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第39話『少しお話があります』

お待たせしました。

第39話できましたので、宜しくお願い致します。



※改稿しました。ストーリー・キャラ設定等は変えてません。

※2022年5月13日改稿しました。

※2026年8月2日改稿しました。

 被害者のアースちゃんが襲われた時の記憶のみが封印されたと聞いて、居ても立ってもいられなくなった俺は、倒されたあおいちゃんを担いだ赤髪ちゃんと共に、すぐにアースちゃんの元へ訪ねた。


『アースちゃん、大丈夫?』


『おー、ダス君! ()()()は大丈夫だぞ~!』


『?』


 何か変だったが、アースちゃんの意識も容態も完全に回復しており、いつものアースちゃんのテンションを取り戻していた。


 命に別状は無くて本当に良かった。もし万が一の事があったら、俺はもう立ち直れなかっただろう。


 アースちゃんの手当をしてくれた赤髪ちゃんに感謝しなきゃな。


 ずっとアースちゃんの傍にいたシルバーちゃんも涙痕を残しながらも、にっこりと笑っている。アースちゃんが無事で心の底から嬉しそうだ。


 一方赤髪ちゃんは、アースちゃんとあまり仲が良くないのか、アースちゃんに声をかけないどころか、目すら合わせずに、せっせとあおいちゃんをベッドに寝かせた。


『それなら良かった。でも、記憶が……』


『それなんだよなぁ、今朝からの記憶が全然無くてね。自分で調べて見たら、()()()()を施されてるみたいでさ……なんか気持ち悪いわ』


 封印魔法……その名の通り、何かを封印することができる魔法だ。アースちゃん曰くそれは物でも空気でも記憶でも封じ込めることができるとても強力な魔法だ。レアリティはURクラスと相当珍しいらしい。


 犯人はそんな強い魔法を使うのか、これは犯人を見つけたとしても捕まえられる気がしないぜ……特に俺は。


『封印魔法ですか……それを解く方法は?』


 赤髪ちゃんは封印魔法には興味があるのか、話しかけないつもりだったアースちゃんにそう質問した。


『アクアちゃんなら、その手の魔法知ってそうなんすけどね。でもどこにいるか分からないんすよね……火の国にいる事が判明したファイちゃんなら……うーん、でもあの性格だしなぁ……』


 そのファイちゃんがどのくらい性格が濃いのか知らないが、アースちゃんも相当濃い方だと思うぞ?


 ん? あれ? アースちゃんって、赤髪ちゃんに対してはこんななんとかっすみたいな喋り方なの? 


『火の女神様ってどんな方なんですか?』


 赤髪ちゃんは続けてそう質問をした。


『脳筋、圧倒的脳筋』


『ああ……脳筋ですか……』


 俺は脳筋と聞いて、つい赤髪ちゃんの方を見てしまった。


『ダスト様、なぜ私の方を見るんですか?』


 赤髪ちゃんは、笑顔 (ただし目は笑ってない)を俺に向けながらこちらに話しかけてきた。怖い。


『まあ、どのみちファイちゃんもアクアちゃんには会って話をしておかなくちゃいけない……だけど、()はまだここから離れることはできない。皆、頼んだよ』


 アースちゃんからめっちゃ真剣な眼差しで頼まれた。女神捜索の依頼を押し付けられた時もそうだったけど、正直めんどくさい。でもとても断る雰囲気じゃないなぁ……。


 仕方ない、あまり乗り気じゃないけど行くしかないか。


『分かりました。どちらにせよ、こっちも魔王探しに、火の国へ行こうかと思ってましたし』


 俺がそう言うと、シルバーちゃんもこくんと頷く。


『ありがとう!』


 アースちゃんは深々と頭を下げた。シルバーちゃんは女神様に頭を下げさせてしまったことに、あたふたしていた。


『シルちゃん、大丈夫だよ。私から頼んだことだから』


 ……?


 まただ、なんだこの違和感。


『は、はい、頑張ります』


『うん、その意気だよ』


 シルバーちゃんは、にっこりと笑いながら頷いた。その直後、急に真面目な表情になり、俺に話しかけてきた。


『あの、ダストさん、少しお話があります』


『お? もしかして……告白かな?』


『違います!』


 シルバーちゃんは、頬を赤らめながら強く否定した。可愛い。


『ははは、冗談さ』


『なんだ、そうだったんですか、あはははは』


 笑って誤魔化したが、俺も一瞬本当に愛の告白かと思った……なんて言えない。


『ダストさん……ちょっと表へ出てください』


『それ、ケンカ売るときの言い方ぁ』


『あ、ごめんなさい。間違えました』


 そんな間違い方する?


『ま、まあいいや、とりあえず廊下に出ようか、どこ行くの?』


『私の部屋に来て下さい』


『シルバーちゃんの部屋……?』


『はい』


 シルバーちゃんの部屋は2階にあるらしい。俺の部屋も食堂も修練場も1階なので、2階から上に行った事はない。2階から上は女子達の部屋があるからだ。故に男子禁制な気がして探索もできなかったのだ。なので2階に行くのは本当に初めてだ。少し緊張するな……。


 治療室をあとにした俺とシルバーちゃんは廊下を歩きながら2人きりになれる場所まで移動した。


『着きました。ここが私の部屋です』


 ごく普通のドアに“シルバーの部屋”と書かれていたプレートがかけてある。いかにも普通の家の普通の女の子の部屋のドアだ。それ以外の感想が出てこない。


 とはいえ、女の子の部屋に入るなんて初めてだ。――ヤバい、さっきよりも心臓の鼓動が早くなってきた。腹も痛くなってきた。おまけに吐きそうだ。体調は良好なはずなのに身体全体が異常事態に思える。


『ダストさん、大丈夫ですか? なんだか顔色が優れないようですが』


『あ、ああ大丈夫大丈夫。ただ、可愛い女の子の部屋に入るとなると緊張しちゃってさ』


 俺は思わずシルバーちゃんのことを可愛いと口走ってしまった。いくら本当のことでも本人の前で言ってしまうとは……。


『か、可愛い……ですか……』


 案の定、照れ屋なシルバーちゃんの顔はカアアと赤くなり、それから数分は目を合わせてくれなかった。


 いや、マジで可愛い過ぎるんだが……。


『と、とにかく上がってくだひゃい!』


 シルバーちゃんは動揺のしすぎで噛んでしまった。それによりシルバーちゃんの顔はゆでだこみたいに更に赤みを増した。


 いや可愛すぎる。


 俺はニヤニヤしながら、シルバーちゃんの部屋に上がった。


 シルバーちゃんの部屋の中はピンク色のタンスやクローゼット、ベッド、机、ぬいぐるみや鏡があったりと、まさに、THE・女の子って感じの部屋である。期待を一切裏切ることがない、あまりにもイメージ通りの部屋だった。だけど、それでいいのだ。


『あ、あの……それで話なんですけど……って何ニヤニヤしてるんですか! さっきの事は……忘れて下さい……』


 シルバーちゃんは涙目で怒り顔を見せた。怒り顔も可愛いけど、これ以上はツッコまないでおこう。話が進まないからね。


『ああ、ごめんね。それで話って何?』


 そう言うと表情がコロコロ変わるシルバーちゃんは、真面目な顔になり、衝撃的な話をし始めた。


『実は……女神様……アース様は、本当は()()()()()()()()()()()()()()()()


『え?』


『あまり、皆を騒がせたくないとのことで、あえて記憶を封印されたと嘘をついたのです』


『なんだって……? じゃあアースちゃんは、自分を刺した犯人を覚えてるってこと?』


『はい』


 突然心臓の鼓動が早まった。つまりそれは推理するまでもなくすぐに犯人を突き止められるということだ。


 犯人は誰だ? 俺は頭を回し続けてずっと考えていたが、犯人は突然いなくなった魔王が1番の容疑者候補だったが……果たして……?


『その犯人は……?』


『犯人は……』


 シルバーちゃんは、犯人の名前を口にする前にその犯人に指を指した。その指の先には――


『え?』


 後ろに誰かいるわけでもない、かといって前に誰もいるわけでもない。シルバーちゃんの言う犯人とは――


『犯人はダストさん。あなたです』


『は?』

第39話を見て下さり、ありがとうございます。

次回ですが、早ければ21日、遅ければ23日には、投稿したいと思います。

宜しくお願い致します。


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