなに供物を捧げようと、時は平等に数字を刻み続ける。


『よし、じゃ寝るか。おやすみ』


 パーシヴァルは一足先に部屋へ戻った。


 重大な事なので結論が出なかったとしてもまだまだ話していたいところだが、そのせいで翌日異常な眠気に襲われて仕事に支障をきたしてしまっては生徒たちに示しがつかない。ここは早急に睡眠を取るべきだ。


『俺達も寝よう』


 続いて俺とあおいちゃんとマーリンもそれぞれの部屋に戻り、リビングは静寂を取り戻した。


 考えることは多いが、俺はベッドに身を預け、夢の世界へログインしようとする。


『これ眠れるかなぁ』


 身体を横にし、眠るという行為を取っても、頭は残業をするサラリーマンのように仕事(かいてん)を止める気はないようだ。


『早く寝たい……じゃないと朝がめっちゃ辛い……』


 こういう時は羊でも数えよう。定番すぎて逆に眠れないかもしれないが、何もしないよりはマシだ。


 羊が一匹……羊が二匹……羊が三匹……みどりちゃんが一人……みどりちゃんが二人……みどりちゃんに跨ったブロンズ様が一人……みどりちゃんに跨ったゴールドちゃんが一人……アースちゃんと手を繋いで歩くシルバーちゃんが一人……俺を誘惑するミニスカ姿のブロンズ様が一人……そんなブロンズ様のスカートの中を後ろから覗こうとする赤髪ちゃんが一人……そんな赤髪ちゃんをストーカーするあおいちゃんが一人……テンションがバグってる魔王が一人……何故かドラゴン化した魔王が一匹……みどりちゃんに噛まれてるドラゴン魔王が一匹……アイドル活動するブロンズ様、シュタイン、桐華が三人……。


『いや、俺の頭の中カオスすぎるだろ』


 その後、時間はかかったがなんとか夢の中へ入り込み、現実世界からシャットアウトすることができた。ほんの数時間程度ではあるがこれで頭も身体を休ませる事ができるぞ。


 …………………………。


 …………………………。


 …………………………。



 ――嵐が吹き荒ぶ。


 ここは大海原。俺は船に乗って海を渡ろうとしている。


 こうなった経緯は分からないし、記憶にもない。


 ザザッ。


 一瞬だけ雑音(ノイズ)が聞こえた。現実世界では聞きようのない機械的な音だ。


 あぁ、どうやらこの世界も――


 あっという間に真っ暗闇。先程まで見えた嵐の海は画面を切り替えるように無かった事にされた。


『ねえ、お兄ちゃん?』


 見たことがある美少女が俺に話しかけてきた。


『どうしたの? ■■■■様』


 彼女の名前は■■■■様。■■城の■■であり、俺の大切な人だ。


 彼女の料理は美味しい。姉である■■■■ちゃんと■■■■ちゃんの料理ももちろん美味しいが、それだけじゃなくて、みんなで卓を囲って楽しく食事するという行為がさらなる美味をもたらしてくれる。


『ねえ、お兄ちゃんはいつになったら私達を助けてくれるの?』


 彼女は心に剣を刺したかのような鋭い質問を繰り出した。これは未来の彼女からの催促だ。一向に助けに来ない弱すぎる男への罰だ。


 とはいってもここは夢の中だ。所詮はツギハギの記憶をバラバラに映し出しただけの映像なのだ。


 ■■■■様をよく見ると、身体全体は透けていて、ところどころテレビの砂嵐のような模様が浮かんで存在が不安定だ。


『いつ……か。分からない。だって今の俺達が助けに入ったところで実力不足でどうにもできない。だから――』


『だから?』


『強くなって帰ってくる。必ず君を助けに行くよ――待ってて――ブロンズ様』


 刹那――黒い世界はガラスが割れたように白い世界へと変貌した。その果てには俺達を祝福するような早朝の日が昇っている。


 それを背景に、ブロンズ様、ゴールドちゃん、シルバーちゃん、赤髪ちゃん、魔王、アースちゃん、みどりちゃん、アミさん、バレスさん、ミユウ、ダイゴ、フラン、ケン、シュタイン、ケイデス、ヒナさん、トウカ、桐華、ケールさん、神様、ルキウス、ガラード、レッド、ケイ、ブラック、プラチナ、未来のマーリンが並び立っていた。


 向かう合うように、俺、あおいちゃん、パーシヴァル、ルカちゃん、ルカヴァちゃん、カレンちゃん、フーちゃん、フレイ、サン、シャイ、マリン、現代のマーリン、新井さん、わかなさん、ファースト・ドライヴ、セカンド・ドライヴ、オベイロン、ノルン様が立っている。


『そっか、お兄ちゃんにはいっぱい仲間がいるんだね』


 嬉しそうに、でもどこか寂しそうに彼女は言った。


『うん、この頼もしい仲間達を引き連れて来るから。それまで待ってて――』


 伝えたい事は伝えたが、目の前にいるブロンズ様は本物ではない。所詮は夢の中が見せたツギハギの幻想だ。


 それでもいい。俺は伝えたかった。彼女を前にして伝えずにはいられなかった。それほどまでに彼女が愛おしいのだ。


『待ってるよ、お兄ちゃん』


 ブロンズ様はとびっきりの笑顔を俺に向けると、みんな一斉に最初からいなかったかのように消え去った。


 残ったのは俺一人。


 ――幻想の風に煽られて、ただこの早朝の美しい光景を目に焼き付ける。


『さて、俺も行くか』

ご愛読ありがとうございました。

カオス先生の次回作にご期t……いや、違う違う違う!

まだ終わらねえ!!!

とはいえ、そろそろ終わりが近づいているのも事実です。

これからこの作品はどこに向かうのか、彼らが待ち受ける運命は如何に……。

クソ雑魚初心者作家のデビュー作品、最後までお楽しみ頂けると幸いです。


次回も宜しくお願い致します。

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